黒白英雄戦記

1章白の英雄誕生

20

「鋼の肉体の前にはどんな物理攻撃は効かない…。さて、更なる絶望をくれてやろう。鋼鉄化。」と奴の体が黒く染まった。
どうする、ヘブンズライトで存在ごと斬るか…。だが、気を溜める時間はもらえないだろう。
「存在ごと消すあの技を使うか？そんな時間はやらんがな、これが…。」
「なら、拳で圧倒する、モードガントレット！」
「いいね、その気迫！それでこそ闘いだ、これがな…。」
「ストームインパクト！」
奴を吹き飛ばしたが、ダメージはほとんど与えられなかったようだった。
「いいね、お前！いいぜ、これこそ闘いだ！」と接近し、拳の乱打をガントレットで受け続けていた。
「ガード、緩んでるぜ！くらいな！」
拳が雄牙のボディに入り、その場に膝をついた。
「もうへばったのか？こんなもんじゃないだろう、銀髪の兄ちゃん！」と顔面に蹴りを入れた。
「レガシー、モードタンク！」と鋼の鎧と盾と剣を装備していた。
「まだやれる、いいぜ、こっちからいくぜ！」と拳を振るうが、雄牙は盾でそれを受けきり、剣で奴の体を後ろへと弾いた。
「防御は強くなったようだが、攻撃が通らなければ意味ないぜ、兄ちゃんよ！」と再び突撃を仕掛けた。
「なら、鋼を貫く一撃で終わりにしてやる！」と奴の拳を盾で受けとけたところに剣で奴の体を撃ち抜いた。
「ライトスマッシュ…。」
「そこまでやるか…。俺に悪魔の力を使わせる奴がいたとは面白い…。来い、ガイル！」
どこからともなく、小さな悪魔が現れた。
「お呼びですか？」
「リンクだ！」
「わかりました。」と言ったあと、手を合わせると悪魔はハガの体に吸い込まれた。
「これで傷は修復した…。さぁ、第２ラウンドといこうか。」
奴は突撃し、盾ごと雄牙を吹っ飛ばした。
「なんて威力だ、盾ごと持っていくなんて化け物か、あいつは…。」
「雄牙、変われ。悪魔が相手なら俺が…。」
「わかった…。」雄牙の人格がゼロへと変わり、髪が黒く染まり、鎧や武器が消えた。
「変わった、あいつが例の悪魔破壊の青年だったわけか…。奴の実力、試させてもらおう。」と突撃を仕掛けようとするとゼロの蹴りがボディに炸裂し、吹っ飛ばした。
「速い、そして、パワーも凄い。お前こそ好敵手、ならリミット解除！」と言うと体から黒いオーラが発生し、電気が周りに放電され始めた。
「トールハンマー！」と振り上げた拳を地面に打ち付けると電撃がゼロに向けて放たれたが、裁きの鎌を呼び出し、独りでに回転させ、防いだ。
「サイレント…。」と唱えるとハガの周りに溜まっていた電気が突然消えた。
「馬鹿な、魔法ではない自然現象も停めるのか、ありえない。だが、俺には闇の力と鋼鉄の肉体がある。それさえあれば！」
「ダークスプラッシュ！」と奴の両腕を破裂させた。
「修復しない…。何故だ！お前、なんなんだ？」
「闇そのものを破裂させた、再生はできない…。俺は裁きを下す者、ゼロ…。お前の罪を裁く、静かなる裁き、サイレントキル…。」とゼロが鎌を持ち、ハガの肉体を真っ二つに切り裂いた。