カイ~魔法の使えない王子~

愛野進

文字の大きさ
249 / 309
5『冥々たる紅の運命』

5 第二章第二十五話「センドリルの隠し子」

しおりを挟む
「実はだな、俺には隠し子がいる」

 あっけらんかとそう言い切った当時のディスペラード王、センドリルにスウェルは驚きを隠せずにいた。

 昔からの飲み仲間だった彼らは、センドリルが病死するまで変わらず二人で会う機会が多かったのだが、スウェルも流石にそこまでの話は聞いたことがなかった。

 言葉なくセンドリルを見つめるスウェルに、彼が長い白髭を撫でながら苦笑する。

「勿論エグウィスのことではない。以前街に繰り出した時にな、この世の生物とは思えぬような別嬪にであってな、つい身体が動いてしまったのだ」

「……一国の王がお忍びでそういうことをする、それの恐ろしさを理解していないの? ただでさえ世界がようやく人族のものになってから、まだ十数年しか経っていないというのに」

 天使族と悪魔族が世界から消えてから十年と少し。人族も彼らだけでの繁栄を迫られ、王制を余儀なくされた。誰かがまとめていかなければ、これから先を進んでいくことは困難なように思えたのである。

 特に五大国や四列島と違って、二種族の存在を忌避している三王都は。

「そうは言うが、王制も同じほどの年月しか経っておらん。王と担ぎ上げられてはいるが、元は同じ人間だ。その根本が変わることはなく、俺が女性を愛することにも変わりはない。……流石に、エグウィスを授かってからというもの、その別嬪一人だけだが」

 自慢げにそう言うが、一国の王が一国民を身ごもらせるのは一人だろうと何だろうと問題だろう。

 とは思うけれど、前からセンドリルは女好きであった。むしろ被害が一人であることに安堵するほかないのかもしれない。

「なかなか逢えないのだが、これがまた可愛くてな。今度また二人に会いに行くんだ」

「……何故わざわざ私にそのようなことを言うのかしら」

「いや、万が一にも俺に何かがあった時、二人のことを頼もうかと」

 縁起でもない。体調が悪いという話も聞いていない。

「そんな厄介ごと、私が受けるとでも?」

「まぁそう言うなって。本当に可愛いんだ。上の子は俺に似ている気がするが、下の子はその別嬪の子って感じでな。たまに顔を出すだけの俺だが、下の子は凄く懐いて――」

「――待って!」

 思わずスウェルは話を遮ってしまった。

 今少し会話のずれが生まれたような気がする。

「二人って、その綺麗な母親と子供のことを指しているんじゃ……」

 スウェルの言葉に、センドリルは豪快に笑って見せた。





「ガッハッハッハッハ! 違う違う! 隠し子はな、二人おるんだ!」





 ニッコリと嬉しそうに笑うセンドリルに、スウェルは又もや言葉を失ったのだった。





※※※※※




「《まだディスペラードの血は絶えていないわ》」

 突然知らされたその事実に、王都ディスペラードは当然混乱した。王家の血筋が絶えたと判断されたからこそ、新たな王家を決める王選が始まろうとしていたのだ。

 四代名家が臨もうとしていたのだ。

 だが、まだ血筋が絶えていないのだとすれば、その必要はなくて。

 ルーファやシリウス達が王家となる未来は断ち切られてしまった。

「《ただ、表舞台に立つにはまだ時間が必要なの。だから、待ちなさい。不安や迷いに踊らされることなく、ただ真っ直ぐに生きなさい。その未来の先に、必ずディスペラードの繁栄が待っているわ》」

 スウェルの王都内放送はそこで終わってしまった。

 どうしてまだ時間が必要なのだろう。何故このタイミングでそれを伝えてきたのだろう。

 血筋は絶えていないと言う衝撃的な内容ではあったが、判然としない部分も多い。むしろ混乱してしまいそうな気もするが。

「……ミューさんの件があったから、伝えてくれたのでしょうか。四代名家の娘の死は、四代名家は当然として周囲に様々な想像を抱かせますからね」

 隣で放送を見ていたシャーロットが何やら思案顔でそう呟いていた。

 イデアは今、寮のエントランスでシャーロットと並んで放送を見ていた。

 朝起きた時、シャーロットは変わらない様子だった。ちらっと聞いてみても、「え、昨日の夜何かありましたっけ?」と本当に分かっていないようで。

 でも、すぐにシャーロットも何かあったのだと気づいた。

「何で私、このパジャマ、私のじゃないんですが……」

 普段着ていた可愛らしいパジャマではなく、男物のシックなパジャマを身に着けていたからだ。

 流石に説明しないわけにもいかず、分からないながらもイデアが説明。気づいたら部屋に居なくて、探しに行こうと思ったらザドに背負われて帰ってきた、と。

「え、ええええええええ~~~~~!?」

 これにはシャーロットも顔を真っ赤にしながら声を上げた。想い人のザドに背負われていたのだから当然だろう。そして、そのことから察するに、そのパジャマはザドのものなのではないだろうか。覚えていないからこそ、分からないからこそ、シャーロットとザドとの間に何かがあったんじゃないだろうかと想像が広がっていく。

「わ、私、夢遊病者だったんでしょうか……。でも、じゃあ、ザドさんに着替えさせられたということ……?」

 完全にショート寸前の様子だった彼女を連れて、とりあえず落ち着かせるために朝食を取ろうとしたところで王都内放送を聞いたのだった。

「昨日既に他の四代名家の方々も家の方に戻っています。きっとミューさんの死を、四代名家を狙った犯行だと捉えているのでしょう。……或いは四代名家のうち誰かの犯行だと思っている、自分たちを王選で勝たせるための」

 放送のお陰で落ち着いたのか、シャーロットがそう言葉を続けていた。

「なるほど。つまり、先程の放送は王家の存命を明らかにすることで、四代名家を取り巻く思惑は全て無駄だと伝え、命を奪うような争いを避けさせようということですか」

「実際のところは分かりませんが、それはそれとして四代名家というこれまで絶対的だった存在意義が揺らいだのは確かですね。先程の放送が吉と出るのか凶と出るのか……」

 エントランスで立ち止まって二人で頭を悩ませていたが、当然今後のことなど分からず、とりあえずは腹の虫がうるさいので食堂で朝食を食べることにした。

 昨日の今日で学園が再開することはなく、本日も休み。スウェルによる放送もあり、余計に再開できないのではないだろうか。

 となればやることがなく、朝食後はシャーロットと部屋に戻って話したり勉強したりしたのだが。



 ……カイに会いたい。



 カイ欲が溢れて止まなかった。

 昨日から全然カイと会っていない。寝ている間に訪れてくれたみたいだが、ちゃんと会いたい。食堂にも現れなかったし。一体何をしているのだろう。

 会いたい、会いたいよ。

 カイ……。

 ということで、会いに行くことにした。

 即断即決。本当は異性の寮は行くことを禁じられているが、昨日だってカイはこっち側に訪れているし、兄妹設定なら行けるはずだ。

 シャーロットに適当なことを言って部屋を出て、男子寮前で深呼吸するイデア。やはりルールを破るというのは緊張する。

 そして何度目かの深呼吸で。

「あれ、フィグルちゃんじゃん!」

「わっ!? えっと、あの、決して入ろうとしていたわけじゃ――」

 後ろから声をかけられて、思わず言い訳が出そうになったところで、声をかけてくれた相手を認識する。

「あ……ファイさん」

 カイの級友であるファイだった。本名ファイナンス・ディグドン。皆にファイと呼ばれる彼は明るく気さくで、カイと一緒にいるところをよく見かけたし、時折話すこともある。

 良かった、顔馴染みで。

 ホッと胸をなでおろしていると、ファイが察したようにニヤニヤ微笑む。

「ははーん、さてはお兄ちゃんに会いたいんだなぁ?」

「え、えーっと……はぃ」

 図星で、何だか恥ずかしくなる。表情に出ていたのだろうか。

「そんじゃ、一緒に行くか。俺もそろそろ起きた頃かなと思って声をかけようと思ってたんだ」

 先を歩いたファイが手招きしてくる。少し躊躇した後、勇気を出してイデアは男子寮へと足を踏み入れた。

「その言い方だと、お兄ちゃんはまだ寝ているんですか?」

「んー、声をかけた時、返事がなくてさ。多分寝てると思うんだが……にしてもフィグルちゃん、流石の人気だな」

「え?」

 言われて気づく。廊下を歩いているだけなのに、凄い数の男子が部屋から出てきてこちらを見つめてくる。

「マジ可愛い……」

「美人でもあるよな……」

「所作が美しいよ」

「どこかのお姫様なんじゃないか?」

「兄がシスコンじゃなきゃぐいぐい行けるのに……」

 その視線の多さに、思わず縮こまってしまう。

「私なんて、そんな……」

「謙遜は罪だぜ? もっと自信もっていこう! 俺だって兄がヴァリウスじゃなきゃ狙ってたさ!」

 気持ちは嬉しいけれど、生憎こちらはカイ一筋なので。

 カイ……。

 会って何を話すかは考えていない。そもそもちゃんと話せるかも、何とも言えないところ。ただ学園に入ってきて、前よりも距離は縮まっているように思える。まだカイを前にすると恥ずかしくて、照れくさくて、心が落ち着かないけれど、それでも心は喜んでいるから。

 そう、きっと今、私はカイに会って心を喜ばせたいんだ。

 ミューを失ってしまって、シャーロットの件もあって不安だから、カイに会って気持ちを明るくさせたい。

 だが、どれだけ呼びかけても、部屋からカイが出てくることはなかったのだった。





※※※※※





「何故だ、スウェル!」

 魔法による遠隔通話越しに、彼女は大きな声を出した。黒髪は恐ろしいほどに長く、座っていては床についてしまいそうだ。吊り上がった目は映した相手を委縮させるには十分であり、その口から出る言葉には鋭い力があった。

 三王都が一つ、王都グランデロードの女王ウェン・グランデロードである。

「あの放送で話した内容は本当と言うのではあるまいな!」

 王都グランデロードの象徴である世界一高い高層ビル「トップロード」の最上階で、語気を強くしながらウェンが畳みかける。

「今ディスペラードは混乱の最中に違いない。お主が信憑性のないことを言うから――」

「《センドリルには確かに隠し子がいる》」

「っ!」

 目を閉じてウェンの言葉を聞いてたスウェルが、力強くそう言った。

 昔とは違い、ほうれい線もはっきり出てきたようだが、彼女の持つ穏やかな中に潜む強さは健全で、常に強気なウェンも彼女の前では勢いを失速する。

 後ろで結った短い栗色のポニーテールを揺らしながら、スウェルは頷いた。

「《貴方の言う通り、ディスペラードは混乱状態のはず。でも、これで四代名家への矢印は消失した。ミュー・リリットの死によって起こるはずだった、四代名家同士の血を血で洗う争いは起きることはないわ》」

「そもそもそんな争いが起きるとは――」

「《昨日、リリット家を除いた名家の子供達が深夜に戦ったそうよ》」

「……!」

「《これは確かな情報筋からの連絡。内一人は負傷、まぁ負傷と言っても軽度らしいけれど》」

 ため息とともに、スウェルがウェンを見る。

「《分かるかしら。ミュー・リリットの死で起きるのは疑心暗鬼なの。誰がミューを殺したのか。ミュー・リリットは随分優秀だったそうだから、それを殺せる実力がある者として疑いやすいのは、なによりミューを殺すことでメリットになると考えられるのは、四代名家でしょう。だから皆が四代名家を疑うし、ミューの死に方は最近ディスペラードで頻発している不審死と同じだと聞いたわ。つまり、その全ての殺人の矢印が四代名家へと向かうのよ。その潔白を各々が証明するためには、真犯人を見つけるしかない。だから、四名家同士が争うことになり、その前哨戦が子供たちによって行われた、ということ》」

 分かるかしら、とスウェルが見つめてくるが、ウェンだって言われなくてもその可能性については考えていた。

 けれど、

「本当に四代名家のうち何処かが犯人かもしれぬではないか」

「《そうね。これは、ただのその場しのぎでしかないわ。でも、隠し子の存在のおかげでメリットというものは存在しなくなる。お互いを疑う必要性が減ったし、四代名家としては大打撃でしょうから、当分は迂闊に動けないはず。だから、これでまだこの期間に不審死が続いて起こるとしたら、四代名家が犯人の線は薄くなるんじゃないかしら。……尤も、四代名家のどこかが単なる愉快犯の可能性、或いはこれから王家になれない怒りによって、という線も無くなったわけではないけれど、可能性に踊らされている場合ではないわ。とにかく、この間に私達は動かなければならない》」

 そして、スウェルが言う。



「《隠し子を探すわ》」



「……どこにいるか分からないと?」

 だから、スウェルは「表舞台に立つにはまだ時間が必要」と言っていたのか。

 ポニーテールを揺らしながら彼女が頷く。

「《「あの事件」から一切合切の消息を絶ってしまったの。……でも、もしまだディスペラードにいるのなら、セインツ魔法学園に通っている可能性は高い。これまでは秘匿性の高い学園のシステムに遠慮していたけれど、そうも言っていられないわ》」

「……まだ子供ということか? それに「あの事件」って、センドリルが死んだ――」

「《ええ、それよ。事件の日、彼はその隠し子と会っていたの。そして会ってる先で、事故に遭ってしまった》」

 一瞬の沈黙が漂うが、すぐにスウェルが言葉を紡ぐ。

「でも、隠し子は生きているわ。それにセンドリルの血を引いている自覚もあると思う。前に一度、私に手紙を書いてきたことがあったわ。センドリルについてのね。返事は嘘の住所に送らされたけれど、きっと届いているはず。あの放送を聞いて、何か変化があれば分かりやすいのだけれど》」

 顎に手を当てて思案するスウェル。その真剣な表情に、ウェンは思わず尋ねてしまった。

「何故、そこまでする。むしろ王都ディスペラードは、わらわ達で管理すればよいではないか。それが一番手っ取り早いとは思わぬか」

 その問いに目を丸くしたが、やがてスウェルは微笑んだ。



「《あの豪快スケベ親父が作った国で、その子供だもの。私達には持て余すわ》」



 スウェルの答えに、ウェンは言葉を返さない。

 だが、映らない位置で強く握られる拳には。

 確かな想いが込められていた。





※※※※※





「本当に隠し子ってやつがいるのか?」

「《少なくとも王都リバディの女王はそう言っていたが》」

「ふーん、てことはルーファ達もこれから大変だな。王選の必要が無くなるわけだし」

「《そういえば、お前がぐっすり眠っている間に想い人が訪ねてきていたぞ》」

「……マジで?」

「《ああ、だが過度な接触は返って奴に変な口実を与えるかと思って、起こさなかった》」

「……待って、過度ってどれくらいかな。これから俺イデアに会えないの?」

 スウェルによる王都内放送があった日の深夜。

 カイは再び黒ローブに身を包んでビルの最上階から街並みを見下ろしていた。その左眼は紅く光り、魂を映し出す。

 昨日と打って変わって、紅い光が街のそこら中に見える。

 あれが全部、ゲームの参加者ってか。あの野郎、焚きつけやがって。

「《準備はいいか、カイ》」

 瞳に宿るトーデルが尋ねてくる。

 準備も何も、あちらは待ってくれそうにない。

 誰かが見つけたのだろう。カイのいるビル一直線に赤い光が集まり出していた。

「よし、全員存命で朝日を迎えようじゃないか!」

 言葉と共に、ビルから一気に飛び出すカイ。真下には様々な模様の仮面を着けた者達が待ち構えていた。

 正直、まだ悩んでいる。命を俺が脅かしているという事実を、どう繋げていけばいいのか、答えは出ていない。

 けれど。



 俺の目の前で、俺の手が届く範囲で、誰一人死なせてやるもんか……!



 目の前の命が、こちらの命を狙っていたとしても。

 それだけは強く想いながら、カイは闇に溶けていったのだった。





※※※※※





「力が、欲しいか?」

 その問いは、とある背中にかけられた。部屋の中はこれ以上壊しようがないというくらい荒れており、その中心で拳を握りしめながら彼は立っていた。

 突然かけられた声にも反応せず、その身体はただ怒りを内包して震えていた。

 だからこそだ。

 その背中に可能性を感じたからこそ、こうやって声をかけているんだ。

「おまえに、全てを蹂躙する力をくれてやろう」

 まだ振り向かない彼に、レゾンは的確に言葉を紡いだ。



「人の上に立ちたいんだろう?」



 ピクリと反応したかと思うと、ようやく顔がこちらを捉える。

 怒りで、絶望で、悲しみで顔を歪ませ切った彼の表情を見て、レゾンは興奮を覚えた。

 さぁ、かき乱そうぜ。運命って奴を!

 《冥具》を取り出すレゾンを。



 シリウス・セヴァンは黙って見つめていた。






紅のディスペラード編 完
真紅の三王都編 開始
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います

こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!=== ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。 でも別に最強なんて目指さない。 それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。 フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。 これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。

追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。 白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。 しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。 王妃リディアの嫉妬。 王太子レオンの盲信。 そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。 「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」 そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。 彼女はただ一言だけ残した。 「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」 誰もそれを脅しとは受け取らなかった。 だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました

グミ食べたい
ファンタジー
 現実に疲れ果てた俺がたどり着いたのは、圧倒的な自由度を誇るVRMMORPG『アナザーワールド・オンライン』。  選んだ職業は、幼い頃から密かに憧れていた“料理人”。しかし戦闘とは無縁のその職業は、目立つこともなく、ゲーム内でも完全に負け組。素材を集めては料理を作るだけの、地味で退屈な日々が続いていた。  だが、ある日突然――運命は動き出す。  フレンドに誘われて参加したレベル上げの最中、突如として現れたネームドモンスター「猛き猪」。本来なら三パーティ十八人で挑むべき強敵に対し、俺たちはたった六人。しかも、頼みの綱であるアタッカーたちはログアウトし、残されたのは熊型獣人のタンク・クマサン、ヒーラーのミコトさん、そして非戦闘職の俺だけ。  「逃げろ」と言われても、仲間を見捨てるわけにはいかない。  死を覚悟し、包丁を構えたその瞬間――料理スキルがまさかの効果を発揮し、常識外のダメージがモンスターに突き刺さる。  この予想外の一撃が、俺の運命を一変させた。  孤独だった俺がギルドを立ち上げ、仲間と出会い、ひょんなことからクマサンの意外すぎる正体を知り、ついにはVチューバーとしての活動まで始めることに。  リアルでは無職、ゲームでは負け組職業。  そんな俺が、仲間と共にゲームと現実の垣根を越えて奇跡を起こしていく物語が、いま始まる。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

処理中です...