黒白英雄戦記

2章偽りの平和

７

「セイントレイ！」と光が悪魔もどきを一気に殲滅した。
「ルイ！また、お前が俺の邪魔をするのか！」
「ネイル…。悪魔に魂を売ったのか？」
「その通りだよ、リリスは俺の才能を買ってくれた。家族は俺が消した。貴様を消せば、俺を脅かす存在はいなくなる…。消えろ！」
魔法を放ち、ルイを襲った。
「やめろ！」とルイも魔法で応戦し始めた。
「やめるわけがないだろ。こんな力を使わない手はないだろう。」
「ふざけるな！家族まで手にかけるなんて…。」
「お前もその一人にしてやるよ！アブラカタブラ！」
「セイントレイ！」と二人の魔法がぶつかりあい、消滅した。
「まだ力がなじまなないか…。」
「僕の魔法が負けた…。」
「死ね…。」
「テレポート！」
ルイは雄牙の前に飛んだ。
「ルイ、大丈夫か？」
「はい…。悪魔一人から逃げるので手一杯でした…。」
「こっちも劣勢だ…。一度退こう…。」
「させないわよ、雄牙！パージ！」と光が雄牙の身体を包み、その場に倒れた。
「雄牙さん！」
「ストップ！」
リリスは時を止め、雄牙を抱えた。
「帰るわよ、目的は達した。」
「了解…。命拾いしたな、ルイ！」
二人は姿を消した。
「いない、退いてくれたのか…。雄牙さん！」
「大丈夫だ…。」
「どこですか？」
「見えないのか…。」
「可視化の呪文を…。見えた。」
「肉体をとられてしまったみたいだ…。」
「そんな…。どうしましょう？」
「僕はレガシーの中に魂をはりつける、そこから指示を出す。まずはこの町を出よう。」
「わかりました…。テレポートで山を越えます。」
「駄目、今は少しでも力を高めながら進むべきだ。歩いていくよ。」
「はい…。」
「町の外まではテレポートで良いよ…。」
「テレポート。」



「リリス、戻ったか…。」
「はい、コウタの肉体です。」
「では、器に魂を入れよう。任せたぞ、人間。」
「承知した。」
「ロゼ、いつまで彼を野放しにしておくつもり、もうそろそろ裏切るわよ、彼。」
「わかってる、役目が終われば器にするさ…。」
「雄牙の側にいた彼、どうする？」
「放っておけ、悪魔化した人間に勝てなかったのだろ？」
「ええ…。ただ、彼は…。何でもない…。」
「何か心配があるのなら、消せば良い。」
「わかりました…。ハガはまだ雄牙の追跡をしているのですか？」
「ああ…。完全に魂が消えるまで追っているはずだよ。」
「では、奴を差し向けても？」
「許可する…。」