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前編
★魔王
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「陛下。今度の勇者は魔界に侵入することに成功しています」
「ふん。それが大きな問題か?」
側近のガタカの報告に魔王は鼻を鳴らす。
「いいえ。ただ気になることがありまして」
「なんだ?」
「今回の勇者は異世界ニホンから召喚された者で、あなたを殺すことが可能です」
「ふん。この俺をか?これほどの力を手に入れた俺が負けるわけがない」
「そうですね。余計なことを申してしまいました」
蛇を連想させる白い鱗の肌に真っ赤な目をした側近ーーガタカは深々と頭を下げた。
それを手で制して、魔王はそのまま退室を促す。
誰もいなくなった部屋で一息つくと、顔を覆っていた禍々しい髑髏の仮面を外す。
現れた顔は、薄い橙色の肌に漆黒の髪、瞳は黒に限りなく近い焦げ茶色、普通の人間の青年のものだった。
海部野(あまの)ユキト、そう呼ばれていた少年は今や魔王になり、この世界マグネスティアを支配していた。
「ふん。それが大きな問題か?」
側近のガタカの報告に魔王は鼻を鳴らす。
「いいえ。ただ気になることがありまして」
「なんだ?」
「今回の勇者は異世界ニホンから召喚された者で、あなたを殺すことが可能です」
「ふん。この俺をか?これほどの力を手に入れた俺が負けるわけがない」
「そうですね。余計なことを申してしまいました」
蛇を連想させる白い鱗の肌に真っ赤な目をした側近ーーガタカは深々と頭を下げた。
それを手で制して、魔王はそのまま退室を促す。
誰もいなくなった部屋で一息つくと、顔を覆っていた禍々しい髑髏の仮面を外す。
現れた顔は、薄い橙色の肌に漆黒の髪、瞳は黒に限りなく近い焦げ茶色、普通の人間の青年のものだった。
海部野(あまの)ユキト、そう呼ばれていた少年は今や魔王になり、この世界マグネスティアを支配していた。
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