黒白英雄戦記

優希ヒロ

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2章偽りの平和

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「雄牙さん、もうそろそろカナンの町です。そこではもしかしたら、トラブルになるかもしれません。」
「そうか…。なるべく静かにいこう。」
「理由を聞かないのですか?」
「聞いても仕方ないだろう。今さら、どうすることはできないだろう。向こうについてから考えれば良い。」
「はい…。」
二人はカナンの町に入っていった。
町に入るとルイを見た住人が石を投げつけた。
「何をしに来た、悪魔!帰れ!」もう一度石を投げつけたが、その石を雄牙がキャッチした。
「何故、邪魔をする?」
「彼が悪魔?何故、悪魔と決めつける?」
「こいつはエリート一家の魔導師を倒した。そんなことができるのは悪魔だからだ!」
「そうかい…。そんな歪んだ見方しかできないのか、哀れな…。」
「哀れだと!ふざけるな!」と懐からナイフを出し、襲ってきたがルイがナイフを魔法で弾いた。
「魔法を使ったな、ルイ!みんな、やれ!」と住民達が家から飛び出し、ルイに向けて魔法の杖を構えた。
「雄牙さん、僕がやります…。」
「…。」
「サイレント!」
「やれ!」と住民に指示を出したが、住民は魔法を使えなかった。
「悪魔め!」とルイを罵りながら、家に入ってしまった。
「すみません…。」
「大丈夫か?この仕打ちは酷いな…。」
「ええ…。行きましょう、たぶん悪魔が現れるなら、エリート一家、ルナ家のところでしょうから…。」
「わかった!」
二人は町の奥に見える屋敷に向かって歩き始めた。
「ルイ、君は一体何をしたんだ?」
「はい、僕はルナ家の末っ子と魔法の腕を競う大会で圧倒的な力で倒してしまっただけです。」
「そうか、力を持つ人間は慕われるか虐げられるかのどちらかだ…。だから、気にするな…。」
「はい…。」
屋敷の前に着くと、爆発が起きた。
「えっ!」
「先を越されてたか…。」
「また会ったわね、雄牙、ルイ…。」
「リリス、目的は何だ?」
「目的?わかってるでしょ、悪魔による世界の支配よ。」
「そんなことさせると思うのか、シホの肉体は返してもらう!」
「できるかしら、あなたに。」
「やってやるさ!ルイ、屋敷の中を見てこい。」
「はい!」
ルイは屋敷の中に入っていくと黒いオーラに纏われたルナ家の一員が人間ではない何かに変わり始めていた。
「これは何なんだ?」
ルイを襲い始めたため、ルイも応戦し始めた。
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