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笑顔の裏側
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『みなさま、この度スマイル地区に新たな住人が誕生いたしました!おめでとうございます!いかがですか?今のお気持ちは?』
『いや~、とても嬉しい限りです。ずっと行きたいと思っていたので…。』
「はあ…。うらやましいよな~。全く。」
ブラウン管の向こう側でニコニコとインタビューを受ける男を見ながら、俺は1人ため息をついた。
ここ数年になって、政府はある政策を打ち出した。
国民の生産意欲向上の為の特別自治区……。
通称“スマイル地区”という公共施設を建てたのだ。
このスマイル地区では、一度入れば死ぬまで金を払う必要はない。税金も取られない。働く必要もない。一生遊んで暮らせるという夢のような生活が保障されるらしい。
ただし当然ただでは入れない。そこに入るには政府が指定する一定の条件を満たしていないといけないそうだ。どんな条件か知らんが、その日暮らしの俺には縁のない話だろう……。
『スマイル地区はこの世の天国!スマイル地区は国民の憧れ!皆さま、スマイル地区を目指して今日もお仕事頑張って下さい!』
「……そんなかんたんに行けたら苦労しねえよ。くそ。」
などと、聞こえもしないのに、テレビの中のニコニコ顔の奴らに、俺は愚痴を吐き捨てた。
“ピンポーン”
唐突に、チャイムの音が響いた。
誰だろう?
「こんにちは~。政府の者ですが~。」
…政府の⁉︎
なんだかんだなんだ⁉︎俺なんかやらかしたか?光熱費の延滞?民放の料金未払い?税金未納?
そんなまさか。いやしかし…。いやでも…。
“ピンポーン”
チャイムの音が再度鳴る。
…ええい。ままよ。
「は、はーい。」
意を決して俺はドアを開けた。向こう側には小綺麗なスーツを着た役人らしき連中がニコニコ笑って立っていた。
「な、なんの御用でしょう…?」
恐る恐る尋ねてみると、役人連中は突然拍手を始めやがる。
「おめでとうございます!」
「おめでとう!」
「おめでとう!」
……?
何が何やらさっぱり分からない。
キョトンとしている俺に、役人は一通の書類を差し出した。
「急な訪問で驚かれたでしょう。いや、申し訳ございません。実はこの度、貴方にスマイル地区に居住する権利が与えられました。我々はその連絡に伺った次第なのでございます。」
「はあ…。」
生返事で答えたものの、理解が追いついてない。
すまいるちくにきょじゅう……スマイルチクニキョジュウ……
スマイル地区に……居住……⁉︎
「え、ええぇっ⁉︎俺が⁉︎ほ、本当ですか⁉︎」
「はい。間違いありません。その書類を開けてみて御覧なさい。」
言われるがままに俺は受け取った書類に目を通してみる。そこにはたしかに俺の名前の入った、居住許可証なるものがしたためてあった。
「まさか…この俺がスマイル地区になんて……!夢のようですよ!」
「おめでとうございます。なお、入る前に身体チェックがありますので、所定の物をお持ちいただいて下記日程にお越しください。」
「は、はい!分かりましたぁ!」
「では…。」
そう言って役人達は会釈をしたあと立ち去っていった。
やった…!やったぞ!俺がスマイル地区の住民に選ばれるなんて!明日は職場の奴らに自慢してやろう……!
俺は内側から溢れそうな喜びで、部屋の中で1人踊り狂うのだった。
…そうこうする内にスマイル地区に住む日がやってきた。
居住区の手前には検問所があり、そこで厳しいチェックを受けるそうだ。この日は俺以外にも居を移す奴も多いらしい。検問所の前では100人は優にこす人数がガヤガヤと並んでいた。
「ちょっと!離して!中に入れてよ!」
検問所から1人の女が検問官らしい男2人に連れ出されていくのが見えた。何事だろう?
「私が何したってのよ!離して!」
「ダメです。居住区の中では携帯電話などの持ち込みは禁止されています。」
「1人くらいいいでしょ!」
キーキー金切り声を上げながら、女は検問官に連れ去られていった。
…そう。この居住区では、携帯電話などの通信機器の持ち込みが一切禁止されていた。他にもビデオカメラ、録音機、ラジオなど、理由は分からないがこういった電子機器は持ち込めないことになっていた。
まあ、少々奇妙ではあるがこの後の生活が保障されるんなら安いものだ。さっきの女はおそらく携帯に余程の執着があったんだろうが、生憎と俺にはない。悠々とスマイル地区に住めるというわけで…。
「次の方どうぞ~。」
「あ、は、はい!」
いつのまにか俺の番が来ていたらしい。俺は慌てて検問所へと向かった。
検問所内は薄暗く、一つの椅子と格子戸越しに検問官がいるだけの殺風景な部屋だった。コンクリートの壁に塗り固められた部屋はなんとなく重苦しさを感じさせる。
「どうぞ。お掛け下さい。」
男の声が聞こえる。おそらく向こうにいる検問官の声か。言われるままに、俺は部屋にポツンと置いてある椅子に腰掛けた。
「まずは身分証明書を。」
「あ…はい。」
俺はパスポート、運転免許証、保険証など、指定された身分証を全て取り出した。検問官はそれらを回収すると、次のチェックを始めた。
「では次に持ち物を確認致します。携帯電話などの電子機器は持ち込めませんのでご了承の程を…。」
そうすると別の検問官が現れて、何かの機械(ああ、あれだ。金属に反応すると音がなる仕掛けの奴だ。)を俺に当て始めた。
その間、俺は格子戸の向こうにいる検問官の表情が気にかかった。格子戸からは検問官の鼻から下しか見えなかったが、全く笑っているように見えない。終始無表情なのだ。その様子がなんだか、「スマイル地区」というおめでたい場所の名前からかけ離れているようで…。
「はい。問題ありません。では最後にこちらの書類にサインを……。」
いつの間にやらチェックが終わっていたらしい。検問官は格子戸越しに一通の書類を差し出した。
書類には何やら義務がどうこう、権利がどうこうと細かい事が書かれてある。全部目を通すのも面倒だ。俺はろくに読まずにその書類にサインした。
「はい。ありがとうございます。これであなたはスマイル地区の住民です。どうぞ左手にお通り下さい……。」
検問は問題なく終わったらしい。俺はその検問所を後にした。
扉の向こうでは、既にマスコミの連中が待ち構えていた。先に検問を通ったやつらに次々とインタビューしている。
「スマイル地区への居住、おめでとうございます!」
「今のお気持ちは⁉︎」
……先日俺がテレビで見た光景だ。
まさか俺もこちら側に来る日が来ようとは……。
と、インタビューをしているレポーターが俺に気づいたらしい。カメラマンを引き連れてやってきた。
「ご入居おめでとうございます。今のお気持ちをどうぞ。」
「え、ええ⁉︎えーと、そうですね……。」
俺がドギマギしているその時だった。
突然、1人の男がカメラの前に割り込んで来た。
「な、なんだよ⁉︎おい。邪魔すんなよ!」
カメラマンの制止も聞かず、男は必死の形相で叫び始める。
「誰か…!頼む!助けてくれ!ここから出してくれ!」
「何を言ってんだこいつ……。」
男はどうやらこの地区の先の住民らしい。困惑する俺たちに構わず男は続ける。
「俺たちははめられたんだ!ここは天国なんかじゃない!地獄だ!入った奴らは全員政府に殺されるぞ!」
「はいはい。わかったわかった。頼むから酔っぱらいは向こうへ行ってくれ。」
「嘘じゃない!俺は見たんだ!奴らが住人を殺して解体してやがったのを!きっと俺たちの臓器をどっかに売り払うつもりなんだ!」
必死に訴える男を、あちこちでクスクスと笑う声が聞こえる。かく言うおれもその一人だ。笑う俺たちを見て、男は顔を赤くして尚も続ける。
「本当なんだ!その証拠に、ここに入る前に書類にサインしたはずだ!あれは無条件で臓器提供者になる同意書なんだ!サインしたら最後、無理やり臓器を取り出されて…!」
無我夢中でまくしたてる男。だがそこまでだった。気付くと男の背後に職員らしき人がやってきて、男の首筋になにかを注射した。男は先程までの勢いを失い、やがて気を失ってその場にへたり込んでしまった。
男が気を失ったのを確認すると、職員は俺たちに笑顔を見せて応対を始めた。
「どうも、お騒がせして申し訳ありません。あの男、この地区の住民なのですが、少し妄想の気がありまして…。」
「なんだ…。」
「ビックりしたあ……」」
その場に居合わせた皆がそれぞれに安堵の声を上げた。
職員はすこし苦笑いしながらレポーターに話しかけた。
「いやあ、すみませんね。できれば今のところはカットしてもらえないですか?」
「もちろんカットしますよ。我々としてもあんなシーンは放送しかねますので。」
「ああ、よかった…。あんな話が放送されれば国民の皆様の楽しみがなくなってしまいますからねぇ。いやよかったよかった。」
そうして職員は俺たち新住人に向き直った。
「さあ、皆さま。トラブルがございましたが只今よりスマイル地区にご案内いたします!我々職員の誘導に従ってください。」
そうしてなんやかんやあったが、おれ達は無事にスマイル地区へと向かった。
それにしても…。
あの男の話、あれは本当に狂言だったんだろうか?
実は彼は真実を言っていたのでは?
職員は知られたくない事実を隠蔽しようとして彼を黙らせたのではないか?
そうだとしたら…。
漠然とした不安の中、俺は見てしまった。スマイル地区の入り口の横、うっすらとだが掠れた字でその“名”を目にしてしまった。
途端に俺は理解してしまった。
あの男の話の真偽を。
何故俺のような一般人が住人に選ばれたのかを。
この後の俺達の行く末も……。
そこに書かれていた名前はこうだ。
“臓器提供の為の独身非生産者収容所”
『いや~、とても嬉しい限りです。ずっと行きたいと思っていたので…。』
「はあ…。うらやましいよな~。全く。」
ブラウン管の向こう側でニコニコとインタビューを受ける男を見ながら、俺は1人ため息をついた。
ここ数年になって、政府はある政策を打ち出した。
国民の生産意欲向上の為の特別自治区……。
通称“スマイル地区”という公共施設を建てたのだ。
このスマイル地区では、一度入れば死ぬまで金を払う必要はない。税金も取られない。働く必要もない。一生遊んで暮らせるという夢のような生活が保障されるらしい。
ただし当然ただでは入れない。そこに入るには政府が指定する一定の条件を満たしていないといけないそうだ。どんな条件か知らんが、その日暮らしの俺には縁のない話だろう……。
『スマイル地区はこの世の天国!スマイル地区は国民の憧れ!皆さま、スマイル地区を目指して今日もお仕事頑張って下さい!』
「……そんなかんたんに行けたら苦労しねえよ。くそ。」
などと、聞こえもしないのに、テレビの中のニコニコ顔の奴らに、俺は愚痴を吐き捨てた。
“ピンポーン”
唐突に、チャイムの音が響いた。
誰だろう?
「こんにちは~。政府の者ですが~。」
…政府の⁉︎
なんだかんだなんだ⁉︎俺なんかやらかしたか?光熱費の延滞?民放の料金未払い?税金未納?
そんなまさか。いやしかし…。いやでも…。
“ピンポーン”
チャイムの音が再度鳴る。
…ええい。ままよ。
「は、はーい。」
意を決して俺はドアを開けた。向こう側には小綺麗なスーツを着た役人らしき連中がニコニコ笑って立っていた。
「な、なんの御用でしょう…?」
恐る恐る尋ねてみると、役人連中は突然拍手を始めやがる。
「おめでとうございます!」
「おめでとう!」
「おめでとう!」
……?
何が何やらさっぱり分からない。
キョトンとしている俺に、役人は一通の書類を差し出した。
「急な訪問で驚かれたでしょう。いや、申し訳ございません。実はこの度、貴方にスマイル地区に居住する権利が与えられました。我々はその連絡に伺った次第なのでございます。」
「はあ…。」
生返事で答えたものの、理解が追いついてない。
すまいるちくにきょじゅう……スマイルチクニキョジュウ……
スマイル地区に……居住……⁉︎
「え、ええぇっ⁉︎俺が⁉︎ほ、本当ですか⁉︎」
「はい。間違いありません。その書類を開けてみて御覧なさい。」
言われるがままに俺は受け取った書類に目を通してみる。そこにはたしかに俺の名前の入った、居住許可証なるものがしたためてあった。
「まさか…この俺がスマイル地区になんて……!夢のようですよ!」
「おめでとうございます。なお、入る前に身体チェックがありますので、所定の物をお持ちいただいて下記日程にお越しください。」
「は、はい!分かりましたぁ!」
「では…。」
そう言って役人達は会釈をしたあと立ち去っていった。
やった…!やったぞ!俺がスマイル地区の住民に選ばれるなんて!明日は職場の奴らに自慢してやろう……!
俺は内側から溢れそうな喜びで、部屋の中で1人踊り狂うのだった。
…そうこうする内にスマイル地区に住む日がやってきた。
居住区の手前には検問所があり、そこで厳しいチェックを受けるそうだ。この日は俺以外にも居を移す奴も多いらしい。検問所の前では100人は優にこす人数がガヤガヤと並んでいた。
「ちょっと!離して!中に入れてよ!」
検問所から1人の女が検問官らしい男2人に連れ出されていくのが見えた。何事だろう?
「私が何したってのよ!離して!」
「ダメです。居住区の中では携帯電話などの持ち込みは禁止されています。」
「1人くらいいいでしょ!」
キーキー金切り声を上げながら、女は検問官に連れ去られていった。
…そう。この居住区では、携帯電話などの通信機器の持ち込みが一切禁止されていた。他にもビデオカメラ、録音機、ラジオなど、理由は分からないがこういった電子機器は持ち込めないことになっていた。
まあ、少々奇妙ではあるがこの後の生活が保障されるんなら安いものだ。さっきの女はおそらく携帯に余程の執着があったんだろうが、生憎と俺にはない。悠々とスマイル地区に住めるというわけで…。
「次の方どうぞ~。」
「あ、は、はい!」
いつのまにか俺の番が来ていたらしい。俺は慌てて検問所へと向かった。
検問所内は薄暗く、一つの椅子と格子戸越しに検問官がいるだけの殺風景な部屋だった。コンクリートの壁に塗り固められた部屋はなんとなく重苦しさを感じさせる。
「どうぞ。お掛け下さい。」
男の声が聞こえる。おそらく向こうにいる検問官の声か。言われるままに、俺は部屋にポツンと置いてある椅子に腰掛けた。
「まずは身分証明書を。」
「あ…はい。」
俺はパスポート、運転免許証、保険証など、指定された身分証を全て取り出した。検問官はそれらを回収すると、次のチェックを始めた。
「では次に持ち物を確認致します。携帯電話などの電子機器は持ち込めませんのでご了承の程を…。」
そうすると別の検問官が現れて、何かの機械(ああ、あれだ。金属に反応すると音がなる仕掛けの奴だ。)を俺に当て始めた。
その間、俺は格子戸の向こうにいる検問官の表情が気にかかった。格子戸からは検問官の鼻から下しか見えなかったが、全く笑っているように見えない。終始無表情なのだ。その様子がなんだか、「スマイル地区」というおめでたい場所の名前からかけ離れているようで…。
「はい。問題ありません。では最後にこちらの書類にサインを……。」
いつの間にやらチェックが終わっていたらしい。検問官は格子戸越しに一通の書類を差し出した。
書類には何やら義務がどうこう、権利がどうこうと細かい事が書かれてある。全部目を通すのも面倒だ。俺はろくに読まずにその書類にサインした。
「はい。ありがとうございます。これであなたはスマイル地区の住民です。どうぞ左手にお通り下さい……。」
検問は問題なく終わったらしい。俺はその検問所を後にした。
扉の向こうでは、既にマスコミの連中が待ち構えていた。先に検問を通ったやつらに次々とインタビューしている。
「スマイル地区への居住、おめでとうございます!」
「今のお気持ちは⁉︎」
……先日俺がテレビで見た光景だ。
まさか俺もこちら側に来る日が来ようとは……。
と、インタビューをしているレポーターが俺に気づいたらしい。カメラマンを引き連れてやってきた。
「ご入居おめでとうございます。今のお気持ちをどうぞ。」
「え、ええ⁉︎えーと、そうですね……。」
俺がドギマギしているその時だった。
突然、1人の男がカメラの前に割り込んで来た。
「な、なんだよ⁉︎おい。邪魔すんなよ!」
カメラマンの制止も聞かず、男は必死の形相で叫び始める。
「誰か…!頼む!助けてくれ!ここから出してくれ!」
「何を言ってんだこいつ……。」
男はどうやらこの地区の先の住民らしい。困惑する俺たちに構わず男は続ける。
「俺たちははめられたんだ!ここは天国なんかじゃない!地獄だ!入った奴らは全員政府に殺されるぞ!」
「はいはい。わかったわかった。頼むから酔っぱらいは向こうへ行ってくれ。」
「嘘じゃない!俺は見たんだ!奴らが住人を殺して解体してやがったのを!きっと俺たちの臓器をどっかに売り払うつもりなんだ!」
必死に訴える男を、あちこちでクスクスと笑う声が聞こえる。かく言うおれもその一人だ。笑う俺たちを見て、男は顔を赤くして尚も続ける。
「本当なんだ!その証拠に、ここに入る前に書類にサインしたはずだ!あれは無条件で臓器提供者になる同意書なんだ!サインしたら最後、無理やり臓器を取り出されて…!」
無我夢中でまくしたてる男。だがそこまでだった。気付くと男の背後に職員らしき人がやってきて、男の首筋になにかを注射した。男は先程までの勢いを失い、やがて気を失ってその場にへたり込んでしまった。
男が気を失ったのを確認すると、職員は俺たちに笑顔を見せて応対を始めた。
「どうも、お騒がせして申し訳ありません。あの男、この地区の住民なのですが、少し妄想の気がありまして…。」
「なんだ…。」
「ビックりしたあ……」」
その場に居合わせた皆がそれぞれに安堵の声を上げた。
職員はすこし苦笑いしながらレポーターに話しかけた。
「いやあ、すみませんね。できれば今のところはカットしてもらえないですか?」
「もちろんカットしますよ。我々としてもあんなシーンは放送しかねますので。」
「ああ、よかった…。あんな話が放送されれば国民の皆様の楽しみがなくなってしまいますからねぇ。いやよかったよかった。」
そうして職員は俺たち新住人に向き直った。
「さあ、皆さま。トラブルがございましたが只今よりスマイル地区にご案内いたします!我々職員の誘導に従ってください。」
そうしてなんやかんやあったが、おれ達は無事にスマイル地区へと向かった。
それにしても…。
あの男の話、あれは本当に狂言だったんだろうか?
実は彼は真実を言っていたのでは?
職員は知られたくない事実を隠蔽しようとして彼を黙らせたのではないか?
そうだとしたら…。
漠然とした不安の中、俺は見てしまった。スマイル地区の入り口の横、うっすらとだが掠れた字でその“名”を目にしてしまった。
途端に俺は理解してしまった。
あの男の話の真偽を。
何故俺のような一般人が住人に選ばれたのかを。
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