転生悪役令嬢の考察。

saito

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4,転生悪役令嬢の抵抗。

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「わあ。
ちょっと、勝手に部屋に入って来ないでくださいと何度言ったらわかるんですか。

て無視かい。
そうですよ。おっしゃる通り私は第一王子と婚約しました。

だから、前に言ったじゃないですか。
この時期に婚約するって。
やっぱり信じてなかったんですね。

したくてしたわけ無いじゃないですか。
あなた、訓練の時以外は四六時中人にまとわりついておいて、よくそんなこと言えますね。
私が一度でもお父様やお母様に王子と婚約したいだなんてお願いしてるところを見ましたか?

みんなが、私が無理を言って婚約したんだって言ってる?
ああ、またですか。
それはなんというか、そうなるみたいです。

あなた、私がこの年頃まで、ろくに同年代の女友達もできず、義弟とばかり連んでるのを変に思ったことはありませんか?

あ、ないんですね。
じゃあ、私が傲慢で我儘な底意地の悪い女として名を馳せているのは?

知らなかったんですね。
前々から思っていましたがあなた、ひょっとして聞きたいことしか入って来ない都合の良い耳を持ってますね?

私だってなんでそんなことになってるのかわかりませんよ。
あなたから見て、私って意地悪ですか?

たまに?
まあ……否定はしません。

でも、わたしはあなたに対しては可愛いからついからかってしまうだけで、他のは人には普通に接してるつもりですよ。

だから、普通にしてるのに気付いたら悪評が轟いているんです。

それは多分、物語の強制力じゃないかと思っています。
私が遊んでいたゲームに出て来る悪役令嬢そのままのイメージが、何もしていないのに私に付いているので。

そんなことがありえるのか、も何も、実際これまでずっとそうだったんですよ。
最初は、あなたが来る少し前に出たお茶会でした。
ゲームでは、悪役令嬢が第一王子を見初めたのがそのお茶会で、それからしつこく付きまとうようになったという裏設定があります。
だから、私はお茶会で徹底的に王子を避けました。
最初の挨拶くらいしかしていません。
でも、しばらくしてゲームの裏設定と同じ噂が流れ始めました。
その頃から、性格に問題があるという評判も出ましたね。

あ、やっぱりあなたも聞いているんじゃないですか。
来る前に、このうちにはとんでもない娘がいるって警告されたんですね。
それ多分、私のことですよ。

事実じゃなかったから忘れてた?
ありがとうございます。
そう思ってもらえるだけで、私にとって、実は凄く嬉しいことなので。

私だって、最初は必死に運命を変えようと思いました。
だって、果敢に運命に抗うことって、転生悪役令嬢の醍醐味みたいなとこありますので。

いえ、こちらの話です。
でも、どんどん悪評が広まって周りに敬遠されるようになり、どんなに昔読んだ小説を真似て行いを変えててみても状況が覆ることはありませんでした。
孤独な戦いがこんなに辛いものだとは思わなかった。

ありがとうございます。
実際、あなたが来てからは大分ましになりました。
あなたに会うまでは自分が転生悪役令嬢である事実からすら目を背けてましたね。
だって、このまま話が進めば私は大抵死にますから。
最近やっと、このまま死ぬのも仕方ないかなと受け入れられ始めましたよ。

いえ、どうにもならないと思います。
去年の私の社交会デビュー、覚えていますか?
あなたがひたすら私を誘ってダンスをして、会話は全てカットインして、「社交会(社交するとは言っていない。)」状態だったのに、終わってみれば私は我儘でずっと王子と踊り続けた厚かましい女になってますからね。

本当ですよ。
誰かに聞いてみたらわかります。

ご理解いただけましたか?
私のゴリ押しで王子と婚約したことになっても、この世界では何も不思議じゃないんですよ。」
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