元第二王子とヒドインの子は復讐を誓う。

ありま氷炎

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第五章 ざまぁの子は復讐を……。

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「復讐は遂げる。どうにかして。そのために生きてきた」
「もちろん、私も同行するぞ。元々火をつけたのは私だからな」
「よし、目的は変わらない。あとは手段だな。あの王妃は手ごわい。ザイネルさえ、手のひらの魔法陣を使って、魔法を使うのに、あの王妃はそんな仕草もみせなかった」

 三人は頭を揃えて考え込む。

 復讐に関して、城の生活に慣れてしまったこと、記憶が失ったメルヒが楽しそうだったこともあり、その想いが薄れ掛かっていたのは事実だ。
 トールもジョセフィーヌもセインには優しかった。
 けれども、二人が彼の両親を城から追い出したのは事実。
 そして何の援助もしなかったことを。
 フェンデルの告白に驚いたこともあったが、なんだか母のことが少し誇らしくなった。
 恐らく王から金銭を提示されたのだろうが、母はセイン達との生活を選んだ。貧しくはあったが、セインはあの時確かに親子3人幸せだったのは事実だったからだ。

「フェンデルはどうなったんだろう。飛ばされなかったってことは?」
「……殺されてはいないだろう。仮にも王の親友と呼ばれた男だ。彼が裏切ってなければ、処罰を受けることになるはずだ」
「彼は裏切らない」

 セインが即答するとヴァンが笑った。

「だろうな」

 馬鹿にされたのかと思ったのだが、一つ目の男はその大きな目を細めて頷く。

「だが反逆罪だから、死刑になるだろう」
「死刑?!」
「ああ」
「それは駄目だ。助けないと」
「無理だろう?あの王妃がいるんだぞ」
「だって、どっちにしても城に戻って復讐するんだ。助けることも計画の一つに入れたらいいじゃないか!」
「無茶苦茶なこというな。お前は」
「私もそうすべきだと思うぞ。恩は返すべきだ」
「恩って、なあ」

 ヴァンはその一つ目に戸惑いの色を浮かべた後、空を仰いだ。

「困っているみたいじゃないか。我らが手を貸そうじゃないか」

 三名の元に届いたのは、一つの声。
 セインが声のした方向へ注意を向ける。すると三つの影が見えた。
 
「タトル。それにバイゼルにラギル!」

 それは人の城で別れた魔族の3名だった。



「浮かない顔をしてるな。当然か」

 食欲などあるはずがない。
 それでも食事の時間はやってきて、二人は広間で夕食を取る。
 給仕役の使用人はスープの毒味を終わらせた後、王と王妃の元へスープを運んだ。

「申し訳ありません」
「謝る必要ない」

 トールはそう答えて、スプーンを掴む。そしてゆっくりとスープを梳くって口に入れた。
 ジョセフィーヌも同様にスープを口にした。

「君は何を考えている?フェンデルをわざと転移させなかっただろう?」


 王の問いに王妃は答えなかった。

「フェンデルは反逆罪で極刑だ」

 代わりに彼が再び言葉をもらし、ジョセフィーヌは持ち上げたスプーンをテーブルの上に戻した。

「彼が私の命を狙ったことは公になっている。処罰しなければ国が立ち行かなくなる」
「わかっております」
「国の事は大事だ。けれども、君のことはもっと大切だ。何か考えがあれば話してくれ」
「陛下。そのうちに、考えがまとまりましたらお話します。もう少しお時間をくださいませ」
「わかった。私は待とう」

 スープの次の前菜が運ばれてきて、毒味係が味を確かめた後、トールが食べ始める。
セインが城に来てから、食事は賑やかなものになった。彼を気遣って話しかけていたせいもある。けれども、今日は気遣う相手もいなく、二人は静かな食事を続けた。

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