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男たちが瞠目する。
「それがアルフか――」
「おそらく」
ノーマンが頷いて肯定した。
「そのゾーイ様の祖父母が昔治めていた土地へ行ってみました。領民の老人たちに訊いたところ、そもそも夫妻は素朴な人柄で、家の借金も天候不良で作物が取れず領民が飢えた時、相場より高い値段で他から買い領民に与え、翌年の税金も免除したりしたことが原因のようです。そのため没落後経営していた植物園も利益こそほとんどなかったそうですが、孫のゾーイ様とアルフレッド少年に対して、平等に愛情を注ぎお育てになっていたそうです」
ノーマンが続ける。
「夫妻は難しい植物の栽培も成功させ、マルフォニアなど他の地域からも職人が勉強に来ていたとのことでした」
「ガードン夫妻――いや、もっと前だからバジルの母親とその両親だな」
「だが、どうしてその後二人は我が国に来たのだ?」
ノーマンの表情に陰りが見えた。
「今から二十三年前、元男爵がチャティー夫妻を殺害した上に火を放つという事件を起こしました。子供たちや使用人は無事でしたが、植物園と彼らが暮らしていた住居は焼失しています」
「え……?!」
「祖父母の遺体は発見されましたが、結局男爵は見つからず、失踪したとも亡くなったとも言われていますが、詳細は分かっておりません。事件ですが、元貴族同士とはいえすでにその当時の肩書きは平民です。口止めもあり、あまり大きな騒ぎにはなりませんでした」
かなり重い話だ。ノーマンが料理屋で話さなかった理由が理解できる。
「男爵はなぜ殺しを?」
「恨み、でしょうか」
「かもしれない。だが、推測するには材料が足らない」
ギルバートが頭の中で計算し、確かめるように言った。
「当時アルフが十五歳と言ったな。ゾーイは……八歳か」
「ええ。アルフはすぐにカシャの夫婦の養子になっています。その後、チャティー夫妻の所にいた時に知り合ったカーラさんを頼ってガードン植物園に来たということでしょうか」
オルドが言う。
「その様ですね」
「殿下、ゾーイ様がマルフォニアにいらっしゃった理由はご存知でしょうか」
ジェームズが尋ねたが、ギルバートは否定した。
「俺も王宮で言われている、王妃が呼んだらしいという話しかしらない」
「その噂が本当だとしたら、王妃はやはりゾーイ様の母、男爵夫人とご関係があるのでしょうか」
「でもそうだとすると、少し時間が開きますよね。その間はどちらにいらっしゃったのか……」
「それにもう一人、リュートとの繋がりが見えてこない。彼はアルフとはいつ知り合ったんだ? 養子になった時には、すでに関係があったはずだが」
「そちらの接点は分かりませんが……バジルの話ですと、アルフは王宮庭園管理に積極的に行くとのことでしたよね。やはり、ゾーイ様が目的――元々お知り合いなら密会もしやすいでしょうから」
「そもそもガードン植物園に来たのも王宮の仕事があることを知っていたからなのか、教えたのはリュートという可能性は?」
「有り得るな」
だんだんと明らかになっていく繋がりに頷きながら思考している男たちをノーマンが見回した。それに気付いた彼らは沈黙し、話を待つ。
「もうひとつ――お伝えしなければならない事があります」
「何だ?」
「没落した男爵についてです。夫人が亡くなり財産没収されるまでは相当に裕福だったのですが……どうやら貴国マルフォニアのある人物と手を組み、違法な方法で財を築いておりました」
三人の男たちの脳裏に浮かんだ人物は同じ――シャーディル前侯爵、セドリック・リュートの父でマシューの祖父だ。
だがノーマンの口から出た名は、意外な人物のものだった。
「ペイナンド前公爵でいらっしゃいます」
「え…………?!」
思ってもみない名前に、男たちは言葉を失う。
「まさか……前公爵はもう亡くなっているが、ペイナンド公爵家は我が王族とも繋がりがある。ノーマン、誰からその話を?」
「男爵家で財政管理と侍女をしていた老夫婦からでございます」
「違法な方法というのは具体的に何だ?」
「禁止されている違法な薬の売買のようです。それと他にもありそうな様子だったのですが、口を閉ざされ話してはもらえませんでした」
「薬ということは――縞草にも通ずるのか?」
「それは今のところ不明です。ただ、言い難いですが……公爵は今回の資源の価格の上昇にも絡んでいる可能性があります」
「ペイナンド家は確かに莫大な財をお持ちですが、領地からの収入も豊富ですし特別おかしくはございません。違法行為をする理由がないのでは?」
ジェームズの発言にギルバートも同意した。
「そうだ。その二人が本当のことを言っているという信ぴょう性は高いのか? 夫婦なら口裏を合わせることも容易だろう」
ノーマンは真剣な顔をして二人の疑問に答えた。
「はい、裏付け調査は必要です。また、話を聞いていて感じたことになりますが、彼らは何かに怯えている……隠しているように思いました。そのことについても調べたいと考えております。私の勘ですが、その何かが、男爵家断絶の原因ではないかと」
ギルバートが唸り、考えるような仕草をする。
「ペイナンド公爵家も関わっているとなると……問題は複雑だ。まだ全て推測に過ぎない。証拠が必要だが、相手に露見しないよう動くには相当な注意が必要になる」
男たちが「はい」と同意の声を上げる。
オルドが何か思い付いたかのようにギルバートに言った。
「殿下、少しよろしいでしょうか」
「何だ」
「私の家に公爵家で今月末催される夜会の招待状が来ております。欠席の返事を出そうと思っておりましたが……公爵の様子を見るために出席してもかまいませんか?」
「お前がわざわざ俺に尋ねるということは、何かするつもりか」
「ライアン他数人をサイフォーク家親族として連れて行く許可を伺いたく存じます」
「それはいいが、目立つ行動は許さないぞ」
「ありがとうございます、殿下」
その後はギルバートを中心に今後の調査の手筈を確認し合った。
ノーマンは明日朝一でダリスヘ戻り、ギルバートから預かった国王陛下への手紙を渡す予定になっているため話し合いが終わると、オルドと共にサイフォーク家の屋敷に戻り、眠りについた。
「それがアルフか――」
「おそらく」
ノーマンが頷いて肯定した。
「そのゾーイ様の祖父母が昔治めていた土地へ行ってみました。領民の老人たちに訊いたところ、そもそも夫妻は素朴な人柄で、家の借金も天候不良で作物が取れず領民が飢えた時、相場より高い値段で他から買い領民に与え、翌年の税金も免除したりしたことが原因のようです。そのため没落後経営していた植物園も利益こそほとんどなかったそうですが、孫のゾーイ様とアルフレッド少年に対して、平等に愛情を注ぎお育てになっていたそうです」
ノーマンが続ける。
「夫妻は難しい植物の栽培も成功させ、マルフォニアなど他の地域からも職人が勉強に来ていたとのことでした」
「ガードン夫妻――いや、もっと前だからバジルの母親とその両親だな」
「だが、どうしてその後二人は我が国に来たのだ?」
ノーマンの表情に陰りが見えた。
「今から二十三年前、元男爵がチャティー夫妻を殺害した上に火を放つという事件を起こしました。子供たちや使用人は無事でしたが、植物園と彼らが暮らしていた住居は焼失しています」
「え……?!」
「祖父母の遺体は発見されましたが、結局男爵は見つからず、失踪したとも亡くなったとも言われていますが、詳細は分かっておりません。事件ですが、元貴族同士とはいえすでにその当時の肩書きは平民です。口止めもあり、あまり大きな騒ぎにはなりませんでした」
かなり重い話だ。ノーマンが料理屋で話さなかった理由が理解できる。
「男爵はなぜ殺しを?」
「恨み、でしょうか」
「かもしれない。だが、推測するには材料が足らない」
ギルバートが頭の中で計算し、確かめるように言った。
「当時アルフが十五歳と言ったな。ゾーイは……八歳か」
「ええ。アルフはすぐにカシャの夫婦の養子になっています。その後、チャティー夫妻の所にいた時に知り合ったカーラさんを頼ってガードン植物園に来たということでしょうか」
オルドが言う。
「その様ですね」
「殿下、ゾーイ様がマルフォニアにいらっしゃった理由はご存知でしょうか」
ジェームズが尋ねたが、ギルバートは否定した。
「俺も王宮で言われている、王妃が呼んだらしいという話しかしらない」
「その噂が本当だとしたら、王妃はやはりゾーイ様の母、男爵夫人とご関係があるのでしょうか」
「でもそうだとすると、少し時間が開きますよね。その間はどちらにいらっしゃったのか……」
「それにもう一人、リュートとの繋がりが見えてこない。彼はアルフとはいつ知り合ったんだ? 養子になった時には、すでに関係があったはずだが」
「そちらの接点は分かりませんが……バジルの話ですと、アルフは王宮庭園管理に積極的に行くとのことでしたよね。やはり、ゾーイ様が目的――元々お知り合いなら密会もしやすいでしょうから」
「そもそもガードン植物園に来たのも王宮の仕事があることを知っていたからなのか、教えたのはリュートという可能性は?」
「有り得るな」
だんだんと明らかになっていく繋がりに頷きながら思考している男たちをノーマンが見回した。それに気付いた彼らは沈黙し、話を待つ。
「もうひとつ――お伝えしなければならない事があります」
「何だ?」
「没落した男爵についてです。夫人が亡くなり財産没収されるまでは相当に裕福だったのですが……どうやら貴国マルフォニアのある人物と手を組み、違法な方法で財を築いておりました」
三人の男たちの脳裏に浮かんだ人物は同じ――シャーディル前侯爵、セドリック・リュートの父でマシューの祖父だ。
だがノーマンの口から出た名は、意外な人物のものだった。
「ペイナンド前公爵でいらっしゃいます」
「え…………?!」
思ってもみない名前に、男たちは言葉を失う。
「まさか……前公爵はもう亡くなっているが、ペイナンド公爵家は我が王族とも繋がりがある。ノーマン、誰からその話を?」
「男爵家で財政管理と侍女をしていた老夫婦からでございます」
「違法な方法というのは具体的に何だ?」
「禁止されている違法な薬の売買のようです。それと他にもありそうな様子だったのですが、口を閉ざされ話してはもらえませんでした」
「薬ということは――縞草にも通ずるのか?」
「それは今のところ不明です。ただ、言い難いですが……公爵は今回の資源の価格の上昇にも絡んでいる可能性があります」
「ペイナンド家は確かに莫大な財をお持ちですが、領地からの収入も豊富ですし特別おかしくはございません。違法行為をする理由がないのでは?」
ジェームズの発言にギルバートも同意した。
「そうだ。その二人が本当のことを言っているという信ぴょう性は高いのか? 夫婦なら口裏を合わせることも容易だろう」
ノーマンは真剣な顔をして二人の疑問に答えた。
「はい、裏付け調査は必要です。また、話を聞いていて感じたことになりますが、彼らは何かに怯えている……隠しているように思いました。そのことについても調べたいと考えております。私の勘ですが、その何かが、男爵家断絶の原因ではないかと」
ギルバートが唸り、考えるような仕草をする。
「ペイナンド公爵家も関わっているとなると……問題は複雑だ。まだ全て推測に過ぎない。証拠が必要だが、相手に露見しないよう動くには相当な注意が必要になる」
男たちが「はい」と同意の声を上げる。
オルドが何か思い付いたかのようにギルバートに言った。
「殿下、少しよろしいでしょうか」
「何だ」
「私の家に公爵家で今月末催される夜会の招待状が来ております。欠席の返事を出そうと思っておりましたが……公爵の様子を見るために出席してもかまいませんか?」
「お前がわざわざ俺に尋ねるということは、何かするつもりか」
「ライアン他数人をサイフォーク家親族として連れて行く許可を伺いたく存じます」
「それはいいが、目立つ行動は許さないぞ」
「ありがとうございます、殿下」
その後はギルバートを中心に今後の調査の手筈を確認し合った。
ノーマンは明日朝一でダリスヘ戻り、ギルバートから預かった国王陛下への手紙を渡す予定になっているため話し合いが終わると、オルドと共にサイフォーク家の屋敷に戻り、眠りについた。
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