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間もなく落とされる火蓋
蠢く悪意
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「何かこの身なり、オレって感じしませんね」
ベリルは慣れない服装に戸惑いを抱かずにはいられなかった。
ベリルはさっきまで着ていた服から、イロウが用意した服を身に纏うことになったのだ。
「重要な戦いだからな、それなりの準備は必要だ」
イロウは静かに言った。
服を仕立てたのはイロウの妻であるオリビアである。オリビアは服作りが得意でなおかつ
着る相手のことを考えて作られている。
ベリルを含む三人の黒天使は、天使が通う学校を出て、迎えの黒天使に案内され、ガリアが作った闘技場の控え室にいる。
ベリルの準備もそうだが、ガリアの話だと他にもやることがあるらしく、準備が整うまでもう少し時間が欲しいそうだ。
「どうだ? 動きに問題はないか」
イロウに聞かれ、ベリルは試しに動いてみた。
動きやすく、さっき着ていた普段着よりも身軽に感じる。
「全然大丈夫です。オリビア様いい服作りますね」
「なら良い、その服は呪文の耐性にも優れてるから、上級呪文を受けてもダメージを軽減してくれる」
「そりゃ凄いですね」
ベリルは言った。オリビアにも様をつけるのは、オリビアにはお茶やお菓子を頂いていることもあるが、イロウの奥さんだからということもある。
作戦が始まる前にオリビアに体のサイズを計ってもらったのは、この時のためである。
「似合ってるぞ」
「ああ、サンキューな」
グシオンに誉められ、ベリルは礼を述べた。
グシオンは天使に対し態度は大きいが、ベリルなど気を許した相手には口調が柔らかい。
「ふふっ、ラフィアさんとお茶が飲めるなんて夢みたいですぅ」
コンソーラはラフィア人形を両腕で抱き締めて、うっとりした顔で言った。
コンソーラが休日に作っているラフィア人形である。
「オマエ、ラフィアの人形持ってきたのかよ、本人に会えたっていうのに」
「だってラフィアさんと離れて寂しいんですもの、ああ、ラフィアさんのためにどんなマフィン焼こうか考えちゃいますぅ」
コンソーラは複雑な表情になった。
ラフィアを含む天使一行は隣の控え室にいる。会おうと思えばすぐに会える。しかし今はラフィアにも準備があると考え、三人といるのだ。
ラフィアが恩人なのは理解できるが、少々想いが行きすぎているとベリルは感じている。
「ベリル」
「何ですか」
イロウに声をかけられ、ベリルは砕けた言い方を改めた。
「くれぐれも油断するなよ、ラフィアああ見えて強い力を秘めているからな」
イロウの忠告にはベリルも同意せざる得なかった。
イロウの弟サレオスと彼の友人であるワゾンを退けた際にラフィアが放った呪文は、ベリルも強いと思った。
「……正直言ってやりにくいですよ、あんな小さな女の子と戦うのは」
ベリルはやりきれない気分になった。
ベリルは幾人と天使と戦闘を交えてきたが、ラフィアのように小さな少女と戦うのは今回が初めてである。
コンソーラの恩人ということもあり、余計に気が進まない。
ベリルは天使の前だと威勢の良い言葉を口走るが、イロウの前だとつい弱気な部分が出てしまう。
「お前にきつい役割を与えるのは、俺としても申し訳ないと思っている。しかしお前にしかできないことだからな」
「分かってますよ」
ベリルは憂鬱そうに口走った。イロウも重い役目をベリルに任せるのは心底嫌なのは伝わってくる。
グシオンがベリルに近づいてきて、声をかけてきた。
「何だったら俺がやろうか」
「気持ちは嬉しいけど、これは俺にしかできねぇことだからな、それにオマエ体弱ぇから長時間の戦闘なんて無理だろ」
ベリルは言った。
グシオンはベリルの心境を考えて言ってくれたのだろうが、グシオンが虚弱体質なのを知っているので、長い時間の戦いはできない。
ベリルはグシオンの気持ちに感謝しつつ、これから起きる戦闘への覚悟を決めるのであった。
黒天使に呼ばれ、ラフィアは大勢の顔見知りの天使に囲まれて控え室を出て廊下を移動していた。
歩いている順番はメルキ、カーシヴ、ロウェル、リエト、ナルジス、ユラ、そしてリンの前をラフィアが歩いていた。
リンとユラの両親であるロウェルとリエトはイロウの計らいで控え室に来たのだ。ただしリエトは色々とあって控え室の外で待つことにはなったが。
黒天使に呼び出されるまで控え室ではロウェルが話の中心となった。
ロウェルは兄弟とが無事だったことを喜ぶのと同時に、ガリアから事情は聞いているようで、ラフィアが戦うことになるのは危険だからやめて欲しいとラフィアに懇願してきたた。
ラフィアは己の気持ちは伝えた。ロウェルに心配してくれるのは嬉しいし、こんな事になったのは申し訳ないと。
メルキも助け船を出してくれたお陰で、事は収まった。
他の皆も黙ってはいたが、ラフィアが危険な戦いをするのはロウェル同様に賛成はできないのは顔から伝わってはきたが……
「ラフィ、大丈夫?」
後ろにいるリンが声をかけてきた。
「ちょっと怖いけど、平気だよ」
ラフィアは明るく答えた。本心はとても怖くて仕方ないが、あえて言わなかった。
ラフィアの後ろを守りたいと申し出てくれたリンに心配をかけたくなかった。
『ラフィアさん、今良いかな』
あまり聞き慣れない声がラフィアの脳内に突如響き渡る。
ラフィアは声の主が誰なのかを、少ししてから理解した。リンとユラの父親であるリエトだ。
ラフィアは生唾を飲み込んでからリエトに聞き返した。
『な……何ですか?』
『今回の件でリンとユラを危険に巻き込んだのは君にも責任はある。分かるよね』
リエトの言葉はとても重かった。親として子を守りたい。そんな気持ちが感じ取れる。
『はい、リン君とユラ君を巻き込んですみませんでした』
ラフィアは心を込めてリエトに謝った。
ラフィアは記憶を失ってから、リエトが苦手だった。態度が兄弟とは違い、厳しくラフィアを寄せ付けない雰囲気だからだ。
ロウェルがリエトを控え室に入れなかったのも、ラフィアの気持ちを配慮してのことだ。
だが断片的に記憶を昔の記憶を思い出した今なら分かった。ラフィアが犯罪者かつ親戚のアレガニと繋がりがあるため、ラフィアのことを良く思っていないのだと、ようやく理解する。
『それで良い、もし二人に何かあってからでは遅いからね』
『ええ……』
ラフィアは沈んだ声で返した。
リエトもラフィアの謝罪を受けて気が済んだらしく、それ以上話さなかった。
リエトには悪いと思いつつ、ラフィアの体からは緊張が少し解れた。
闘技場に入る扉が見えた時だった。重苦しい沈黙をリンが破った。
「みんな、ちょっと良いかな」
リンが躊躇いがちに言った。その声に天使達は足を止める。
「どうした?」
ナルジスが振り向いてリンに訊ねる。
「急で悪いんだけど、用事ができたから、僕はラフィの戦いを見られない」
突然のことに、ラフィアは戸惑った。ラフィアだけでなく両親は困った様子になる。
「用事って何かな、とても重要なこと?」
「はい、歩いている時に、ある天使からテレパシーを受けたんです。僕一人で来るようにって」
メルキの問いかけに、リンは答える。
「相手は誰かな」
「すみません、それは言えないです」
「名前は明かすなって言われてるんだね」
「……はい」
リンは少し黙った後に言った。ロウェルがリンに近寄ってきた。
「行っては駄目よ、貴方に何かあったらどうするの?」
ロウェルが心配そうな声で口走る。嫌な予感がしたのだろう。
「先生としても、リン君のお母さんと同意見だよ、名前は人に明かすなとか、一人で来いなんてろくでもない用事だろうね、断ることはできないかな」
「できません、断ったら僕が大切にしている人をラフィとベリルが戦っている間に殺すって言ってるんです」
殺すという過激な言葉に、聞いていたロウェルとメルキが表情を曇らせる。
「随分物騒だな、けど何でこのタイミングなんだよ」
ユラは言った。
「分からない、要件だけ伝えた感じだからな」
「テレパシーを飛ばしたってことはリン君と面識のある天使だよね」
ラフィアが話に入った。テレパシーは顔と名前が分からないと飛ばせない仕組みだからだ。
「ああ……」
「おい、話はまだか」
リンが言った直後に、案内人の男黒天使が苛ついた口調になった。
突然足止めされて気が立っているのだ。
「すみません、少し待って下さい」
カーシヴが男黒天使に謝罪した。
「早くしろよ、イロウ様は時間に厳しいからな」
「……まさかだと思うが、悪戯ってことは無いよな」
「いや、真剣な喋り方からしてそれは無いよ」
ナルジスの疑問に、リンは真面目な目で答える。
「わたしとしても行くのは反対だよ、こ……殺すなんて単なる脅しかもしれないし」
ラフィアは言いづらそうに喋った。
『脅しじゃないわ本気よ、私はやるわ』
聞き覚えのある声がラフィアの頭にこだました。
今は不登校となっているカンナの声だった。
ベリルは慣れない服装に戸惑いを抱かずにはいられなかった。
ベリルはさっきまで着ていた服から、イロウが用意した服を身に纏うことになったのだ。
「重要な戦いだからな、それなりの準備は必要だ」
イロウは静かに言った。
服を仕立てたのはイロウの妻であるオリビアである。オリビアは服作りが得意でなおかつ
着る相手のことを考えて作られている。
ベリルを含む三人の黒天使は、天使が通う学校を出て、迎えの黒天使に案内され、ガリアが作った闘技場の控え室にいる。
ベリルの準備もそうだが、ガリアの話だと他にもやることがあるらしく、準備が整うまでもう少し時間が欲しいそうだ。
「どうだ? 動きに問題はないか」
イロウに聞かれ、ベリルは試しに動いてみた。
動きやすく、さっき着ていた普段着よりも身軽に感じる。
「全然大丈夫です。オリビア様いい服作りますね」
「なら良い、その服は呪文の耐性にも優れてるから、上級呪文を受けてもダメージを軽減してくれる」
「そりゃ凄いですね」
ベリルは言った。オリビアにも様をつけるのは、オリビアにはお茶やお菓子を頂いていることもあるが、イロウの奥さんだからということもある。
作戦が始まる前にオリビアに体のサイズを計ってもらったのは、この時のためである。
「似合ってるぞ」
「ああ、サンキューな」
グシオンに誉められ、ベリルは礼を述べた。
グシオンは天使に対し態度は大きいが、ベリルなど気を許した相手には口調が柔らかい。
「ふふっ、ラフィアさんとお茶が飲めるなんて夢みたいですぅ」
コンソーラはラフィア人形を両腕で抱き締めて、うっとりした顔で言った。
コンソーラが休日に作っているラフィア人形である。
「オマエ、ラフィアの人形持ってきたのかよ、本人に会えたっていうのに」
「だってラフィアさんと離れて寂しいんですもの、ああ、ラフィアさんのためにどんなマフィン焼こうか考えちゃいますぅ」
コンソーラは複雑な表情になった。
ラフィアを含む天使一行は隣の控え室にいる。会おうと思えばすぐに会える。しかし今はラフィアにも準備があると考え、三人といるのだ。
ラフィアが恩人なのは理解できるが、少々想いが行きすぎているとベリルは感じている。
「ベリル」
「何ですか」
イロウに声をかけられ、ベリルは砕けた言い方を改めた。
「くれぐれも油断するなよ、ラフィアああ見えて強い力を秘めているからな」
イロウの忠告にはベリルも同意せざる得なかった。
イロウの弟サレオスと彼の友人であるワゾンを退けた際にラフィアが放った呪文は、ベリルも強いと思った。
「……正直言ってやりにくいですよ、あんな小さな女の子と戦うのは」
ベリルはやりきれない気分になった。
ベリルは幾人と天使と戦闘を交えてきたが、ラフィアのように小さな少女と戦うのは今回が初めてである。
コンソーラの恩人ということもあり、余計に気が進まない。
ベリルは天使の前だと威勢の良い言葉を口走るが、イロウの前だとつい弱気な部分が出てしまう。
「お前にきつい役割を与えるのは、俺としても申し訳ないと思っている。しかしお前にしかできないことだからな」
「分かってますよ」
ベリルは憂鬱そうに口走った。イロウも重い役目をベリルに任せるのは心底嫌なのは伝わってくる。
グシオンがベリルに近づいてきて、声をかけてきた。
「何だったら俺がやろうか」
「気持ちは嬉しいけど、これは俺にしかできねぇことだからな、それにオマエ体弱ぇから長時間の戦闘なんて無理だろ」
ベリルは言った。
グシオンはベリルの心境を考えて言ってくれたのだろうが、グシオンが虚弱体質なのを知っているので、長い時間の戦いはできない。
ベリルはグシオンの気持ちに感謝しつつ、これから起きる戦闘への覚悟を決めるのであった。
黒天使に呼ばれ、ラフィアは大勢の顔見知りの天使に囲まれて控え室を出て廊下を移動していた。
歩いている順番はメルキ、カーシヴ、ロウェル、リエト、ナルジス、ユラ、そしてリンの前をラフィアが歩いていた。
リンとユラの両親であるロウェルとリエトはイロウの計らいで控え室に来たのだ。ただしリエトは色々とあって控え室の外で待つことにはなったが。
黒天使に呼び出されるまで控え室ではロウェルが話の中心となった。
ロウェルは兄弟とが無事だったことを喜ぶのと同時に、ガリアから事情は聞いているようで、ラフィアが戦うことになるのは危険だからやめて欲しいとラフィアに懇願してきたた。
ラフィアは己の気持ちは伝えた。ロウェルに心配してくれるのは嬉しいし、こんな事になったのは申し訳ないと。
メルキも助け船を出してくれたお陰で、事は収まった。
他の皆も黙ってはいたが、ラフィアが危険な戦いをするのはロウェル同様に賛成はできないのは顔から伝わってはきたが……
「ラフィ、大丈夫?」
後ろにいるリンが声をかけてきた。
「ちょっと怖いけど、平気だよ」
ラフィアは明るく答えた。本心はとても怖くて仕方ないが、あえて言わなかった。
ラフィアの後ろを守りたいと申し出てくれたリンに心配をかけたくなかった。
『ラフィアさん、今良いかな』
あまり聞き慣れない声がラフィアの脳内に突如響き渡る。
ラフィアは声の主が誰なのかを、少ししてから理解した。リンとユラの父親であるリエトだ。
ラフィアは生唾を飲み込んでからリエトに聞き返した。
『な……何ですか?』
『今回の件でリンとユラを危険に巻き込んだのは君にも責任はある。分かるよね』
リエトの言葉はとても重かった。親として子を守りたい。そんな気持ちが感じ取れる。
『はい、リン君とユラ君を巻き込んですみませんでした』
ラフィアは心を込めてリエトに謝った。
ラフィアは記憶を失ってから、リエトが苦手だった。態度が兄弟とは違い、厳しくラフィアを寄せ付けない雰囲気だからだ。
ロウェルがリエトを控え室に入れなかったのも、ラフィアの気持ちを配慮してのことだ。
だが断片的に記憶を昔の記憶を思い出した今なら分かった。ラフィアが犯罪者かつ親戚のアレガニと繋がりがあるため、ラフィアのことを良く思っていないのだと、ようやく理解する。
『それで良い、もし二人に何かあってからでは遅いからね』
『ええ……』
ラフィアは沈んだ声で返した。
リエトもラフィアの謝罪を受けて気が済んだらしく、それ以上話さなかった。
リエトには悪いと思いつつ、ラフィアの体からは緊張が少し解れた。
闘技場に入る扉が見えた時だった。重苦しい沈黙をリンが破った。
「みんな、ちょっと良いかな」
リンが躊躇いがちに言った。その声に天使達は足を止める。
「どうした?」
ナルジスが振り向いてリンに訊ねる。
「急で悪いんだけど、用事ができたから、僕はラフィの戦いを見られない」
突然のことに、ラフィアは戸惑った。ラフィアだけでなく両親は困った様子になる。
「用事って何かな、とても重要なこと?」
「はい、歩いている時に、ある天使からテレパシーを受けたんです。僕一人で来るようにって」
メルキの問いかけに、リンは答える。
「相手は誰かな」
「すみません、それは言えないです」
「名前は明かすなって言われてるんだね」
「……はい」
リンは少し黙った後に言った。ロウェルがリンに近寄ってきた。
「行っては駄目よ、貴方に何かあったらどうするの?」
ロウェルが心配そうな声で口走る。嫌な予感がしたのだろう。
「先生としても、リン君のお母さんと同意見だよ、名前は人に明かすなとか、一人で来いなんてろくでもない用事だろうね、断ることはできないかな」
「できません、断ったら僕が大切にしている人をラフィとベリルが戦っている間に殺すって言ってるんです」
殺すという過激な言葉に、聞いていたロウェルとメルキが表情を曇らせる。
「随分物騒だな、けど何でこのタイミングなんだよ」
ユラは言った。
「分からない、要件だけ伝えた感じだからな」
「テレパシーを飛ばしたってことはリン君と面識のある天使だよね」
ラフィアが話に入った。テレパシーは顔と名前が分からないと飛ばせない仕組みだからだ。
「ああ……」
「おい、話はまだか」
リンが言った直後に、案内人の男黒天使が苛ついた口調になった。
突然足止めされて気が立っているのだ。
「すみません、少し待って下さい」
カーシヴが男黒天使に謝罪した。
「早くしろよ、イロウ様は時間に厳しいからな」
「……まさかだと思うが、悪戯ってことは無いよな」
「いや、真剣な喋り方からしてそれは無いよ」
ナルジスの疑問に、リンは真面目な目で答える。
「わたしとしても行くのは反対だよ、こ……殺すなんて単なる脅しかもしれないし」
ラフィアは言いづらそうに喋った。
『脅しじゃないわ本気よ、私はやるわ』
聞き覚えのある声がラフィアの頭にこだました。
今は不登校となっているカンナの声だった。
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