黒白英雄戦記

優希ヒロ

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2章偽りの平和

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「リリス、お前ルイを捕らえるつもりだな?」
「よくわかったわね、ロゼ。」
「やつを悪魔にするつもりか、やめておけ。光属性が強いのだろ、やつは?」
「ええ、彼は雄牙と違い、闇に堕ちる要素が多い。心を闇に染めれば、光属性と闇属性の二つの力を持ったものがうまれる。そうすれば、悪魔王すらも倒せる。」
「やめろ、悪魔王を倒せば、悪魔界が滅ぶ。奴を屈服させる程度で良い。俺たちの真の敵は別にいるのだから。」
「そうだったね、行ってくる。」


「誰?」と頂上にあった小屋から一人の桃色の髪の少女が出てきて話し掛けてきた。
「ルイです…。下の町からやって来ました。」
「私はエル、ここの番人をしています。あなたは何のためにここに?」
「僕は悪魔を倒すために…。」
「そう…。中に入って休んで、疲れたでしょ?」
「ありがとうございます。」
(この子、強い光を感じるけど、闇も感じる。今にも心が壊れそう、一人だったのね。)
「一人で悪魔と戦ってるの?」
「二人だったけど、僕のせいで悪魔の手に堕ちた。」
「辛かったね、もう戦わなくても良いんじゃない?」
「それは…。」
「できない?君は何のために戦ってるの?守りたいものがあるの?」
「僕は周りにあるものを守りたい。それだけです…。」
「でも、それは君を傷つけて、孤独にしたのでしょう。その人達を見捨てれば良い…。そうすれば、誰も君を傷つけたりしないわ…。」
「雄牙さんっていう恩人はそんなことしない、その人のためにも戦う。」
「なら、もう何も言わない。悪魔、来たみたい。」
「なぜ、わかるの?」
「魔力の高い人が来れば、わかるのよ。悪魔には悪魔の魔力特有の感覚があるのよ。」
「僕が戦うのでエルはここに。」
「私もいくわ、こうみえて私強いのよ。」
二人は小屋の扉を開け、リリスとユリアが来るのに備えた。
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