転生のテッパンをバキバキにしたい!!

夢の如く

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契約=脅迫じゃない?

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「お座り‼」

真宵の声が庭に響く。
声だけではなく、本人は気付いてないようだが、魔力をのせての声だ。

「ダレニメイレイシテイル!!ワレヲダレダトオモッテイ・・・」
「(誰だろうと関係ないっ‼)黒るゅち‼」
「「「「・・・・・(噛んだ・・・))」」」」

その場は、一瞬にしてほのぼのとした空気が流れた。
(何で、の場面で噛んじゃうのぉ~)
頑張って、喋っていたけど・・・やっぱり3歳児には辛かったようだ。
黒龍も一瞬ぽか~んとしたが、すぐに復活した様だ。

「ワレハ、リュウノナカデモ、コウイノリュウダゾ‼ソノワレニ、オマエハメイレイシテイルノカー‼」
黒龍は怒りを私に向ける。

そんなの私だって解るよ。
いきなり会った子供チビに言われてもムカつくだけだし。
けど、人を傷付けるのはダメだ。
お互いに傷付くだけだし・・・

「オヌシ、ソンナフウニオモウノカ・・・」
「えっ?」
「(オヌシの心を読んだのだ。この声はオヌシだけしか聞こえん。念話・・・というのに近いモノと考えレバヨイ。)」
「(・・・それなら別に大きい声出さなくても)」
「(それではワレノ恐ろしさが解らないではないか)」

この龍殴ってもいいかなぁ。
ムカッときても私悪くないよね?

「(そんなに怒るな、ワルカッタ。だから、ソノ魔力をしまえ‼)」
黒龍はオロオロしながら、私の前に来る。
「真宵っ‼危ない‼」
後ろでは、蒼兄様の焦った声が聞こえる。
「ワレノにフレろ。チイサキモノヨ」
「なんででしゅ(す)か?」

理由は知らないけど、この場を収められるなら従ってみよう。
近付いてきた黒龍の鼻先に手で触れる。
その瞬間、周りを光が包む。
「真宵、まよいーっ‼」
最後に聞いたのは、蒼兄様の声だけ。









(ん・・・ここは?)
「目が覚めたか、小さき者」
「えっ、誰?」
いきなり目の前に、美青年がおる。
(ナニコレ、乙女ゲームに出てきそうな美青年)
「ハハッ、そんなに誉めてもらえるとは意外だったな」
「・・・もしかしてさっきの龍?」
「そうじゃ。この姿の方がそなたに合うようだな。」
「さて、ココに居るのも長くはいれん。話を進めるぞ」
「はぁ・・・」
「お主を見ていると、何故か違和感があるのだ」
私をマジマジと下から上と見る黒龍。
(これは、転生したからこの世界の人と違うと感じられてるのか?)
「とりあえず、一回ツッコんでいい?」
「ふむ、いいだろう」
「何で普通に話せてるの?」
「あ~その事か。それはお主の力を少し借りているからのぅ。だから、言葉もなんとなく先程より聞こえはいいだろう?」

よく転生物で要素が目の前にある。
美青年だけど実は龍とか。
これが、あのユラシアが言っていたなのかな。
「ほぅ、お主はユラシアを知っておるのか」
「うん、私を生まれ変わらせてくれた人」
「フムフム。お主は生まれ変わりか。だからその力なのか・・・」
色々と勝手に解釈していく龍。
説明とか面倒って思っていたから助かるけどね。

「・・・そういう事か。なら、お主は愛し子護るべきものだな」
「へっ?別に護られる気はないよ、自分の事は自分でやるし・・・」
「・・・ハハ、ハーハハ‼お主は面白い。ヨイ。決めた、我を・・・」
「あ⁉そういう面倒な事はお断りします‼」
「だが、お主が断ると我は先程の少女の中だ」
「(零が大切なら、私が黒龍を納めろって事か。それってどんな脅迫よ)」
「脅迫ではない、提案じゃ。お主は、あの少女より魔力があり、我を受け容れる器もあるからだ」
「それに、このままあの少女に戻るとあの中には納まらん。あの少女にも適正が合ったが、それ以上の適正があるものが現れればそちらに移る方が効率が良いだろう?」
「それは解るけど、そんなでっかい龍なんて場所に困る」
「龍でなく、この姿なら良いだろう?それに、お主は特殊じゃ。今後合った時の為にも騎士ガードは必要じゃろ?」

うーん、何か龍のいいように纏められてるけど。
解った、もう面倒だからそれでいい。

名前?
私ネーミングセンスないよ?
ん?それでもイイと?そう、ならいっか。

黒龍、黒い龍・・・
じゃあ、クロでいい?
なんか、もう・・・眠くて考えつかない。

えっ、嬉しいって・・・?
そう、なら良かったのか・・・な・・・。


色々と限界がきたようで、お昼寝の時間になってしまったので、私の身体はあっという間にお昼寝タイムに入ってしまった。

「クロか・・・面白い!! これからも我を楽しませろよ?真宵」
そんな事を、クロが言っていたなんて知りもせず。
私は、いつの通りの昼寝を始めていたのである。
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