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第四天 悩める俺(勇視点)
無駄な残業
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「遅いぞ」
係長は昼食から遅れて部署に戻った俺達を睨む。
「すみません」
俺達3人はとりあえずペコリと頭を下げると席に戻った。
係長達がレストランから出てから戻ろうという話になり、俺達はすっかり遅くなってしまった。俺は1時を過ぎたあたりからひやひやし始めたのだが、話に夢中になる先輩達は気にしていないようだった。
本当女性って話すの、好きだよな。
話す内容はいろんなことで、次から次へと話題が飛び、もう聞いているだけで眩暈がしそうになったので、俺は食べることに集中していた。
午後から、俺は眠気と戦いながら午前中の作戦会議についてまとめていく。やはり先輩達はすごいなと感心しながら、俺はなんとか午後5時には終わらせた。
ふと王さんを見ると、彼はじっとパソコンを見てキーボードをカチカチと動かしていた。
どうしようか。
一緒に帰る?
でも……
いいや、待ってよう。
だって、同じ寮だし、やっぱりあのベッドは気になる。
あれじゃ寝るのが大変だ。
本当は部屋自体やばいけど、あとご飯とかどうするんだろう。
やっぱり、あの部屋はやばい。
俺が気をつければいい。距離を保てばいいんだ。
そうすれば、彼に惑われることもない。
だからやっぱりうちに住んでもらおう。
そうしよう。
俺は自分でそう決めると、他の仕事に手をつけ始める。
村田さんに頼まれた製品がきちんと届けられているか、確認。昨日の時点で納品されていると聞き、俺は安心する。
明日くらいに電話してみようかな、そう思いながら、俺は次のお客のデータを見る。
「よっし。王。行くか」
「はい」
「?」
俺は思わず顔を上げ、係長と王さんを見つめる。
「あれ、王。実田に言ってないのか。まあ、忙しかったもんな。実田、今日は生産開発の奴らが王と飲みたいということで、借りていくから。安心しろ、俺が責任持つから」
いや、責任って。
俺は彼の様子をうかがう、しかし王さんは俺を見ようとしなかった。
そのことに俺はなんだか胸がもやもやする。
でも、そうなんだ。
王さんはきっと俺のことなんでどうでもいいんだ。
きっと、昨日は本当に過ちで……。
「えっと、いってらっしゃい。俺は今の仕事片付けてから帰ります」
「そうか、まあ、ほどほどにしろよ」
係長はめずらしく、優しい声を俺にかけてくれる。
「実田さん、明日から自分で通いますから、大丈夫です」
王さんは俺に感情を読ませない笑顔を浮かべ、そう言う。
そんなに俺と一緒にいるのが嫌なのか。
俺は胸が痛くなり、結局彼に返事ができなかった。
午後7時。
とりあえず、俺は帰ることにした。
本当は残業なんて必要なかったんだ。
あほな俺。
俺は溜息を漏らしながら、会社を出て昨日車を停めた場所に向かう。
すると目の前から見覚えのある男の姿が歩いてくるのが見えた。
「あれ?勇(いさむ)?」
それは一昨日中華レストランで別れた、というか消えた灘(なだ)だった。
係長は昼食から遅れて部署に戻った俺達を睨む。
「すみません」
俺達3人はとりあえずペコリと頭を下げると席に戻った。
係長達がレストランから出てから戻ろうという話になり、俺達はすっかり遅くなってしまった。俺は1時を過ぎたあたりからひやひやし始めたのだが、話に夢中になる先輩達は気にしていないようだった。
本当女性って話すの、好きだよな。
話す内容はいろんなことで、次から次へと話題が飛び、もう聞いているだけで眩暈がしそうになったので、俺は食べることに集中していた。
午後から、俺は眠気と戦いながら午前中の作戦会議についてまとめていく。やはり先輩達はすごいなと感心しながら、俺はなんとか午後5時には終わらせた。
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どうしようか。
一緒に帰る?
でも……
いいや、待ってよう。
だって、同じ寮だし、やっぱりあのベッドは気になる。
あれじゃ寝るのが大変だ。
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やっぱり、あの部屋はやばい。
俺が気をつければいい。距離を保てばいいんだ。
そうすれば、彼に惑われることもない。
だからやっぱりうちに住んでもらおう。
そうしよう。
俺は自分でそう決めると、他の仕事に手をつけ始める。
村田さんに頼まれた製品がきちんと届けられているか、確認。昨日の時点で納品されていると聞き、俺は安心する。
明日くらいに電話してみようかな、そう思いながら、俺は次のお客のデータを見る。
「よっし。王。行くか」
「はい」
「?」
俺は思わず顔を上げ、係長と王さんを見つめる。
「あれ、王。実田に言ってないのか。まあ、忙しかったもんな。実田、今日は生産開発の奴らが王と飲みたいということで、借りていくから。安心しろ、俺が責任持つから」
いや、責任って。
俺は彼の様子をうかがう、しかし王さんは俺を見ようとしなかった。
そのことに俺はなんだか胸がもやもやする。
でも、そうなんだ。
王さんはきっと俺のことなんでどうでもいいんだ。
きっと、昨日は本当に過ちで……。
「えっと、いってらっしゃい。俺は今の仕事片付けてから帰ります」
「そうか、まあ、ほどほどにしろよ」
係長はめずらしく、優しい声を俺にかけてくれる。
「実田さん、明日から自分で通いますから、大丈夫です」
王さんは俺に感情を読ませない笑顔を浮かべ、そう言う。
そんなに俺と一緒にいるのが嫌なのか。
俺は胸が痛くなり、結局彼に返事ができなかった。
午後7時。
とりあえず、俺は帰ることにした。
本当は残業なんて必要なかったんだ。
あほな俺。
俺は溜息を漏らしながら、会社を出て昨日車を停めた場所に向かう。
すると目の前から見覚えのある男の姿が歩いてくるのが見えた。
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