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第五章 ざまぁの子は復讐を……。
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「この度の戦争はジョセフィーヌの一存で起きたものだ。彼女は権力を欲して、王を殺害した。セイン殿下はジョセフィーヌの企みをしっており、魔族の協力を得て、それを阻止しようとした。残念ながらトール王は殺害され、我らはジョセフィーヌによって戦争へ導かれた」
塔から出ると多くの騎士に囲まれたが、宰相ステファンは堂々とそう発言し、終いには納得させてしまった。それから大樹から新たな神託を受けるということで、大樹の元へ向かう。
これが夢をいれて三度目の対面となるが、大樹は何も語り掛けてくることはなかった。
「……大樹にはリグレージュ様はいないのか?本当にジョセフィーヌに宿っているのか?」
ステファンからジョセフィーヌが大樹の記憶と力を持っていると聞かされていたが、こうして大樹に対面しても何も語り掛けてこないことから、改めてそう思った。
それでも、彼は大樹を見上げたまま、言葉を紡ぐ。
「リグレージュ様。僕は争いを無くす。だけど、世界統一なんてことはしない。人も魔族もあなたの子だ。だけど、僕たちは長い間別に暮らしてきた。今更統一なんて無意味だ。できることは、お互いを尊重して、生きていくこと。僕は人の国の王になって、戦争を止める。そして徐々にお互いの憎しみを癒していく。僕のように……」
セインはトールとジョセフィーヌを殺すために、生きてきた。
トールは死に、けれども彼の心は晴れていない。
二人は両親の死の要因だ。けれども、両親が死に至ったのは、彼たちだけが原因ではないのだ。
――わかっていた。でも納得したくなかった。
大樹から神託をうけたとされ、セインが正式に人の国の王になった。
ヴァンは、フェンデルの遺体だけを残して姿を消した。
まさか二人が戦っているなどとは知らずセインは動揺したが、彼の亡骸を確認してその表情が穏やかなこと見て、妙に納得した。
親友であった王を、慕っていた部下を裏切り、また戦いまでした。その後、再び女王について近衛兵団長に就任。
彼に対して騎士たちの不信感は大きく、その責任を取る形で、彼は死を選んだのだと、セインは思った。
――もしかしたら、助けたのは間違いだったかもしれない。あの時彼はトールによって裁かれるのを望んでいたかもしれない。
そんな思いが込み上げてきたが、彼は無視をして前を向く。
ヴァンに対しては、夢の記憶を思い出した時、セインには彼の目的が分かっていたので、城から消えたのも納得がいった。
王に即位し最初の仕事は停戦だ。
停戦を知らせるだけなら、王が自ら戦場に行くことはない。けれどもセインは数人の騎士とタトルたちとすぐに国境に向かった。メルヒも同行を申し出て、まだ不安定な城に残すよりはと、戦場へ連れて行くことになった。
全速力で馬を駆る。
途中、バイゼルは飛んだ方が早いと馬を降りた。
馬を乗りつぶしながら、彼らは夜通し進み、辿り着いたのは朝日が昇った頃だった。
☆
ーージョセフィーヌを殺す。この手で。彼女は大樹だ。
その思いで馬を狩りヴァンは戦場に辿りつつ。人の数が多いため、彼は回り込み、魔族側に紛れた。
「ヴァン?」
「お前、どこに!」
ザイネルの友でもあったヴァンは、魔族の中でも有名だ。それは一つ目の最後の生き残りでもあるのだけども。
「陛下はもっと先だ!」
探しているのはジョセフィーヌなのだが、彼女の狙いがザイネルであるのだから同じだと、ヴァンは頷き、かかってきた人の兵士をなぎ倒しながら前に進む。
激しい光と熱、それが近づいてきて、彼は魔王と人の国の女王の戦いを前にした。
「へろへろだな。さすがにザイネルでも危ないか」
「ひどい言い草だね。助けにきてくれたんだろう?」
彼の声が届いたらしく、ザイネルは振り向くことなく話しかけてきた。
「いや、ジョセフィーヌを殺しにきた。あいつは大樹だからな」
「やっぱり、そうなんだね」
「なんだ、知っていたか?」
「まあ、推測だよ」
ジョセフィーヌからの魔法攻撃が止んで、彼女が様子をみているように二人を眺めている。
「ジョセフィーヌ!セインが王になるぞ!あいつは世界の王にならないと言っている!ざまあみろだ!」
ヴァンが叫んだが、彼女はただ微笑んでいるだけだ。
「気色悪いな。まったく」
「世界の王?あ、そういうことなんだね。だから、私を狙うのか。まあ、セイン君に王位を渡すつもりはないからね」
「馬鹿らしい全面戦争は終わりだ。セインが時期にここにくるはずだ。戦争を止めるために。今のうちに引かせろ」
「そうだね。だけど、人側が引くかな?」
「そうだな。リグレージュは人の神だろう?なぜこんな馬鹿なことを続けるのか」
「さあね、まあ、撤退はさせるよ。人の動きを見ながらね」
ザイネルは魔族の軍の指揮をすでに別の者に任せており、近くにいた牛の魔族が彼らの会話を聞いて頷く。
「さて、俺はジョセフィーヌを殺すぞ。一族の復讐を遂げる」
「じゃあ、私はその手伝いをしようか」
それを合図に、戦場が大きく動く、魔族たちは撤退の動きを見せ、人の兵士たちがそれを追う。
普通の指揮官であれば、追撃をさせないはず。けれども、ジョセフィーヌは指示を出さなかった。逃げる敵を追う喜び、そんな暗い喜びを見出したのか、兵士たちは前に出て来る。
「馬鹿だねぇ」
ザイネルが炎でその一群を焼き尽くそうとしたが、ジョセフィーヌがそれを止める。
「ハンベル。私はやっぱり女王で手一杯になりそうだ。撤退する同胞の守りを頼む」
彼がそう命じると、牛の魔族ハンベルが頷いた。
☆
「ザイネル陛下。ヴァン?!」
バイゼルは完全に鳥型になると、ザイネルに停戦の知らせをもたらせるために限界の速度で飛んだ。気を失いそうになりながらも戦場近くに降り立ち、鳥型のまま魔王に近づくと、そこにヴァンの姿を見て驚く。
「遅かったな。セイン達は出発したようだな」
これほど消耗しきったヴァンとザイネルの姿をバイゼルは見たことがなかった。
それであればと、相対するジョセフィーヌに目を向ける。
彼女の赤茶色の髪は風によって煽られ、身に着けているドレスの端は黒く焦げていた。けれども、その表情には余裕があり、疲労感など全く見られなかった。
「しつこいよね。さすがに疲れる」
ザイネルの口調はいつものように軽いのだが、その声はかすれ、バイゼルは心配になった。
「おい、バイゼル。お前、魔法使えるんだろう。加勢しろ!」
ヴァンがそう言った矢先、雷の魔法を彼女は使う。それをザイネルが防御魔法で防いでいるのだが、顔色は悪くなっていき、息も乱れがち。ヴァンは反撃に出ようとしているのだが、雷から逃れることができず、ザイネルの魔法の防御壁の中にいることしかできない。バイゼルは咄嗟に人型になり、ジョセフィーヌに風の魔法を加えた。そうすると防御するしかなく、雷が止む。
「バイゼル。やるな!」
ヴァンがその隙をついて走り出す。
その背を見ていると、バイゼルの体は暖かいものに包まれた。
「……ありがとう。まあ、これでも着て」
それは外衣で、ザイネルが苦笑しながらバイゼルに被せていった。真っ裸な彼は急いで外衣を羽織り、ヴァンを追ったザイネルの背中を見送る。
光と熱が戦場を走る。
撤退しようとする魔族を追う人の兵士たち。
戦闘はまだ続いていた。
塔から出ると多くの騎士に囲まれたが、宰相ステファンは堂々とそう発言し、終いには納得させてしまった。それから大樹から新たな神託を受けるということで、大樹の元へ向かう。
これが夢をいれて三度目の対面となるが、大樹は何も語り掛けてくることはなかった。
「……大樹にはリグレージュ様はいないのか?本当にジョセフィーヌに宿っているのか?」
ステファンからジョセフィーヌが大樹の記憶と力を持っていると聞かされていたが、こうして大樹に対面しても何も語り掛けてこないことから、改めてそう思った。
それでも、彼は大樹を見上げたまま、言葉を紡ぐ。
「リグレージュ様。僕は争いを無くす。だけど、世界統一なんてことはしない。人も魔族もあなたの子だ。だけど、僕たちは長い間別に暮らしてきた。今更統一なんて無意味だ。できることは、お互いを尊重して、生きていくこと。僕は人の国の王になって、戦争を止める。そして徐々にお互いの憎しみを癒していく。僕のように……」
セインはトールとジョセフィーヌを殺すために、生きてきた。
トールは死に、けれども彼の心は晴れていない。
二人は両親の死の要因だ。けれども、両親が死に至ったのは、彼たちだけが原因ではないのだ。
――わかっていた。でも納得したくなかった。
大樹から神託をうけたとされ、セインが正式に人の国の王になった。
ヴァンは、フェンデルの遺体だけを残して姿を消した。
まさか二人が戦っているなどとは知らずセインは動揺したが、彼の亡骸を確認してその表情が穏やかなこと見て、妙に納得した。
親友であった王を、慕っていた部下を裏切り、また戦いまでした。その後、再び女王について近衛兵団長に就任。
彼に対して騎士たちの不信感は大きく、その責任を取る形で、彼は死を選んだのだと、セインは思った。
――もしかしたら、助けたのは間違いだったかもしれない。あの時彼はトールによって裁かれるのを望んでいたかもしれない。
そんな思いが込み上げてきたが、彼は無視をして前を向く。
ヴァンに対しては、夢の記憶を思い出した時、セインには彼の目的が分かっていたので、城から消えたのも納得がいった。
王に即位し最初の仕事は停戦だ。
停戦を知らせるだけなら、王が自ら戦場に行くことはない。けれどもセインは数人の騎士とタトルたちとすぐに国境に向かった。メルヒも同行を申し出て、まだ不安定な城に残すよりはと、戦場へ連れて行くことになった。
全速力で馬を駆る。
途中、バイゼルは飛んだ方が早いと馬を降りた。
馬を乗りつぶしながら、彼らは夜通し進み、辿り着いたのは朝日が昇った頃だった。
☆
ーージョセフィーヌを殺す。この手で。彼女は大樹だ。
その思いで馬を狩りヴァンは戦場に辿りつつ。人の数が多いため、彼は回り込み、魔族側に紛れた。
「ヴァン?」
「お前、どこに!」
ザイネルの友でもあったヴァンは、魔族の中でも有名だ。それは一つ目の最後の生き残りでもあるのだけども。
「陛下はもっと先だ!」
探しているのはジョセフィーヌなのだが、彼女の狙いがザイネルであるのだから同じだと、ヴァンは頷き、かかってきた人の兵士をなぎ倒しながら前に進む。
激しい光と熱、それが近づいてきて、彼は魔王と人の国の女王の戦いを前にした。
「へろへろだな。さすがにザイネルでも危ないか」
「ひどい言い草だね。助けにきてくれたんだろう?」
彼の声が届いたらしく、ザイネルは振り向くことなく話しかけてきた。
「いや、ジョセフィーヌを殺しにきた。あいつは大樹だからな」
「やっぱり、そうなんだね」
「なんだ、知っていたか?」
「まあ、推測だよ」
ジョセフィーヌからの魔法攻撃が止んで、彼女が様子をみているように二人を眺めている。
「ジョセフィーヌ!セインが王になるぞ!あいつは世界の王にならないと言っている!ざまあみろだ!」
ヴァンが叫んだが、彼女はただ微笑んでいるだけだ。
「気色悪いな。まったく」
「世界の王?あ、そういうことなんだね。だから、私を狙うのか。まあ、セイン君に王位を渡すつもりはないからね」
「馬鹿らしい全面戦争は終わりだ。セインが時期にここにくるはずだ。戦争を止めるために。今のうちに引かせろ」
「そうだね。だけど、人側が引くかな?」
「そうだな。リグレージュは人の神だろう?なぜこんな馬鹿なことを続けるのか」
「さあね、まあ、撤退はさせるよ。人の動きを見ながらね」
ザイネルは魔族の軍の指揮をすでに別の者に任せており、近くにいた牛の魔族が彼らの会話を聞いて頷く。
「さて、俺はジョセフィーヌを殺すぞ。一族の復讐を遂げる」
「じゃあ、私はその手伝いをしようか」
それを合図に、戦場が大きく動く、魔族たちは撤退の動きを見せ、人の兵士たちがそれを追う。
普通の指揮官であれば、追撃をさせないはず。けれども、ジョセフィーヌは指示を出さなかった。逃げる敵を追う喜び、そんな暗い喜びを見出したのか、兵士たちは前に出て来る。
「馬鹿だねぇ」
ザイネルが炎でその一群を焼き尽くそうとしたが、ジョセフィーヌがそれを止める。
「ハンベル。私はやっぱり女王で手一杯になりそうだ。撤退する同胞の守りを頼む」
彼がそう命じると、牛の魔族ハンベルが頷いた。
☆
「ザイネル陛下。ヴァン?!」
バイゼルは完全に鳥型になると、ザイネルに停戦の知らせをもたらせるために限界の速度で飛んだ。気を失いそうになりながらも戦場近くに降り立ち、鳥型のまま魔王に近づくと、そこにヴァンの姿を見て驚く。
「遅かったな。セイン達は出発したようだな」
これほど消耗しきったヴァンとザイネルの姿をバイゼルは見たことがなかった。
それであればと、相対するジョセフィーヌに目を向ける。
彼女の赤茶色の髪は風によって煽られ、身に着けているドレスの端は黒く焦げていた。けれども、その表情には余裕があり、疲労感など全く見られなかった。
「しつこいよね。さすがに疲れる」
ザイネルの口調はいつものように軽いのだが、その声はかすれ、バイゼルは心配になった。
「おい、バイゼル。お前、魔法使えるんだろう。加勢しろ!」
ヴァンがそう言った矢先、雷の魔法を彼女は使う。それをザイネルが防御魔法で防いでいるのだが、顔色は悪くなっていき、息も乱れがち。ヴァンは反撃に出ようとしているのだが、雷から逃れることができず、ザイネルの魔法の防御壁の中にいることしかできない。バイゼルは咄嗟に人型になり、ジョセフィーヌに風の魔法を加えた。そうすると防御するしかなく、雷が止む。
「バイゼル。やるな!」
ヴァンがその隙をついて走り出す。
その背を見ていると、バイゼルの体は暖かいものに包まれた。
「……ありがとう。まあ、これでも着て」
それは外衣で、ザイネルが苦笑しながらバイゼルに被せていった。真っ裸な彼は急いで外衣を羽織り、ヴァンを追ったザイネルの背中を見送る。
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