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第0話 冒険者になる準備
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ある日SNSに「異世界に繋がる扉を作った」と動画と共に謎の投稿をした。もちろん誰も信じてはいなかった。そんなことあるできるはずがない、と。だが、影響力の持つ1人のインフルエンサーが扉を開けるとそこは異世界という動画をSNSに投稿したことで瞬く間に信じる人が増えた。もちろん嘘だと言う人もいたが。しかし、現に異世界へ繋がる扉は「異世界扉」と呼ばれ、様々な異世界への旅行・冒険をする人が増えたことは事実である。異世界扉ができて2年が経ち、異世界が身近なものになっていた。これは異世界を冒険するある少女の物語である。
ここは、この世界で唯一異世界扉がある場所。世界で唯一の異世界扉ということもあり、多くの人で賑わっていた。
「今日から異世界冒険者になるんだなー」
ボソリと呟いたのは黒い癖毛のある喜千という少女であった。洋服はグレーのスウェットに黒い短いデニム。まるで冒険者になるようには見えない。そっと喜千が泉樹に目をやると、
「行かないのか?」
と泉樹が聞いてきた。
喜千は「行くよ」とニコッとし呟き、2人は窓口に向かった。
「初めまして、私たち今日から異世界冒険者になりたいんですけどカードの発行はここで出来ますか?」
「こんにちは、ここで合ってますよ。異世界カードの発行をいたしますので名前・生年月日をこちらの紙にご記入ください。」
窓口で受付をしているお姉さんがそういい、2人に紙とペンを渡した。紙には名前・生年月日・注意事項など様々なことが書かれていた。喜千と泉樹は言われた通りに名前と生年月日を書き、お姉さんに渡すとお姉さんは紙を見て名前と生年月日を唱え確認した。
「間違いがないことが確認できましたので異世界カードを発行いたします。異世界カード2枚発行ですのでお会計は2万円となります。」
2人はそれぞれ1万円をお姉さんに渡した。
「ありがとうございます。ではカード作成まで少々お待ちください。」
とお姉さんが言い、カードを作成しお姉さんがトレーに2枚のカードを乗せて戻ってきた。
「お待たせいたしました。こちら異世界カードが発行出来ましたのでお渡しいたします。ついでに説明もいたしますね。」
とニコッと笑い2人にカードを渡し説明を始めた。
「こちらのカードは見ての通り、名前・誕生日・年齢・分類・有効期限が書かれています。年齢は登録した生年月日を元に日付が変わるのと同時に刻印魔法にて勝手に書き換えられますので更新する必要はございません。こちらのカードは異世界に入る度に必要となりますので紛失しないようお気をつけください。このカードスキャナーに通すことで行ったことのある異世界や業績など全て見ることが出来ます。こちらのスキャナーは所々にありますのでご自由にお使いください。以上がカードの説明となります。何か質問はありますか?」
「大丈夫です」
喜千がそういうとお姉さんは、
「異世界扉使用料として月額5千円もしくは年額5万円かかるのですがどういたしますか?」
とお姉さんが言う。続けて、
「5万円高額なんですが、1年間ご使用されるのであればこちらの方が1万円お得でして決まっていないのであれば月額をおすすめしております。」
と、お姉さんが丁寧に言ってくれた。
「私は1年は冒険するつもりでいるし、年額で払おうかなー。泉樹はどうする?」
「俺も1年でいい。」
と喜千と泉樹はそれぞれ5万円を出した。するとお姉さんはお札とカードを預かり、有効期限を更新して2人に返した。
「こちらでいつでも異世界扉のご使用が可能です。長時間お待ちいただきありがとうございました。では良い旅を!」
と笑って手を振って見送ってくれた。喜千もそれに笑顔で手を振り返し、異世界ターミナルへ繋がるゲートへ進むのであった。
異世界ターミナル。ここには様々な世界に繋がるゲートがたくさんあり、ゲートだけではなくお店や宿泊施設、マンションなど様々なものがある場所である。
「1階にゲートがあって、2階にお店、3階に宿泊施設とか色々あるんだ。2階に洋服見に行かない?」
と喜千が満面の笑みで泉樹に言うと、泉樹が呆れたような顔をした。それに喜千はムスッとし、
「スウェットで冒険なんて嫌じゃん!私は冒険者として着たい洋服決まってるし、なんならすぐ終わるから」
と嫌そうな泉樹の手を引っ張りエスカレーターで2階に上がった。
「これだよこれこれ」
とニコニコで泉樹の前でクルクルした。黒い革ジャンに胸には晒を巻き、黒く短いデニムに黒いミドルブーツ、また腰には刀を身につけていた。喜千は気分が良さそうだ。泉樹は黒いズボンに白いシャツ、ブーツを身につけていた。あと大きなリュック。喜千のスウェットや食べ物諸々入っているのであろう。
「それよりも喜千、最初に行く世界は決まってるのか?」
泉樹がそう聞くと喜千は
「うーん、決まってないけど世界には番号がつけられてるし2番の世界から行くかな。それじゃあそろそろ行こうか」
と微笑みながら言った。
ここから喜千と泉樹の異世界冒険物語は始まった。
ここは、この世界で唯一異世界扉がある場所。世界で唯一の異世界扉ということもあり、多くの人で賑わっていた。
「今日から異世界冒険者になるんだなー」
ボソリと呟いたのは黒い癖毛のある喜千という少女であった。洋服はグレーのスウェットに黒い短いデニム。まるで冒険者になるようには見えない。そっと喜千が泉樹に目をやると、
「行かないのか?」
と泉樹が聞いてきた。
喜千は「行くよ」とニコッとし呟き、2人は窓口に向かった。
「初めまして、私たち今日から異世界冒険者になりたいんですけどカードの発行はここで出来ますか?」
「こんにちは、ここで合ってますよ。異世界カードの発行をいたしますので名前・生年月日をこちらの紙にご記入ください。」
窓口で受付をしているお姉さんがそういい、2人に紙とペンを渡した。紙には名前・生年月日・注意事項など様々なことが書かれていた。喜千と泉樹は言われた通りに名前と生年月日を書き、お姉さんに渡すとお姉さんは紙を見て名前と生年月日を唱え確認した。
「間違いがないことが確認できましたので異世界カードを発行いたします。異世界カード2枚発行ですのでお会計は2万円となります。」
2人はそれぞれ1万円をお姉さんに渡した。
「ありがとうございます。ではカード作成まで少々お待ちください。」
とお姉さんが言い、カードを作成しお姉さんがトレーに2枚のカードを乗せて戻ってきた。
「お待たせいたしました。こちら異世界カードが発行出来ましたのでお渡しいたします。ついでに説明もいたしますね。」
とニコッと笑い2人にカードを渡し説明を始めた。
「こちらのカードは見ての通り、名前・誕生日・年齢・分類・有効期限が書かれています。年齢は登録した生年月日を元に日付が変わるのと同時に刻印魔法にて勝手に書き換えられますので更新する必要はございません。こちらのカードは異世界に入る度に必要となりますので紛失しないようお気をつけください。このカードスキャナーに通すことで行ったことのある異世界や業績など全て見ることが出来ます。こちらのスキャナーは所々にありますのでご自由にお使いください。以上がカードの説明となります。何か質問はありますか?」
「大丈夫です」
喜千がそういうとお姉さんは、
「異世界扉使用料として月額5千円もしくは年額5万円かかるのですがどういたしますか?」
とお姉さんが言う。続けて、
「5万円高額なんですが、1年間ご使用されるのであればこちらの方が1万円お得でして決まっていないのであれば月額をおすすめしております。」
と、お姉さんが丁寧に言ってくれた。
「私は1年は冒険するつもりでいるし、年額で払おうかなー。泉樹はどうする?」
「俺も1年でいい。」
と喜千と泉樹はそれぞれ5万円を出した。するとお姉さんはお札とカードを預かり、有効期限を更新して2人に返した。
「こちらでいつでも異世界扉のご使用が可能です。長時間お待ちいただきありがとうございました。では良い旅を!」
と笑って手を振って見送ってくれた。喜千もそれに笑顔で手を振り返し、異世界ターミナルへ繋がるゲートへ進むのであった。
異世界ターミナル。ここには様々な世界に繋がるゲートがたくさんあり、ゲートだけではなくお店や宿泊施設、マンションなど様々なものがある場所である。
「1階にゲートがあって、2階にお店、3階に宿泊施設とか色々あるんだ。2階に洋服見に行かない?」
と喜千が満面の笑みで泉樹に言うと、泉樹が呆れたような顔をした。それに喜千はムスッとし、
「スウェットで冒険なんて嫌じゃん!私は冒険者として着たい洋服決まってるし、なんならすぐ終わるから」
と嫌そうな泉樹の手を引っ張りエスカレーターで2階に上がった。
「これだよこれこれ」
とニコニコで泉樹の前でクルクルした。黒い革ジャンに胸には晒を巻き、黒く短いデニムに黒いミドルブーツ、また腰には刀を身につけていた。喜千は気分が良さそうだ。泉樹は黒いズボンに白いシャツ、ブーツを身につけていた。あと大きなリュック。喜千のスウェットや食べ物諸々入っているのであろう。
「それよりも喜千、最初に行く世界は決まってるのか?」
泉樹がそう聞くと喜千は
「うーん、決まってないけど世界には番号がつけられてるし2番の世界から行くかな。それじゃあそろそろ行こうか」
と微笑みながら言った。
ここから喜千と泉樹の異世界冒険物語は始まった。
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