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とりあえず、そこに座りなさい
しおりを挟む「ダレガ我をヨンダのだ・・・」
あたりは、黒焦げの野原になっており・・・
西園寺親子、神宮寺親子は地面に倒れている。
「えっ・・・ナニコレ?」
真宵は考えを放棄しようとしている‼
(イヤイヤ、初っ端から三歳児にやらせることじゃないからね‼)
グワーッ‼ ゴゴゴ・・・
皆の前には、黒龍。
黒龍の足元には神宮寺 零が倒れている。
「イッタイダレガ、ワレヲ起こしたー‼」
黒龍は怒り出した‼
真宵は考えている。
黒龍のターン・・・ってついついゲーム風に考えてしまった。
どうしてこんな状況になったかと言うと・・・
五分前の事だ。
「あの、西園寺様・・・」
「あっ‼ 神宮寺様。名前で呼んで下さい‼」
「えっ・・あっはい・・・」
神宮寺 零様は、驚きながらも嬉しそうにハニカミながら小さく答える。
(やっぱり、可愛いよー‼ 近くで見ると儚げな感じでいいな~)
けど、やはり近くにくると感じる。
禍々しい魔力の纏わり付くのが・・・
零に憑いている気がする。
最近になって、零の身体に影響出始めたのかな。
化粧で上手く隠してるけど、目の下に隈ができてるし。
うーん、どうしたもんか。
ここで、ヒロインや悪役令嬢とかの転生者なら上手に救済すると思うけど。
「私、面倒事は避けたい。それにのんびり楽しく過ごすのを目標にしているしなぁ」
「えっ?何か言いましたか? 真宵様?」
「ううん、なんでもない・・・けど」
私の呟きが聞こえたようで、零が聞き返す。
蒼兄様か飛んでたりしてる時点で、魔法・魔力はこの世界にあると思ってたけど。
無理ゲーな気がする。
「・・・っ‼ 痛っ・・・」
「大丈夫‼ 零様?」
急に苦しみだし、その場に蹲る。
(ちょっと、これって何かイベントある感じ?)
零が急に苦しみだしたと思ったら、周りに風が吹きあふれ、空が暗くなる。
マジですかー‼
いつの間にか、フラグ回収ルート入ってました(笑)
「いやぁぁー‼」
零様が叫んた瞬間、一気に何かが出てくる。
「マジですか・・・」
目の前には、RPG並のドラゴン、黒龍が召喚された。
私は、呆れるしかない。
「真宵、離れなさい‼」
「・・・っ‼」
急に身体が後ろに引っ張られ、黒龍に植物の蔦が巻き付く。
あれは、お母様の魔法。
「真宵、怪我ない・・・?」
「お兄様・・・」
後ろから、私を引っ張ったのは蒼兄様のようだ。
「はい、大丈夫です」
「そう・・・なら良かった」
フニャりと笑うお兄様だが、額に汗をかいている。
(急いで駆け付けてくれた・・・)
「ちょっと、愛美さん‼こんなの聞いてないわよ‼」
「私だって、知りませんでしたわ‼」
お母様と神宮寺のお母様が蔦やひかりの檻で黒龍を拘束している。
「魔法省呼んでる時間ないですわよ‼どーするつもりですの?!」
お母様は、必死に抑えているようだが・・・負担があるのだろう、顔色が悪くなっている。
「憑かれているなら、本人を・・・ですけ・・・」
神宮寺のお母様は動揺しているようで今にも魔法が解けてしまいそうだ。
「母さん、何か手はないのか‼」
「手伝う・・・」
神宮寺 弘様と蒼兄様がお母様達の傍に近づこうとする。
「ハナセ、ワレヲダレだとオモッテイル‼」
黒龍は苦しいのか大きな身体を振り回して、拘束を解こうとしている。
「貴方達は真宵の傍にいな・・・きゃあー‼」
「お母様ー‼」
龍が暴れた際に、思いっきりお母様達に尻尾が当たる。
黒龍は拘束が解けた喜びから、火を吐く。
私達のいる場所以外が黒焦げになる。
イヤイヤ、これ初っ端の出来事にしては無理ー‼
てかさ、何で私がこんな目に合わないといけないの?
大体さ、私チートとかいらないって言ったよ?
前の世界でも、いきなり殺されたしさ・・・
なんか、イライラしてきた‼
何で新しい世界でも、私はこんなに苦労しなきゃいけないのよ‼
「真宵、危ないわっ・・・」
「真宵嬢、近寄っては・・っ‼」
お母様や神宮寺 弘様が何か言ってるけど。
その時、私には聞こえてなかった。
ううん、もう聞く気がないのかも知れない。
「ワレヲ、ハナセ‼」
黒龍はパニック状態になりつつある。
「真宵、今近づくと危ない・・・」
「蒼兄様、弘様。私が黒龍の気を逸らすので・・・零様を安全な所へ‼」
「真宵? 真宵がやることない‼もう少しすれば・・・助けがっ」
「お願いしますね、蒼兄様?」
ニコッと微笑めば、蒼兄様は青い顔をして頷く。
暴れている黒龍に向かって歩いていく。
大丈夫、大丈夫‼
零様を助けるんだ、それに・・・
私の平穏を壊した代償を払って貰うわよ‼
黒龍だからって許さないんだから‼
「ダレダ、オマエハ・・・」
「・・・・」
「ソノチカラ、オマエハ、マサカアヤツの・・・」
「・・・っ」
「ナニをイッテイル、聞こえん‼」
黒龍は真宵に向かって、火を吐く。
「真宵ー‼」
「フッ・・・ワレヲバカにスルノガっ・・・」
「いい加減にしなさいー‼」
「何故、モエテイナイノダ‼オマエハ、ナニモノダ‼」
「煩いなぁ・・・」
もう、本当にとりあえず首が痛いから・・・
「おすわりー‼」
「そこに、今すぐ座りなさいー‼」
庭に真宵の一言が響く。
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