10 / 53
エリカ視点その一 美しき薔薇 強き華
しおりを挟む
俺はもうじき10歳になる。地球のほとんどの国や地域、殊に先進国ではまだまだお子ちゃまという年齢であるが、スクエアジャングルの世界では、中人扱いとなる。
大人ではないがまるっきりの子供でもない。大人になるための準備期間がこの中人というやつなのだ。10歳から14歳がこの年齢層にあたる。
俺の家、というよりドラゴンAとプラズマの迅雷、小指のエリカの家で住み込みでメイドをしているお姉さんたちは、この年齢層、つまり中人だ。大人へと向けて格闘技やもっと他のことを学びに来ている。言うまでもなく応募者は多数。父と母がとくに素質や人間性を面接や試験で吟味して、雇い入れている。
本来のアクセルが亡くなり、ハイタッチして俺と入れ替わった時、父と母と一緒に悲しみ、奇跡に歓喜したのが初代のメイドお姉さんとすると、10年間で3人ほど入れ替わっている。今一緒に暮らしているのが4代目。我が家に来る年齢はまちまちであるが、みんな15歳になる少し前に卒業している。
この世界では15歳で成人扱いされる。まだまだ発育途上であるが、成体に近い身体をしている、というのが理由だ。この世界には魔法もないし、水車や風車、船の帆を除けば人を含めて動物以外の動力で動く機械というものがほぼ皆無である。なので人の手でしなければならないことが多々あり、労働力の必要性から15歳で大人扱いされ、働かなければならないのだ。
さて、俺のファーストパーソン、つまり一人称によるストーリー進行はここまで。ここから先はしばらく母、エリカの一人称で進んでいく。
\\\\\\\\\
わたしと夫のギーザー、それにかつてリッチ・ブラックモアと戦ったパーティーのメンバー、有力な剣士や剣闘士たちがブラックモア家の新たな当主レブナントのやっている、人間の身体能力の強化、人格を破壊して意のままに操る、あるいはもっと悪魔めいた実験の証拠を未だ発見できずにいた。
ブラックモア家の人を生きたまま戦闘能力を異常なまでに強化し、彼らの意のままに操る生ける屍強戦士化計画、世界征服の野望、絶対に阻止しなければならないわ!
リッチの時はなんとかl阻止できた。だけど、レブナントは阻止できるのか、少しばかり、ううん大きな不安であり懸念が大きくある。
要因はかつてリッチとその軍団と戦って来た者たちの高齢化よ。女としては認めたくはないんだけど、認めなければならないわね。わたし自身の身体能力、戦闘力の低下と美貌が劣化してきてしまったことを……。
わたしはあと2年ほどで30歳になってしまう。夫はつい半年前に40歳の誕生日を迎えてしまったわ。かつての仲間の平均年齢も30歳は超えているのではないだろうか。
逆に息子のアクセルはもうじき10歳になる。つい昨日までオムツを替えてあげたりオッパイを飲ませてあげていた気がするんだけど、早いものね。中人となると、親元を離れて大人に向けて修行をしなければならないから、少し、寂しくなるわね。
それにしても我が子ながら不思議というか、訝しいところの多い子なのよね。彼が赤ちゃんの時、完全に息も心臓も止まってしまって、お医者さんから死亡の宣告を受けて、わたしも夫もマーガレットも悲嘆し絶望もし、運命の過酷さに怒りもしたけど、いきなり何事もなかったかかのようにあの子が元気に泣き出して、その奇跡的な出来事に神に感謝もしたわ。
そんなある意味超常的なことがあったからか、あの子に違和感を覚えてしまうことが多々あった。あの子がわたしや夫に他人行儀的な遠慮をすることも毎日のようにあって、母親としてすごく悲しくもなってくる。
もちろん、子供らしく甘えてくることもあって、その時はホッとするし、優しくしてあげることも有れば、叱ったりと、普通の母と子を実感できる。やっぱり、この子はわたしとギーザーとの間に生まれた子供なんだなって。
あの子は時々、あるいはいつでも、大人に見えてしまうことがある。ものすごく大人な目線、表情、雰囲気で、まるで何十年も生きてきたみたいに。
夫も同じことを思っているとはっきりと言っているし、歴代のメイドちゃんたちも、やはりあの子から熟練した大人のような落ち着き、雰囲気があると言っていた。
あの子は一度死んでしまった。そして、蘇ってくれた。でも、その時に魂が他の人のものと入れ替わってしまって……。そう考えてしまったこともあるけど、馬鹿げた考え方よね。
あの子は呼吸も心臓も一時的とはいえ、両方とも完全に止まってしまった。その影響で他の子たちと比べて少しおかしなところがあるだけ。
わたしはそう思うことで自分を納得させている。
大人ではないがまるっきりの子供でもない。大人になるための準備期間がこの中人というやつなのだ。10歳から14歳がこの年齢層にあたる。
俺の家、というよりドラゴンAとプラズマの迅雷、小指のエリカの家で住み込みでメイドをしているお姉さんたちは、この年齢層、つまり中人だ。大人へと向けて格闘技やもっと他のことを学びに来ている。言うまでもなく応募者は多数。父と母がとくに素質や人間性を面接や試験で吟味して、雇い入れている。
本来のアクセルが亡くなり、ハイタッチして俺と入れ替わった時、父と母と一緒に悲しみ、奇跡に歓喜したのが初代のメイドお姉さんとすると、10年間で3人ほど入れ替わっている。今一緒に暮らしているのが4代目。我が家に来る年齢はまちまちであるが、みんな15歳になる少し前に卒業している。
この世界では15歳で成人扱いされる。まだまだ発育途上であるが、成体に近い身体をしている、というのが理由だ。この世界には魔法もないし、水車や風車、船の帆を除けば人を含めて動物以外の動力で動く機械というものがほぼ皆無である。なので人の手でしなければならないことが多々あり、労働力の必要性から15歳で大人扱いされ、働かなければならないのだ。
さて、俺のファーストパーソン、つまり一人称によるストーリー進行はここまで。ここから先はしばらく母、エリカの一人称で進んでいく。
\\\\\\\\\
わたしと夫のギーザー、それにかつてリッチ・ブラックモアと戦ったパーティーのメンバー、有力な剣士や剣闘士たちがブラックモア家の新たな当主レブナントのやっている、人間の身体能力の強化、人格を破壊して意のままに操る、あるいはもっと悪魔めいた実験の証拠を未だ発見できずにいた。
ブラックモア家の人を生きたまま戦闘能力を異常なまでに強化し、彼らの意のままに操る生ける屍強戦士化計画、世界征服の野望、絶対に阻止しなければならないわ!
リッチの時はなんとかl阻止できた。だけど、レブナントは阻止できるのか、少しばかり、ううん大きな不安であり懸念が大きくある。
要因はかつてリッチとその軍団と戦って来た者たちの高齢化よ。女としては認めたくはないんだけど、認めなければならないわね。わたし自身の身体能力、戦闘力の低下と美貌が劣化してきてしまったことを……。
わたしはあと2年ほどで30歳になってしまう。夫はつい半年前に40歳の誕生日を迎えてしまったわ。かつての仲間の平均年齢も30歳は超えているのではないだろうか。
逆に息子のアクセルはもうじき10歳になる。つい昨日までオムツを替えてあげたりオッパイを飲ませてあげていた気がするんだけど、早いものね。中人となると、親元を離れて大人に向けて修行をしなければならないから、少し、寂しくなるわね。
それにしても我が子ながら不思議というか、訝しいところの多い子なのよね。彼が赤ちゃんの時、完全に息も心臓も止まってしまって、お医者さんから死亡の宣告を受けて、わたしも夫もマーガレットも悲嘆し絶望もし、運命の過酷さに怒りもしたけど、いきなり何事もなかったかかのようにあの子が元気に泣き出して、その奇跡的な出来事に神に感謝もしたわ。
そんなある意味超常的なことがあったからか、あの子に違和感を覚えてしまうことが多々あった。あの子がわたしや夫に他人行儀的な遠慮をすることも毎日のようにあって、母親としてすごく悲しくもなってくる。
もちろん、子供らしく甘えてくることもあって、その時はホッとするし、優しくしてあげることも有れば、叱ったりと、普通の母と子を実感できる。やっぱり、この子はわたしとギーザーとの間に生まれた子供なんだなって。
あの子は時々、あるいはいつでも、大人に見えてしまうことがある。ものすごく大人な目線、表情、雰囲気で、まるで何十年も生きてきたみたいに。
夫も同じことを思っているとはっきりと言っているし、歴代のメイドちゃんたちも、やはりあの子から熟練した大人のような落ち着き、雰囲気があると言っていた。
あの子は一度死んでしまった。そして、蘇ってくれた。でも、その時に魂が他の人のものと入れ替わってしまって……。そう考えてしまったこともあるけど、馬鹿げた考え方よね。
あの子は呼吸も心臓も一時的とはいえ、両方とも完全に止まってしまった。その影響で他の子たちと比べて少しおかしなところがあるだけ。
わたしはそう思うことで自分を納得させている。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる