転生悪役令嬢の考察。

saito

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3,転生悪役令嬢の記録。

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「え?このノートは何か、ですか?

また古いものを見つけてきましたね。
これは、私が5歳で前世の記憶を思い出してから付けてきた攻略ノートですよ。

読めないのは当然です。
日本語で書いてありますから。

何が書いてあるかというと、この世界の設定とか、攻略キャラの対策とか、ストーリーのイベントや分岐についてですね。
前に話したとおり、この世界は私が前世でプレイしていたゲームにそっくりなんですよ。

ええ、だから、ゲームの内容を忘れないうちに思い出せるだけ記していたのです。
懐かしいですね。
あの頃はまだ私も、一般的な転生悪役令嬢のようにシナリオを変えるべく努力していました。

攻略キャラですか?
ゲームをプレイした結果主人公が恋人に出来る物語の登場人物のことです。

え?いや、あなたはいませんでしたよ。
ゲーム内で起きるのは私が魔法学園に入ってからの出来事なので、あなたは今目指してる士官学校に入ったから出て来なかったんじゃないですか?
他校キャラ枠で士官学校の生徒はいましたが、王立騎士団長の長男ですよ。

ええ、この間お茶会にいた彼です。

そんなにショックを受けるところですか?

いやいや、私が騎士団長Jr.を好きなわけではなくて。

彼が話に出て来るのは、シナリオで決まっているんです。
それに主人公の相手であって、私の相手じゃないです。
厳密に言うと前世の私は物語の主人公を操作して彼らを攻略していましたが、
今の悪役令嬢としての私は精々バッドエンドの時に王子の婚約者として勝ち誇るくらいしか出来ませんよ。

何を変な顔をしているんですか?

え?そうですよ。
私は多分来年の春あたり、学園に入学するタイミングで、第一王子と婚約します。
前に言ったじゃないですか。

本気にしてなかった?

創作でしょ?ですって?
そりゃ確かに、大抵の悪役令嬢ものは創作ですし、私すらも、物語の中に入り込んだと思っている物語の人物、ということがなくはないとは思いますが。

いやいや、私は別に第一王子が好きなわけでもないですよ。

というか今は別に私が誰を好きかという話、してないですよね?

でしょう?
まさかあなたに全て私の妄想と思われてたなんて、正直少しショックです。
客観的に見れば荒唐無稽な話ですから、仕方がないことだとは思いますが。
……でも私、どんな時でもあなたにだけは嘘をつきませんよ。

え?信じる?
本当ですか?今までかけらも信じてなかったのに?

ふふふ。冗談ですよ。
その顔で勘弁してあげます。

私も思った以上にショックだったんで、これでおあいこですね。
あなたが信じてくれて何より嬉しいです。

あら?顔が赤いですよ。
ひょっとして泣きそうですか?

違う?
つまり、まだ平気なんですね。
それならもう一つ良いですか?

このノート、私の部屋のキャビネットに隠しておいたのに、どうしてあなたが持っているんですか?

あら?今度は青くなりましたね。
電飾みたい。,

いえ、こちらの話です。
気にしないで下さい。
あなたは、なぜ婦女子の部屋を無断で漁ってはいけないかマナー講師にぎっちぎちに教わる、という仕事に集中して下さいね。」
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