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被虐趣味の王子殿下?
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見覚えのある馬車を視野に入れて、唖然とした。もう関わり合いになることはないと思っていたのに。
「おい小娘、来てやったぞ!」
いやいやいやいや。
「お帰りください。」
「何だと?」
「お詫びはきちんといただきました。これ以上は分相応かと。」
もう何もいただくわけにはいかない。怪我の手当てのハンカチのお礼だって出来ていないのに。毅然とした態度を貫かなければ。
「今度は違う!」
「はい?」
「お前に会いに来たのだ。」
「は?」
まさか私が気に入ったとか、言わないよね?さすがにねえ。そんなこと言ったらとんだ被虐趣、
「お前のことが気に入った。」
言いおった。ああ、ただでさえ残念なのに被虐趣味とは。どれだけ属性を盛れば満足するのだろう。このポンコツ王子は。
「何だその顔は?もっと喜べ。」
「いや、元からこの造りです。」
「前回で学んだからな。今日は暇なんだろう?付き合え!」
「暇じゃありません。」
「いや、今日は休みだと聞いた。」
「…ちなみにどなたから?」
確かに今日は非番だけれども。この前連れて行っていただいたレストランの味を再現するという任務がある。断じて暇ではない。しかし、何でシフトを知っている?そこはかとなく嫌な予感がする。
「親父だ!」
どどんと効果音が付いた気がした。口から出たインパクトには勝てるわけがない。確かにエルさんなら知ってるだろうけども…!あの人常連客なのだから。
「王子殿下って公務とか書類仕事で忙しいイメージなのですが。どんなお仕事されているのですか?」
遠回しに暇なのかと聞いてみた。
「お前、俺に興味があるのか!」
ドヤ顔がうるさい。目をキラキラさせてくれるな。どうやら遠回しでは伝わらないようなので。
「暇人なのですか?」
「そんなわけあるか!今日だって、土木工事事業の拡大の会議のための」
「あ、そこまでで大丈夫です。興味ないので。」
さすがに素っ気なすぎたか。気を悪くしたかもしれないと彼を見ると、苦笑いを浮かべていた。
「お前その態度も不敬だからな?」
(おや?)
結局、両親の一声で馬車に乗り込むことになった。
そんなことが何度か続くと困ってしまう。あのおぼっちゃまはなにを考えているのだろう?
まあきっと自分に媚びてこない毛色の珍しい猫を手懐けようとしているだけだ。
きっと何も意味はない。
「おい小娘、来てやったぞ!」
いやいやいやいや。
「お帰りください。」
「何だと?」
「お詫びはきちんといただきました。これ以上は分相応かと。」
もう何もいただくわけにはいかない。怪我の手当てのハンカチのお礼だって出来ていないのに。毅然とした態度を貫かなければ。
「今度は違う!」
「はい?」
「お前に会いに来たのだ。」
「は?」
まさか私が気に入ったとか、言わないよね?さすがにねえ。そんなこと言ったらとんだ被虐趣、
「お前のことが気に入った。」
言いおった。ああ、ただでさえ残念なのに被虐趣味とは。どれだけ属性を盛れば満足するのだろう。このポンコツ王子は。
「何だその顔は?もっと喜べ。」
「いや、元からこの造りです。」
「前回で学んだからな。今日は暇なんだろう?付き合え!」
「暇じゃありません。」
「いや、今日は休みだと聞いた。」
「…ちなみにどなたから?」
確かに今日は非番だけれども。この前連れて行っていただいたレストランの味を再現するという任務がある。断じて暇ではない。しかし、何でシフトを知っている?そこはかとなく嫌な予感がする。
「親父だ!」
どどんと効果音が付いた気がした。口から出たインパクトには勝てるわけがない。確かにエルさんなら知ってるだろうけども…!あの人常連客なのだから。
「王子殿下って公務とか書類仕事で忙しいイメージなのですが。どんなお仕事されているのですか?」
遠回しに暇なのかと聞いてみた。
「お前、俺に興味があるのか!」
ドヤ顔がうるさい。目をキラキラさせてくれるな。どうやら遠回しでは伝わらないようなので。
「暇人なのですか?」
「そんなわけあるか!今日だって、土木工事事業の拡大の会議のための」
「あ、そこまでで大丈夫です。興味ないので。」
さすがに素っ気なすぎたか。気を悪くしたかもしれないと彼を見ると、苦笑いを浮かべていた。
「お前その態度も不敬だからな?」
(おや?)
結局、両親の一声で馬車に乗り込むことになった。
そんなことが何度か続くと困ってしまう。あのおぼっちゃまはなにを考えているのだろう?
まあきっと自分に媚びてこない毛色の珍しい猫を手懐けようとしているだけだ。
きっと何も意味はない。
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