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プロポーズ
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「詩織、話聞いてる?」
「あっ、ごめんなさい」
「もうそろそろ結婚の話、受けてくれないか?」
「もうって、まだ付き合って3ヶ月も経ってないじゃない」
「この3ヶ月、僕は何も隠さずに接してきたつもりだ。何か嫌な部分あった?あったなら、直す」
「う~ん、別にそこまで気になることはなかったかな」
「僕は、詩織の全部が好きだ。これは一生変わらない。例え、詩織が太って姿形が変わろうとも」
「ホントに?おまぇ、最近、太ったんじゃないか?とか言うんでしょ?」
「健康的じゃなかったら、言うかもしれない。ずっと詩織には生きていて欲しいから」
「フフフッ、本当に正直ね。絶対に言わないって言えばいいのに」
「そんなこで、今、取り繕って何の意味がある。僕と詩織の人生は、何十年とあるんだ。あの時は、あぁだった。昔はこうだったなんて言いたくない。今、詩織と一緒にいる幸せを感じたいんだ」
「分かったわ。でも、とりあえず同棲でいい?やっぱり結婚は、それから決めたい」
「うん、分かった。嬉しい!着実に詩織との未来が進んでいる!」
「大袈裟ね」
「そんなことないよ。帰れば詩織がいると思うと、仕事にも精が出る」
「お互いに助け合っていきたい。でも、もし大変なら私は辞めるから」
「それは、ずっと先でいいよ。子供達から君を奪うわけにはいかないさ」
「フフフッ、そういうところ大好きよ」
「そう?」
医者や看護師がどんなに献身的に頑張っても、ドナーが見つかって、無事に退院していく子供の数は少ない。
そもそも治療法すら見つかっていない子供もいる。
少しでも生きている実感と喜びを感じてほしい。
そのうち、ジュンくんは見かける回数が減った。経過は良好なのだろう。
そして、私は結婚し、外来に配置転換となった。何人かはこっそりと遊びに来る。
そのうち私のお腹が大きくなってきた。経過は良好で安心しているが、入院しているみんなのことを思うと、親達がどれだけ辛い思いをしているか実感として湧いてくる
そして、出産のために休むことになった。最後に、みんなと話す。
「もう帰ってこないの?」と寂しそうな顔をして話している。
「ちゃんとみんなの顔見に来るから」と笑顔で言う。
無事に出産し、育児に追われているが、赤ちゃんの体調を慎重に確認して、みんなに会いに行く。
外の病気を持ち込まないことが何よりも大切になってくる。
子供達も完全防御の体制で、見に来る。
感情移入すればするだけ辛くなるのは、もちろんわかっている。
でも、みんなが生きていたことを覚えている人間が一人でも多い方がいいと思っている。
何回目かに、ジュンくんと会った。相変わらず何か言いたそうにしているが、私は無視をする。
しかし、バスが終点に着くと、バスを降りて、立ち止まっていた。
詩織の方を向くと、
「詩織さん、子供生まれたんですね。おめでとうございます」とだけ言って歩いて行ってしまった。
「あのぉ」と詩織は声を出した。
ジュンくんは振り返った。
「今はどうしてるんですか?」
「僕、弁護士だったらしいんです。法律の本を見たら、どんどん頭に入ってきて、前に働いてたという弁護士事務所で、他の弁護士の相談というか、今後どうしていくか決めるお手伝いをしています」
「昔のあなたは、自分が弱いから、そういう弱くて困っている人を助けたいと思って弁護士になったと聞きました。仕事の方まではよく分からないんですが、実際にそういう人助けみたいな仕事を受けていたみたいです。だから、自分が弱いからこそ、困っている人の立場で考えて、仕事をしてみてはいかがですか?今できることでいいんです。ダメなら、みんなが助けてくれます。一人で抱え込まないでください」
「そうですね。そうやってみます」
「私には、これ以上言ってあげられることはありません」
「昔のことは、もう聞きません。でも、普通に話してもダメですか?」
「ダメです」
「そんなはっきり言わなくても・・・」
「私にはこの子も旦那もいます。ここは私の職場なんですよ。変な噂を立てられても困ります」
「そっ、そんなつもりは・・・」
相変わらずのリアクション。ダメだ。話していると、昔を思い出してしまう。
「私は恨まれやすいんです」
「そんなに綺麗なら仕方ないですよ」
「ナンパですか?」
「ちっ、違いますって。僕にも奥さんと子供がいるんです」
「それなら、大切にしてあげてください。これで最後です」
「分かりました。残念ですけど」
「まだナンパする気ですか?」
「だから、違いますって!」ジュンくんは背中を向けて歩いて行った。
だいぶオドオドしなくなったようだ。ちゃんと歩けている。
「さっ!みんなが待ってるから行こうね」と詩織は赤ん坊に言って、病院へと歩き始めた。
~終わり~
「あっ、ごめんなさい」
「もうそろそろ結婚の話、受けてくれないか?」
「もうって、まだ付き合って3ヶ月も経ってないじゃない」
「この3ヶ月、僕は何も隠さずに接してきたつもりだ。何か嫌な部分あった?あったなら、直す」
「う~ん、別にそこまで気になることはなかったかな」
「僕は、詩織の全部が好きだ。これは一生変わらない。例え、詩織が太って姿形が変わろうとも」
「ホントに?おまぇ、最近、太ったんじゃないか?とか言うんでしょ?」
「健康的じゃなかったら、言うかもしれない。ずっと詩織には生きていて欲しいから」
「フフフッ、本当に正直ね。絶対に言わないって言えばいいのに」
「そんなこで、今、取り繕って何の意味がある。僕と詩織の人生は、何十年とあるんだ。あの時は、あぁだった。昔はこうだったなんて言いたくない。今、詩織と一緒にいる幸せを感じたいんだ」
「分かったわ。でも、とりあえず同棲でいい?やっぱり結婚は、それから決めたい」
「うん、分かった。嬉しい!着実に詩織との未来が進んでいる!」
「大袈裟ね」
「そんなことないよ。帰れば詩織がいると思うと、仕事にも精が出る」
「お互いに助け合っていきたい。でも、もし大変なら私は辞めるから」
「それは、ずっと先でいいよ。子供達から君を奪うわけにはいかないさ」
「フフフッ、そういうところ大好きよ」
「そう?」
医者や看護師がどんなに献身的に頑張っても、ドナーが見つかって、無事に退院していく子供の数は少ない。
そもそも治療法すら見つかっていない子供もいる。
少しでも生きている実感と喜びを感じてほしい。
そのうち、ジュンくんは見かける回数が減った。経過は良好なのだろう。
そして、私は結婚し、外来に配置転換となった。何人かはこっそりと遊びに来る。
そのうち私のお腹が大きくなってきた。経過は良好で安心しているが、入院しているみんなのことを思うと、親達がどれだけ辛い思いをしているか実感として湧いてくる
そして、出産のために休むことになった。最後に、みんなと話す。
「もう帰ってこないの?」と寂しそうな顔をして話している。
「ちゃんとみんなの顔見に来るから」と笑顔で言う。
無事に出産し、育児に追われているが、赤ちゃんの体調を慎重に確認して、みんなに会いに行く。
外の病気を持ち込まないことが何よりも大切になってくる。
子供達も完全防御の体制で、見に来る。
感情移入すればするだけ辛くなるのは、もちろんわかっている。
でも、みんなが生きていたことを覚えている人間が一人でも多い方がいいと思っている。
何回目かに、ジュンくんと会った。相変わらず何か言いたそうにしているが、私は無視をする。
しかし、バスが終点に着くと、バスを降りて、立ち止まっていた。
詩織の方を向くと、
「詩織さん、子供生まれたんですね。おめでとうございます」とだけ言って歩いて行ってしまった。
「あのぉ」と詩織は声を出した。
ジュンくんは振り返った。
「今はどうしてるんですか?」
「僕、弁護士だったらしいんです。法律の本を見たら、どんどん頭に入ってきて、前に働いてたという弁護士事務所で、他の弁護士の相談というか、今後どうしていくか決めるお手伝いをしています」
「昔のあなたは、自分が弱いから、そういう弱くて困っている人を助けたいと思って弁護士になったと聞きました。仕事の方まではよく分からないんですが、実際にそういう人助けみたいな仕事を受けていたみたいです。だから、自分が弱いからこそ、困っている人の立場で考えて、仕事をしてみてはいかがですか?今できることでいいんです。ダメなら、みんなが助けてくれます。一人で抱え込まないでください」
「そうですね。そうやってみます」
「私には、これ以上言ってあげられることはありません」
「昔のことは、もう聞きません。でも、普通に話してもダメですか?」
「ダメです」
「そんなはっきり言わなくても・・・」
「私にはこの子も旦那もいます。ここは私の職場なんですよ。変な噂を立てられても困ります」
「そっ、そんなつもりは・・・」
相変わらずのリアクション。ダメだ。話していると、昔を思い出してしまう。
「私は恨まれやすいんです」
「そんなに綺麗なら仕方ないですよ」
「ナンパですか?」
「ちっ、違いますって。僕にも奥さんと子供がいるんです」
「それなら、大切にしてあげてください。これで最後です」
「分かりました。残念ですけど」
「まだナンパする気ですか?」
「だから、違いますって!」ジュンくんは背中を向けて歩いて行った。
だいぶオドオドしなくなったようだ。ちゃんと歩けている。
「さっ!みんなが待ってるから行こうね」と詩織は赤ん坊に言って、病院へと歩き始めた。
~終わり~
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