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復縁記念 1
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私が後で会議室を出ると、真田さんの脇では、さっきとは別の女性社員が話しかけていた。
しかし、真田さんは、一度だけ女性に顔を向けて何かを言った後は、パソコンに顔を向けている。
しばらくして、女性社員は諦めて、帰っていった。
私は真田さんの行動に満足して、スキップしたい気分を抑えながら、自分の職場に戻った。
しかし、これからがドキドキの始まりだ。
何も降って来ませんように。バグさんが大人しく寝ていますように、そう心で祈りながら、終業のチャイムを待った。
そして、無事に電話は鳴らずに、終業のチャイムが鳴った。
しかし、そこでスマホが鳴った。真田さんからのラインだった。30分待っててと書かれていた。
まぁ、しょうがない。急に言った私も悪い。でも、今日は記念すべき復縁日だ。
少しイジワルをしてやりたい気持ちにもなったが、真田さんことだから、仕事を放り出しかねないので、職場での立場を悪くするだけだ。素直に、駅前のコーヒーショップで待ってると返事を出した。
ありがとうと簡潔に返ってくる。ラインを打っている時間も勿体ないのだろう。
私は更衣室に向かった。明日着る予定だったロングスカートを出して着替え、コーヒーショップに行った。
入口で飲み物を買い、店の奥で壁を向きながら、座った。
そして、周りを見てから、こっそりとスカートを太ももが少し見える位置まで、折った。
後は真田さんが来るのを待つだけだ。私は一人でニヤニヤした。
しばらくすると、もうすぐ着くとラインが入り、店の奥にいると返信した。
少しして、「花音、お待たせ」と背中から声がかかり、私は座ったまま、足が見えるように振り返った。
すると、眞田さんの顔が露骨に嫌そうな顔になった。
「花音、スカート履いてなかったよね?』
「真司に会うから着替えたのよ」
「そうなんだ。でも」
「何?」
「短か過ぎない?』
「いいじゃない。私が着たいんだから」
「それは分かるけど。僕は嫌だな。男を誘ってるみたいで」
「やっぱりそれが理由なのね。私が誘ってるのは真司だけだよ」
「そうかもしれないけど。僕は嫌なんだ。僕が買うから、服買いに行こう」真田さんの目は、本当に怒っているようだ。
「はいない。分かりましたよ」私はスカートの丈を元に戻した。
「えっ」
「これでいいでしょ」
「うっ、うん。もう、イジワルしないでよ」真田さんは、ふぅ~と息を吐いた。
「真司が前の通りできるか、試したのよ」
「なんで、そんなことを?」
「遠慮しながら、一緒にいられてもつまらないし」
「じゃあ、合格?」
「うん。合格」
真田さんは満足そうな顔をした。
「早く店行かないと」
「うん」
私はコーヒーショップを出ると、真田さんの腕に絡みついた。
「真司」
「うっ、嬉しいなぁ」真司は照れた。
私は調子に乗って胸を押し付けた。
「ちょっと刺激が強いよ。少し離れて」
「えぇ~」
「このままホテル行く?」
「イヤだ。フグ食べたい」
「あぁ、そうだよね。手を繋がない?」
「分かったわよ」私は自分の指を真田さんの指の間に入れて、しっかりと握った。
「はぁ、これなら我慢できそうだ」
「そんなに?」
「そんなにって。もう二度とないと思ってたんだよ」
「私の目当ては、真司の体と財布だけかもしれないよ」
「うっ!それを言われると、言葉が出ない」
「冗談よ。ちゃんと真司のこと好きだよ」
真田さんはの目尻に涙が溢れた。
「ごめん、僕にそんな資格ないのに」
「そんなことないよ。私もちゃんと考えたんだから、安心して」
「うん。ありがとう」
店に着いた。真田さんは予約したと告げる。個室に案内された。4人、無理すれば5人入れるくらいの広さだ。
とりあえず2人ともビールを頼んだ。真田さんは既に料理は頼んであると言った。
ビールと一緒に前菜が来た。
「花音との新しい門出に」
「それ、前も言ってなかった?」
「そうだっけ?え~と、花音と結婚できる日を夢見て」
「結婚はしません」
「えっ!うん、分かってる」真田さんは残念そうな顔をした。
「真司との子供を夢見て、乾杯!」私はあっけに取られている真田さんのグラスに、軽く当てた。
私はゴクゴクと飲み、
「うん、美味しい。頑張って作ろうね?真司」
しかし、真田さんは、一度だけ女性に顔を向けて何かを言った後は、パソコンに顔を向けている。
しばらくして、女性社員は諦めて、帰っていった。
私は真田さんの行動に満足して、スキップしたい気分を抑えながら、自分の職場に戻った。
しかし、これからがドキドキの始まりだ。
何も降って来ませんように。バグさんが大人しく寝ていますように、そう心で祈りながら、終業のチャイムを待った。
そして、無事に電話は鳴らずに、終業のチャイムが鳴った。
しかし、そこでスマホが鳴った。真田さんからのラインだった。30分待っててと書かれていた。
まぁ、しょうがない。急に言った私も悪い。でも、今日は記念すべき復縁日だ。
少しイジワルをしてやりたい気持ちにもなったが、真田さんことだから、仕事を放り出しかねないので、職場での立場を悪くするだけだ。素直に、駅前のコーヒーショップで待ってると返事を出した。
ありがとうと簡潔に返ってくる。ラインを打っている時間も勿体ないのだろう。
私は更衣室に向かった。明日着る予定だったロングスカートを出して着替え、コーヒーショップに行った。
入口で飲み物を買い、店の奥で壁を向きながら、座った。
そして、周りを見てから、こっそりとスカートを太ももが少し見える位置まで、折った。
後は真田さんが来るのを待つだけだ。私は一人でニヤニヤした。
しばらくすると、もうすぐ着くとラインが入り、店の奥にいると返信した。
少しして、「花音、お待たせ」と背中から声がかかり、私は座ったまま、足が見えるように振り返った。
すると、眞田さんの顔が露骨に嫌そうな顔になった。
「花音、スカート履いてなかったよね?』
「真司に会うから着替えたのよ」
「そうなんだ。でも」
「何?」
「短か過ぎない?』
「いいじゃない。私が着たいんだから」
「それは分かるけど。僕は嫌だな。男を誘ってるみたいで」
「やっぱりそれが理由なのね。私が誘ってるのは真司だけだよ」
「そうかもしれないけど。僕は嫌なんだ。僕が買うから、服買いに行こう」真田さんの目は、本当に怒っているようだ。
「はいない。分かりましたよ」私はスカートの丈を元に戻した。
「えっ」
「これでいいでしょ」
「うっ、うん。もう、イジワルしないでよ」真田さんは、ふぅ~と息を吐いた。
「真司が前の通りできるか、試したのよ」
「なんで、そんなことを?」
「遠慮しながら、一緒にいられてもつまらないし」
「じゃあ、合格?」
「うん。合格」
真田さんは満足そうな顔をした。
「早く店行かないと」
「うん」
私はコーヒーショップを出ると、真田さんの腕に絡みついた。
「真司」
「うっ、嬉しいなぁ」真司は照れた。
私は調子に乗って胸を押し付けた。
「ちょっと刺激が強いよ。少し離れて」
「えぇ~」
「このままホテル行く?」
「イヤだ。フグ食べたい」
「あぁ、そうだよね。手を繋がない?」
「分かったわよ」私は自分の指を真田さんの指の間に入れて、しっかりと握った。
「はぁ、これなら我慢できそうだ」
「そんなに?」
「そんなにって。もう二度とないと思ってたんだよ」
「私の目当ては、真司の体と財布だけかもしれないよ」
「うっ!それを言われると、言葉が出ない」
「冗談よ。ちゃんと真司のこと好きだよ」
真田さんはの目尻に涙が溢れた。
「ごめん、僕にそんな資格ないのに」
「そんなことないよ。私もちゃんと考えたんだから、安心して」
「うん。ありがとう」
店に着いた。真田さんは予約したと告げる。個室に案内された。4人、無理すれば5人入れるくらいの広さだ。
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ビールと一緒に前菜が来た。
「花音との新しい門出に」
「それ、前も言ってなかった?」
「そうだっけ?え~と、花音と結婚できる日を夢見て」
「結婚はしません」
「えっ!うん、分かってる」真田さんは残念そうな顔をした。
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