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転生者の悪役令嬢
しおりを挟む私は、気付いたらゲームの世界にいた。
いたと言うのは可笑しいのは解る。
だって、私だって何言ってるの、この人?って思うし。
けど、実際自分自身がよくあるテンプレの一つを体験するとは思わなかった。
今の私は、神宮寺 零と言う名だ。
前は、違ったような気がする。
そう、今の世界より文明は進んでいて、魔法なんて使える人はいなかった。
転生やらトリップは、夢を見れる年頃までで勘弁して欲しかった。
今更、二十代になってから、体験はしたくなかったように(笑)
まぁ、そんなこんなで産まれたなら、その環境に馴染んで行くよね。
前の世界、前世では考えられない様な家に環境。親も戸籍もある。
それに初めはかなり安心した。
身分を証明するのがあるだけどうにかなるしね。
初めは、ウホー悪役令嬢だけど・・・
前世の知識活かせて発展させちゃう?って思ってた時もありましたよ。
実際、やろうと思った事を全て兄である神宮寺 弘がやっていた。
「絶対に、神宮寺 弘は転生者だ!!」
部屋の扉を閉めながら、ズルズルと座り込む。
たまたま、あの人の部屋の前を通った時。
声が聞こえた。
「あー、つまんねぇ!! 何で魔力や魔法あるのに、スマホないんだー‼」
「うるさい、弘‼ 黙ってレポートやって・・・」
「だってよ~俺まだガチャ石残ってたんだよ・・・」
「くだらない事言ってないで、早くやれ・・・」
「ちぇ~、蒼は冷たい~」
「切り刻まれたくなかったら、マジでやれよ‼」
「押忍っ!」
部屋中に鎌鼬の風が吹きあふれ、西園寺 蒼が冷たい目をしてうちの兄を見ている。
(これって、やっぱり・・・あの二人も同じ時代から転生したって事よね)
「まっ、私には関係ないか(笑)」
今を生きてるのだから。
前世ではなく、今をきちんと見てなくちゃね。
モブとして、のんびりまったり生きていこうって思ってたのに。
「弘、零。今日は、出掛けるわよ‼」
「「はぁ・・?」」
朝一番に母親から言われ、あれよあれよと母の知り合いの家にお邪魔している。
それが、西園寺 蒼の家とは聞いてなかった。
(チッ。記憶持ちには近づかない様にしてたのに・・・)
一度兄達の会話を聞いてから、どうしても苦手意識がある西園寺 蒼。
母さんが色々とこの家の事を話しているけど頭に入ってこない。
ヤバイ・・・
何か最近頭痛い、それも何か吸われているような感覚だ。
どうも、三歳の誕生日を迎えて行った行事後から頭痛に悩まされている。
「零、お前大丈夫か?」
「・・・はい・・・」
兄の声に痛みに堪えながら答える。
平然と言っているが、何気に兄にはバレているだろう。
この兄は、チャラい様で結構周りをみているからな。
「本当に大丈夫かよっ?メチャクチャ顔色悪いぞ?」
「夜更かしのしすぎだから、平気」
「あーそんな感じに見えてないからな?」
兄が何か言っていたが、殆ど頭に入ってこない。
(何か、これ、マジでヤバイかも・・・)
倒れると思った時、扉が開き・・・
私より少し小柄な女の子が入って来た。
ミツケタ‼
ハヤク、ハヤク、ツカマエロ‼
頭の中声が響く。
女の子は西園寺 真宵と名乗った。
色々と兄がちょっかいを出していたが、それは真宵の兄に寄って全部振り払われていた。
ハヤク、ハヤク‼
マリョク、タクサン‼
(あ~煩いなぁ。誰か助けて・・・)
意識がなくなると思った時・・・
「神宮寺様?」
「はいっ‼」
一気に煩い声が収まる。
西園寺 真宵様の声を聞いただけで、一気に楽になる。
「宜しければ、二人でお茶しましょう?」
眩しいほどの笑顔で言われ、私は、迷い無く答えた。
「是非‼」
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