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前編
★召喚された魔王
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「陛下。ワイバーンが倒され第五門を突破されました」
数日後、魔王は側近ガタカから再び報告を受けた。
魔界の最初の門が第一門、これを守るのがキマイラであり、先日の報告で倒されたことを知らされた。毎回報告を受けるのも面倒だということで、第五門を陣取る竜の頭に翼、鷲の手足、蛇のような尻尾の魔物――ワイバーンが負けた場合に連絡をするようにガタカに伝えていた。
今だかつて魔界にたどり着いた勇者一行はいない。
今回が初めてで、配下の魔物によって倒されると予想していたのだが、それは外れたようだった。
最終関門の第八門は、ガタカの直属の部下である9つの首を持つ竜――ヒュドラだ。
その前の、六、七門の魔物も最強であり、魔王の元へたどり着けるのは困難を極める。またたどり着いたとしても疲労困憊で、魔王とまともに戦うことは無理で、勇者が敗北するのは明らかだった。
しかし、魔王は高らかに笑った後、耳を疑うようなことを口にした。
「やるな。ワイバーンを倒すとは。だが、まだ三門もあるか。俺が出よう。退屈しのぎになる」
「陛下御自らですか?」
ガタカは信じられないとその細い赤い瞳を見開き、確認する。
「なんだ。不安か?」
「そのようなことはございません」
髑髏の仮面をつけた魔王に側近は首を垂れる。
「安心しろ。俺が負けるわけがない。お前も知っているだろう」
「はい」
普通の少年だったユキトを魔王に祭り上げたのは、このガタカだった。異世界から召喚した者は特別な力を持つ。混沌とした魔界に秩序を持たせる。その為には力を持った支配者が必要だと、ガタカは召喚魔法を使い、ユキトを呼び出した。
貧弱な少年を見たとき、彼は自身の魔法が失敗したと嘆いたが、少年の魔力は強力で、純粋な願いを持っていた。
彼の願いは世界を滅ぼすこと、唯の非力な少年である元の世界では叶わぬ願い。
けれども異世界では彼は巨大な力を手に入れることができる。
髑髏の仮面を被り、髪と同じ漆黒のマントと鎧を纏い、人間であることを隠し、ユキトはガタカの導きを得て、魔王になった。
数日後、魔王は側近ガタカから再び報告を受けた。
魔界の最初の門が第一門、これを守るのがキマイラであり、先日の報告で倒されたことを知らされた。毎回報告を受けるのも面倒だということで、第五門を陣取る竜の頭に翼、鷲の手足、蛇のような尻尾の魔物――ワイバーンが負けた場合に連絡をするようにガタカに伝えていた。
今だかつて魔界にたどり着いた勇者一行はいない。
今回が初めてで、配下の魔物によって倒されると予想していたのだが、それは外れたようだった。
最終関門の第八門は、ガタカの直属の部下である9つの首を持つ竜――ヒュドラだ。
その前の、六、七門の魔物も最強であり、魔王の元へたどり着けるのは困難を極める。またたどり着いたとしても疲労困憊で、魔王とまともに戦うことは無理で、勇者が敗北するのは明らかだった。
しかし、魔王は高らかに笑った後、耳を疑うようなことを口にした。
「やるな。ワイバーンを倒すとは。だが、まだ三門もあるか。俺が出よう。退屈しのぎになる」
「陛下御自らですか?」
ガタカは信じられないとその細い赤い瞳を見開き、確認する。
「なんだ。不安か?」
「そのようなことはございません」
髑髏の仮面をつけた魔王に側近は首を垂れる。
「安心しろ。俺が負けるわけがない。お前も知っているだろう」
「はい」
普通の少年だったユキトを魔王に祭り上げたのは、このガタカだった。異世界から召喚した者は特別な力を持つ。混沌とした魔界に秩序を持たせる。その為には力を持った支配者が必要だと、ガタカは召喚魔法を使い、ユキトを呼び出した。
貧弱な少年を見たとき、彼は自身の魔法が失敗したと嘆いたが、少年の魔力は強力で、純粋な願いを持っていた。
彼の願いは世界を滅ぼすこと、唯の非力な少年である元の世界では叶わぬ願い。
けれども異世界では彼は巨大な力を手に入れることができる。
髑髏の仮面を被り、髪と同じ漆黒のマントと鎧を纏い、人間であることを隠し、ユキトはガタカの導きを得て、魔王になった。
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