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第六天 覚悟を決める時?(勇視点)
再再会
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リエックに行くとかなりお怒りの中国人がいて、王さんが宥めるように話しかけた。電話口ではまったく話を聞こうとしなかったらしい。
しかし、実際に王さんが現場に来ると、その美貌が功を奏してか、話を聞こうという態度を見せる。そして5分ほど話したら、怒りはかなり治まり商品の返品払い戻しできない代わりに、別の品物を買うことに納得してくれた。しかしおまけはつける必要があり、俺達の商品である卓上電気をプレゼントすることになった。
「いや、ありがとう。本当に!」
はははと村田さんが笑う。その横で店員が深々と頭を下げる。かなり青ざめた顔をしており、あの剣幕に押されていたのがわかった。
中国語ってただでさえ、きついから、怒鳴られるすごい勢いだな。
ああ、でも王さんの中国語は優しいけど。
「あ、王さん。ガム食べるかね」
また同じ手か。
「ははは、要らないですよ」
王さんはすこし呆れながらそう答え、俺達は悪戯が不発に終わり残念そうな村田さんに別れを告げた。
「ご飯、この近くで食べましょう!」
駐車場に戻り、会社に戻ろうと時間を見ると丁度昼食時間だった。リエックの近くにはうまくて早い中華レストランがある。
気がつけば王さんと暮らし始めて5日目、俺は彼があまり日本料理を好きじゃないことに気がついていた。日本の中華は本場の中国料理を違うらしい、でも日本料理よりは食べられるだろうと俺は彼をそのお店に連れて行くことにした。
「おいしいですね!」
運ばれてきたチャーハンを食べて、王さんが満面の笑みを浮かべる。
「それはよかったです!」
俺は彼の喜びが嬉しくて、釣られて笑ってしまう。
やっぱりこの中華はうまいんだな。よかった。つれてきて。
俺は天津飯をレンゲですくってもぐもぐと食べながら、頷く。すると、王さんが食べるのをやめて俺を見つめた。唇がつやつやと輝き、そのばっちりとした瞳が俺を捉えていた。
俺はなんだか色気を感じてどきどきしてしまう。
「実田さん、それって天津飯っていう食べ物なのですね。でも天津にはそんな食べ物ありませんけど」
「え、そうなんですか?!」
放たれた言葉に俺はなぜかほっとしながらも、言われた内容に驚く。
天津飯は俺がもっとも好きな中華だ。
天津という場所で有名なご飯とばかり思っていた。
「そうですよ。だから、天津飯というのを実田さんが注文して、どんなものが来るか見たかったのです。おいしそうですね」
「試してみます?」
「いいですか?」
「もちろん」
俺が頷くと王さんが持っているレンゲで俺の天津飯をすくった。そして口に入れる。
「あ、おいしい」
にこりと蕩けそうな笑顔を浮かべ、俺は思わずうっとりしてしまった。
「おいしい食べ物を教えてくださってありがとうございます。日本の中華はちょっと違う味ですが、好きです」
好きですという言葉がなぜか脳裏に残る。
それがなんだが彼を意識しているようで俺は心の中で首を横に振る。
そして、再び天津飯に手をつけようとしたら、王さんが玄関の方を見ていた。その表情は驚きと、喜びだった。
「……善樹(シュンシュ)」
彼が名前をつぶやくのが聞こえ、俺は店に入ってきた数人のサラリーマンを見る。その中に見覚えのある顔があり、俺は頭を殴られたようなショックを受けた。
「秀雄(シュウシュン)……」
俺達が見つめているのがわかったのか、木縞さんが振り向く。そして王さんを見で驚きの表情を浮かべる。でも嫌な驚きではなく、嬉しそうで、俺はなんだか疎外感を味わう。
「実田さん、ちょっとすみません」
王さんは食べかけのチャーハンをテーブルに放置したまま、木縞さんの元へ走る。そして彼と一言二言を話し、二人は店の外に出てった。
なんだ?
木縞さんも、諦めるって言ってたのに。
なんで?
俺は胸やけのような痛みを覚え、苛立ちを募らせる。水を飲み、大好きな天津飯でも食べて気分を落ち着かせようとしたが、無理だった。
さっきまでたまらなくおいしく感じたご飯は味気がなく、とろとろした餡かけすら油っぽく感じた。
しかし、俺は無理やりそれを口に運び、咀嚼する。
「すみません。お待たせしました」
5分ほどして晴れやかな笑顔で王さんが現れ、その背後で木縞さんが同僚の所へ行くのが見えた。
よりを戻したのか?
俺は機嫌よさそうな王さんを見て、そう思う。
「俺、トイレ行ってきます」
俺は苛立ちを隠せず、そう言うとトイレに走った。
「実田さん」
トイレに入ろうとする俺の姿を見られ、木縞さんが俺を呼ぶ。俺は心の中で舌打ちをしたが、大事なお客さんだと立ち止まり、彼らの席に近付く。
「木縞さん。こんにちは。お昼ですか?」
「ああ、ここのご飯はおいしいから。見積もりの方がどうだ?進んでいる?」
余裕たっぷりの様子が見え、俺の苛立ちがピークに達する。しかし、俺は必死にポーカーフェイスを保つ。
ここで怒りを見せたらおしまいだ。
男としても、仕事でも。
「はい、来週にはお送りします」
「そうか、それはよかった。待ってる」
「ありがとうございます」
俺は木縞さんにぺこりと頭を下げるとトイレに向かう。
そして個室に入ると、ばんとドアを閉めた。
怒りがこみ上げ、俺は歯を食いしばる。でも同時にそんなことで怒りを感じる俺が、吐き気が出るほど嫌で、俺は便器に座りこむ。
俺には関係ないこと。怒る理由はない。
ないんだ!
そう自分に言い聞かせるが苛立ちは治まることはなかった。
しかし、実際に王さんが現場に来ると、その美貌が功を奏してか、話を聞こうという態度を見せる。そして5分ほど話したら、怒りはかなり治まり商品の返品払い戻しできない代わりに、別の品物を買うことに納得してくれた。しかしおまけはつける必要があり、俺達の商品である卓上電気をプレゼントすることになった。
「いや、ありがとう。本当に!」
はははと村田さんが笑う。その横で店員が深々と頭を下げる。かなり青ざめた顔をしており、あの剣幕に押されていたのがわかった。
中国語ってただでさえ、きついから、怒鳴られるすごい勢いだな。
ああ、でも王さんの中国語は優しいけど。
「あ、王さん。ガム食べるかね」
また同じ手か。
「ははは、要らないですよ」
王さんはすこし呆れながらそう答え、俺達は悪戯が不発に終わり残念そうな村田さんに別れを告げた。
「ご飯、この近くで食べましょう!」
駐車場に戻り、会社に戻ろうと時間を見ると丁度昼食時間だった。リエックの近くにはうまくて早い中華レストランがある。
気がつけば王さんと暮らし始めて5日目、俺は彼があまり日本料理を好きじゃないことに気がついていた。日本の中華は本場の中国料理を違うらしい、でも日本料理よりは食べられるだろうと俺は彼をそのお店に連れて行くことにした。
「おいしいですね!」
運ばれてきたチャーハンを食べて、王さんが満面の笑みを浮かべる。
「それはよかったです!」
俺は彼の喜びが嬉しくて、釣られて笑ってしまう。
やっぱりこの中華はうまいんだな。よかった。つれてきて。
俺は天津飯をレンゲですくってもぐもぐと食べながら、頷く。すると、王さんが食べるのをやめて俺を見つめた。唇がつやつやと輝き、そのばっちりとした瞳が俺を捉えていた。
俺はなんだか色気を感じてどきどきしてしまう。
「実田さん、それって天津飯っていう食べ物なのですね。でも天津にはそんな食べ物ありませんけど」
「え、そうなんですか?!」
放たれた言葉に俺はなぜかほっとしながらも、言われた内容に驚く。
天津飯は俺がもっとも好きな中華だ。
天津という場所で有名なご飯とばかり思っていた。
「そうですよ。だから、天津飯というのを実田さんが注文して、どんなものが来るか見たかったのです。おいしそうですね」
「試してみます?」
「いいですか?」
「もちろん」
俺が頷くと王さんが持っているレンゲで俺の天津飯をすくった。そして口に入れる。
「あ、おいしい」
にこりと蕩けそうな笑顔を浮かべ、俺は思わずうっとりしてしまった。
「おいしい食べ物を教えてくださってありがとうございます。日本の中華はちょっと違う味ですが、好きです」
好きですという言葉がなぜか脳裏に残る。
それがなんだが彼を意識しているようで俺は心の中で首を横に振る。
そして、再び天津飯に手をつけようとしたら、王さんが玄関の方を見ていた。その表情は驚きと、喜びだった。
「……善樹(シュンシュ)」
彼が名前をつぶやくのが聞こえ、俺は店に入ってきた数人のサラリーマンを見る。その中に見覚えのある顔があり、俺は頭を殴られたようなショックを受けた。
「秀雄(シュウシュン)……」
俺達が見つめているのがわかったのか、木縞さんが振り向く。そして王さんを見で驚きの表情を浮かべる。でも嫌な驚きではなく、嬉しそうで、俺はなんだか疎外感を味わう。
「実田さん、ちょっとすみません」
王さんは食べかけのチャーハンをテーブルに放置したまま、木縞さんの元へ走る。そして彼と一言二言を話し、二人は店の外に出てった。
なんだ?
木縞さんも、諦めるって言ってたのに。
なんで?
俺は胸やけのような痛みを覚え、苛立ちを募らせる。水を飲み、大好きな天津飯でも食べて気分を落ち着かせようとしたが、無理だった。
さっきまでたまらなくおいしく感じたご飯は味気がなく、とろとろした餡かけすら油っぽく感じた。
しかし、俺は無理やりそれを口に運び、咀嚼する。
「すみません。お待たせしました」
5分ほどして晴れやかな笑顔で王さんが現れ、その背後で木縞さんが同僚の所へ行くのが見えた。
よりを戻したのか?
俺は機嫌よさそうな王さんを見て、そう思う。
「俺、トイレ行ってきます」
俺は苛立ちを隠せず、そう言うとトイレに走った。
「実田さん」
トイレに入ろうとする俺の姿を見られ、木縞さんが俺を呼ぶ。俺は心の中で舌打ちをしたが、大事なお客さんだと立ち止まり、彼らの席に近付く。
「木縞さん。こんにちは。お昼ですか?」
「ああ、ここのご飯はおいしいから。見積もりの方がどうだ?進んでいる?」
余裕たっぷりの様子が見え、俺の苛立ちがピークに達する。しかし、俺は必死にポーカーフェイスを保つ。
ここで怒りを見せたらおしまいだ。
男としても、仕事でも。
「はい、来週にはお送りします」
「そうか、それはよかった。待ってる」
「ありがとうございます」
俺は木縞さんにぺこりと頭を下げるとトイレに向かう。
そして個室に入ると、ばんとドアを閉めた。
怒りがこみ上げ、俺は歯を食いしばる。でも同時にそんなことで怒りを感じる俺が、吐き気が出るほど嫌で、俺は便器に座りこむ。
俺には関係ないこと。怒る理由はない。
ないんだ!
そう自分に言い聞かせるが苛立ちは治まることはなかった。
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