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間もなく落とされる火蓋
闘技場
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天界からは程遠く、漆黒に包まれた空間で一人の少女は薄っすらと笑みを浮かべていた。
「……遂に始まるのね」
少女は歌うような声で囁く。
「楽しみね、貴方の力がどれほどのものか」
大勢の天使の視線が注がれる中、ラフィアは単身で闘技場をゆっくりと歩いていた。漆黒にいる少女からも期待されていることをラフィアは知らない。
背中にはリン達が、前には黒天使のベリルとイロウが見ている。
リエトを除けば、リン達は終始ラフィアのことを気にかけていた。戦いは怪我や命と隣り合わせの危険なことである。
しかしメルキもカンナを足止めするために残ってくれたので、メルキの想いを無駄にはできなかった。廊下に銃声が響いた時はメルキの戦いも始まったのだと分かったからだ。
ラフィアは真剣な顔つきだった。緊張で胸が高鳴るのも感じた。
「遅かったじゃねぇか」
ベリルの口調には熱がこもっている。興奮しているのだ。
「こっちも色々あったから」
ラフィアは少し考えて言葉を返した。
「……天使同士のいざこざが原因か」
イロウは平静な声で口走る。同胞のテレパシーで情報を仕入れたのだろう。
「うん、遅れたことは謝るよ」
「びびって逃げちまったかと思ったぜ」
「逃げたりなんかしないよ」
ラフィアはむっとなった。
「コンソーラさんとグシオンは?」
二人の黒天使がいないことが、ラフィアは気になった。
「アイツらなら向こうだぜ」
ベリルが親指を差した方向に視線を向けると、二人は確かにいた。
グシオンの右側に座っていたコンソーラがラフィアと目が合うと、嬉しそうな顔になり、立ち上がる。
「ラフィアさーん、頑張って下さいねぇ」
コンソーラは明るい声でラフィアに声援を送る。
静けさに包まれた闘技場で、コンソーラの声は響き渡る。
ラフィアは苦笑いを浮かべ、コンソーラに手を振った。コンソーラが本当にラフィアのことを想っているというのを感じた。
「アイツもグシオンも見る側だ。オレが勝つかオマエが勝つか見届けるためのな」
ベリルは得意気な顔で言った。ラフィアはイロウと話をするため、視線を変える。
「よく大勢の天使を集めたね」
ラフィアは闘技場にいる天使達を見て感心した。
「そこは俺の部下が天使の内通者に頼んだ。お前が戦うには相応しいだろ」
「……かもね」
ラフィアはイロウの言い分に納得した。敵対している黒天使が天使に呼び掛けても応えてくれないだろう。
イロウは口を閉じ、少しして再び口を開く。
「天使どもに告ぐ、今からお前達には二人の闘いを見届けてもらう、黒天使が強いか、それともお前達の同胞が強いか」
イロウの声色には重みを感じた。イロウの言葉が終われば闘いは始まる。ラフィアの口の中は緊張のためカラカラに渇く。
闘い方も伝えられた。教室で聞いた内容をそのまま言う形となったが、リン達を除く闘技場に集められた天使達には理解できたはずだ。
目の前にいるベリルは余裕がありそうな顔だが、きっと場数をこなしているからだ。ラフィアは闘いは今回が初めてなので、不安しかない。
……が、ラフィアの気持ちに水を差す事態が起きた。
「そんな話、はいそうですかって言って飲み込める訳ないじゃない!」
イロウの話が終わった直後に、聞き覚えのある少女の声が響き渡る。
視線を向けると、遠くからでも分かる金髪の前髪を束ねた少女が立っていた。
「マルグリット……ちゃん」
マルグリットは自席を立ち、羽根を広げて観客席の一番前に降り立つ。
他の天使が動いている中で、彼女は一際目立った。
そして右腕を掲げ、呪文を詠唱すると、炎の玉が飛んだ。しかし炎の玉は見えない壁に飲み込まれてしまった。
次にマルグリットは右手を握り締め、観客席を叩く仕草をする。
動きに反応する形で透明な波紋ができた。
「……呪文や物理攻撃が向こうにいかないのは本当みたいね」
マルグリットは囁いた。
「何か仕掛けがあるの?」
「ガリアが張ってるバリアだ。あらゆる攻撃を吸収する。観客席と闘技場からの双方の安全確保と天使達の反乱を防ぐためだ」
ラフィアが疑問を口にして、イロウが答える。
「何だよオマエ、いきなり割って入ってくんなよ」
ベリルがマルグリットに食ってかかるように言った。もうすぐ闘えると思った矢先の突然の介入に腹が立つのだ。
マルグリットはベリルの声で気を取り直す。
「黙んなさい! 緑の毛むくじゃら! アタシはアンタみたいな野蛮そうな男がラフィの側にいるだけで虫酸が走んのよ!
そっちに攻撃を飛ばせるなら、アンタの頭を焼ききってやるんだから!」
マルグリットは初対面のベリルを思い切り罵倒した。ラフィアはマルグリットがどういう性格かを見ていて改めて思い知る。
マルグリットは度胸があり異性に厳しく、今のように初めて会う異性にも容赦がない。
そのため一部の男子からは敬遠されている。
「んだと!」
ベリルはマルグリットの発言に頭に来たのか右手を強く握り言い返した。
「はっきり言うけど、天界に黒天使は必要ないわ、忌まわしいからすぐに出ていってよ」
マルグリットは圧のかかった声を発した。
「そうだ! お前達黒天使は出ていけ!」
男の天使が立ち上がり、啖呵を切った。マルグリットの行いと言動に背中を押されたのだろう。
「ここは天使が住む世界だ。黒天使がいて良い場所じゃない!」
「そんな小さな女の子に戦わせるなんて最低よ! 今すぐやめるべきだわ!」
「治安部隊の奴等は何してんだ! 早く黒天使を何とかしろってんだ!」
黙っていた天使達が一斉に抗議した。
中には後輩のブル、ミスチ、ショコラといった見知った顔があった。ラフィアの心境は自分のために言ってくれることは嬉しくもあり、こんな事に巻き込んで申し訳ないという気持ちで一杯になる。
「みんなやめて!」
ラフィアはたまらず叫ぶ。その声に天使達は黙った。
「黒天使に歯向かうことはしないで、わたしは平気だから」
ラフィアは真剣な口調で語る。ラフィアの話に天使達は耳を傾ける。
ラフィアはマルグリットの方に顔を向けた。
「マルグリットちゃん、わたしのことを思って言ってくれて有難う」
ラフィアは心の底から思っていることを口にする。
しかしマルグリットは納得してない顔だった。
「何言ってるのよ、アンタ死ぬかもしれないのよ! 放っておける訳ないじゃない!」
マルグリットはきつい声で口走る。
「こんな透明な壁無ければ今すぐそっちに行けるのに!」
そう言ってマルグリットは両手を動かしてガリアが作った結界を何度も叩く。
マルグリットの顔は必死だった。ラフィアの心は酷く痛んだ。戦いたくない気持ちが沸き上がるのを感じざる得なかった。
マルグリットの行動を見かねて、ナルジスが横から現れ、マルグリットの両手を優しく掴む。
「マルーよすんだ」
ナルジスはマルグリットを宥めた。マルーとはマルグリットの愛称だ。
「止めないで! 友達が危ないのに見てみぬふりなんて出来ないわよ!」
「ナルジス君、マルグリットちゃんをお願い」
ラフィアはナルジスに言った。ナルジスにならマルグリットを任せられるからだ。
「分かった。マルー行こう」
「ちょっと! アタシは納得できないわよ!」
ナルジスはマルグリットをお姫様抱っこしてその場から飛び去った。
「へえ、銀髪にオンナがいんのか、意外だな」
ベリルは冷やかすような口振りだった。
「そうだよ」
ラフィアは口を挟む。
二人の仲の良さを知ってるので、ベリルの言い方が癪に触った。
「騒ぎは落ち着いたようだな」
イロウは静かに語った。マルグリットがいなくなってから騒ぎは沈静化した。
「……始めよう、天使と黒天使の闘いを」
「やっと始まるか、腕が鳴るな」
ベリルは喜びを隠せない様子だった。ラフィアが杖を握る手にも力が入る。
「やろうぜ、オマエの力がどれだけのものか見てぇしな」
ベリルはラフィアを見据えて言った。
ラフィアは生唾を飲み込んだ。自分には神級の力が備わっていると聞く、サレオスとワゾンを退けた時も想像以上の力が出た。ベリルは戦闘慣れしていて手強い相手だ。ラフィア自身もできる限り力を出した方が良いだろう。
「良いよ、やろうよ」
「そう来なくっちゃな! 全力で来い!」
ベリルは興奮のために赤く輝いた。
闘技場での戦いの火蓋はこうして切られたのだった。
「……遂に始まるのね」
少女は歌うような声で囁く。
「楽しみね、貴方の力がどれほどのものか」
大勢の天使の視線が注がれる中、ラフィアは単身で闘技場をゆっくりと歩いていた。漆黒にいる少女からも期待されていることをラフィアは知らない。
背中にはリン達が、前には黒天使のベリルとイロウが見ている。
リエトを除けば、リン達は終始ラフィアのことを気にかけていた。戦いは怪我や命と隣り合わせの危険なことである。
しかしメルキもカンナを足止めするために残ってくれたので、メルキの想いを無駄にはできなかった。廊下に銃声が響いた時はメルキの戦いも始まったのだと分かったからだ。
ラフィアは真剣な顔つきだった。緊張で胸が高鳴るのも感じた。
「遅かったじゃねぇか」
ベリルの口調には熱がこもっている。興奮しているのだ。
「こっちも色々あったから」
ラフィアは少し考えて言葉を返した。
「……天使同士のいざこざが原因か」
イロウは平静な声で口走る。同胞のテレパシーで情報を仕入れたのだろう。
「うん、遅れたことは謝るよ」
「びびって逃げちまったかと思ったぜ」
「逃げたりなんかしないよ」
ラフィアはむっとなった。
「コンソーラさんとグシオンは?」
二人の黒天使がいないことが、ラフィアは気になった。
「アイツらなら向こうだぜ」
ベリルが親指を差した方向に視線を向けると、二人は確かにいた。
グシオンの右側に座っていたコンソーラがラフィアと目が合うと、嬉しそうな顔になり、立ち上がる。
「ラフィアさーん、頑張って下さいねぇ」
コンソーラは明るい声でラフィアに声援を送る。
静けさに包まれた闘技場で、コンソーラの声は響き渡る。
ラフィアは苦笑いを浮かべ、コンソーラに手を振った。コンソーラが本当にラフィアのことを想っているというのを感じた。
「アイツもグシオンも見る側だ。オレが勝つかオマエが勝つか見届けるためのな」
ベリルは得意気な顔で言った。ラフィアはイロウと話をするため、視線を変える。
「よく大勢の天使を集めたね」
ラフィアは闘技場にいる天使達を見て感心した。
「そこは俺の部下が天使の内通者に頼んだ。お前が戦うには相応しいだろ」
「……かもね」
ラフィアはイロウの言い分に納得した。敵対している黒天使が天使に呼び掛けても応えてくれないだろう。
イロウは口を閉じ、少しして再び口を開く。
「天使どもに告ぐ、今からお前達には二人の闘いを見届けてもらう、黒天使が強いか、それともお前達の同胞が強いか」
イロウの声色には重みを感じた。イロウの言葉が終われば闘いは始まる。ラフィアの口の中は緊張のためカラカラに渇く。
闘い方も伝えられた。教室で聞いた内容をそのまま言う形となったが、リン達を除く闘技場に集められた天使達には理解できたはずだ。
目の前にいるベリルは余裕がありそうな顔だが、きっと場数をこなしているからだ。ラフィアは闘いは今回が初めてなので、不安しかない。
……が、ラフィアの気持ちに水を差す事態が起きた。
「そんな話、はいそうですかって言って飲み込める訳ないじゃない!」
イロウの話が終わった直後に、聞き覚えのある少女の声が響き渡る。
視線を向けると、遠くからでも分かる金髪の前髪を束ねた少女が立っていた。
「マルグリット……ちゃん」
マルグリットは自席を立ち、羽根を広げて観客席の一番前に降り立つ。
他の天使が動いている中で、彼女は一際目立った。
そして右腕を掲げ、呪文を詠唱すると、炎の玉が飛んだ。しかし炎の玉は見えない壁に飲み込まれてしまった。
次にマルグリットは右手を握り締め、観客席を叩く仕草をする。
動きに反応する形で透明な波紋ができた。
「……呪文や物理攻撃が向こうにいかないのは本当みたいね」
マルグリットは囁いた。
「何か仕掛けがあるの?」
「ガリアが張ってるバリアだ。あらゆる攻撃を吸収する。観客席と闘技場からの双方の安全確保と天使達の反乱を防ぐためだ」
ラフィアが疑問を口にして、イロウが答える。
「何だよオマエ、いきなり割って入ってくんなよ」
ベリルがマルグリットに食ってかかるように言った。もうすぐ闘えると思った矢先の突然の介入に腹が立つのだ。
マルグリットはベリルの声で気を取り直す。
「黙んなさい! 緑の毛むくじゃら! アタシはアンタみたいな野蛮そうな男がラフィの側にいるだけで虫酸が走んのよ!
そっちに攻撃を飛ばせるなら、アンタの頭を焼ききってやるんだから!」
マルグリットは初対面のベリルを思い切り罵倒した。ラフィアはマルグリットがどういう性格かを見ていて改めて思い知る。
マルグリットは度胸があり異性に厳しく、今のように初めて会う異性にも容赦がない。
そのため一部の男子からは敬遠されている。
「んだと!」
ベリルはマルグリットの発言に頭に来たのか右手を強く握り言い返した。
「はっきり言うけど、天界に黒天使は必要ないわ、忌まわしいからすぐに出ていってよ」
マルグリットは圧のかかった声を発した。
「そうだ! お前達黒天使は出ていけ!」
男の天使が立ち上がり、啖呵を切った。マルグリットの行いと言動に背中を押されたのだろう。
「ここは天使が住む世界だ。黒天使がいて良い場所じゃない!」
「そんな小さな女の子に戦わせるなんて最低よ! 今すぐやめるべきだわ!」
「治安部隊の奴等は何してんだ! 早く黒天使を何とかしろってんだ!」
黙っていた天使達が一斉に抗議した。
中には後輩のブル、ミスチ、ショコラといった見知った顔があった。ラフィアの心境は自分のために言ってくれることは嬉しくもあり、こんな事に巻き込んで申し訳ないという気持ちで一杯になる。
「みんなやめて!」
ラフィアはたまらず叫ぶ。その声に天使達は黙った。
「黒天使に歯向かうことはしないで、わたしは平気だから」
ラフィアは真剣な口調で語る。ラフィアの話に天使達は耳を傾ける。
ラフィアはマルグリットの方に顔を向けた。
「マルグリットちゃん、わたしのことを思って言ってくれて有難う」
ラフィアは心の底から思っていることを口にする。
しかしマルグリットは納得してない顔だった。
「何言ってるのよ、アンタ死ぬかもしれないのよ! 放っておける訳ないじゃない!」
マルグリットはきつい声で口走る。
「こんな透明な壁無ければ今すぐそっちに行けるのに!」
そう言ってマルグリットは両手を動かしてガリアが作った結界を何度も叩く。
マルグリットの顔は必死だった。ラフィアの心は酷く痛んだ。戦いたくない気持ちが沸き上がるのを感じざる得なかった。
マルグリットの行動を見かねて、ナルジスが横から現れ、マルグリットの両手を優しく掴む。
「マルーよすんだ」
ナルジスはマルグリットを宥めた。マルーとはマルグリットの愛称だ。
「止めないで! 友達が危ないのに見てみぬふりなんて出来ないわよ!」
「ナルジス君、マルグリットちゃんをお願い」
ラフィアはナルジスに言った。ナルジスにならマルグリットを任せられるからだ。
「分かった。マルー行こう」
「ちょっと! アタシは納得できないわよ!」
ナルジスはマルグリットをお姫様抱っこしてその場から飛び去った。
「へえ、銀髪にオンナがいんのか、意外だな」
ベリルは冷やかすような口振りだった。
「そうだよ」
ラフィアは口を挟む。
二人の仲の良さを知ってるので、ベリルの言い方が癪に触った。
「騒ぎは落ち着いたようだな」
イロウは静かに語った。マルグリットがいなくなってから騒ぎは沈静化した。
「……始めよう、天使と黒天使の闘いを」
「やっと始まるか、腕が鳴るな」
ベリルは喜びを隠せない様子だった。ラフィアが杖を握る手にも力が入る。
「やろうぜ、オマエの力がどれだけのものか見てぇしな」
ベリルはラフィアを見据えて言った。
ラフィアは生唾を飲み込んだ。自分には神級の力が備わっていると聞く、サレオスとワゾンを退けた時も想像以上の力が出た。ベリルは戦闘慣れしていて手強い相手だ。ラフィア自身もできる限り力を出した方が良いだろう。
「良いよ、やろうよ」
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