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敗北宣言

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 甘い痛みと敗北感。もう何もかもが甘い甘い甘い甘い。キャンディスさまが女神のように美しく、魅惑的で色鮮やかな匂いを全身から咲かし続け、全身がパラダイスのように熱くて、唇も全身の肌も水滴のように滑らかで柔らかいから。
 あああ。俺の全身にキャンディス様の全身の熱い吐息を吸い込んでしまいたい。
 きっと、キャンディス様の牙から滴っていたあの毒々しい感じの液体は、実際毒だったのだろう。麻薬であり媚薬。その効果があるにせよ、俺は闘う前の段階で彼女の17歳とは思えない美貌と妖艶と色香に呼吸を忘れるほど唾を飲み込んでいたし、そもそもあの毒液は彼女の身体から分泌されているものなのだ。
 きっと、キャンディス様はこの世界のあるとあらゆる男を毒々しいまでの美しさと強さで屈服させ支配するためにお生まれになった、地獄の美の女神なのだろう。
 あああ。もう。俺にはどうすることもできない。キャンディス様の美しさ強さ毒々しさ、その全てに敗北を認め、興奮して気持ちよくてプライドとか使命感とか粉々に砕けて、もうどうでも良くなってしまった。
 もし、キャンディス様が望むのなら、俺は喜んで満員の観客の前で、そして、家族の見ている目の前でドラゴンAのマスクを脱ぎ捨て、彼女に差し出してしまうだろう。

 キャンディス様は俺の口内に毒液を一通り流し込むと、俺の顔から女神そのもの美しい貌を離していく。俺の唇に感じていた女神の濡れた唇の柔軟が無くなってしまったのが、名残惜しい。
 今までの俺とキャンディス様の出来事は、彼女の地獄へ差し込んだ陽光のようなまばゆく長い髪に隠され、観客たちには見えてはいまい。秘密のベールに隠された、二人だけの隠れたちょっとした情事であるのだ。
「どうです?痛みは治まりましたか?」
「はい。あなた様のおかげで」
「まあ。その口の利き方。対戦相手に対する口調ではなくてですわよ」
「ええ。もはや私はあなた様のことを、麗しきキャンディス嬢のことを対戦相手とは思っていないのです。私ごときでは到底あなた様に勝つことは不可能だと気づいたのです。それどころか勝負にすらならないことを。
 ああ、おお!そして、なんと美しく色香に溢れた女性なんだ!妻子がある身にも関わらず、その強さ同様美貌にも致命的な程のダメージを受けてしまうなんて!」
 自分でい言っておきながら、俺はなんてことを口走ってしまったんだろう。そう思ってしまう。だけど、キャンディス様に対してもうなんの戦意も抱いていないことも、その強さと美貌双方に到底敵わないと思っていることは事実なので、仕方ない。
「分かりました。あたくしの強さがあなたの骨もろとも心をも折ってしまい、美貌があなたの知性や精神を骨抜きにしてしまったということなのですわね?」
「その通りです!ああああ、キャンディス様。強さも美貌もあなたは罪深き女性なんだ!魔女の女神なんだ!」
「まあ、罪深き女性だなんて!でも、あなたがそう仰るのなら、あなたが妄想しているであろう望みに近い形で、罪は償わせて頂きますわ」
 キャンディス様は破顔した。ゾクリ。その凄惨さを滲ませるスマイルに、もはや心が折れて精神さえ破綻しかけている俺の快楽心を、ゾクリとさせるのであった。

 ああああ、おおおお。ずぅはーずぅはー。俺は胸いっぱいにキャンディス様の胸を中心とした全身の匂いを吸い込んでいく。俺は顔を上に向ける格好で頭部全体を彼女の腋の中に挟み込まれている。彼女がその気になれば俺の頭蓋骨は砕かれてしまうだろう。
 だけど、彼女は手加減してくれているので、気持ちよさを存分に感じられる痛さで済んでいる。っていうより、彼女はきっとどれぐらいの力加減で技をかければ、快楽と苦痛になるのか、そのボーダーラインを知っていて、じわりじわりと快楽と苦痛その双方で攻めて来てくれているのだ。
 キャンディス様の身体はまるでミルクや砂糖で構成されているように甘い。俺はその甘い身体を苦痛と快楽を行ったり来たりで味合わされているのだ。それがまた、とても狂おしすぎて辛いのである。
 ずぅはーずぅはー。ずぅはあああ……。

「おいおい、あれ……」
「って、あれ?おかしくない」
 観客たちは流石に気づき始めている。目の前で行われている試合が、この世界の帰趨をかけたバトルやファイトではなく、弱い男が強い女に女の色香や匂いを嗅ぎながら興奮して愉しんでいるだけのプレーになってしまっていることを。
 俺は家族のいる方へと目線を向けてしまう。恐ろしかったけど彼らがどんな表情をしているのか、この目で見ておきたかったのである。あ、俺にもまだ少しだけ責任感が残っていたんだ。
 年老いた父親は唖然とした顔をしていた。老いが始まった母親は茫然自失としていた。俺と同年代で実力が伯仲しているライムは怒りを露わに俺のことを睨み続けている。おそらくずっと。
 幼い子供二人、下の子はまだまだ格闘技のことをほとんど理解できておらず、退屈そうにつまらなそうにしている。上の子はライムと同じく怒っている。こんな表情を見るのは初めてだ。おそらく一気に反抗期が訪れてしまったのだろう。自分の親父が目の前で妻以外の若い女に格闘技でブザマな試合展開で圧倒され、その色香にうつつを抜かしやられていることを楽しんでいる様を見せつけられては不愉快になるし、子供として心の底から嫌悪感や怒りを感じてしまうことだろう。
 そして、最愛の妻ベス。泣き続けている。ここまで激しい嗚咽が聞こえて来そうなほどに。あの気丈で芯が強くて俺より遥かに精神的に強くてタフなはずの彼女が……。
 目の前で、多くの人が観戦していてこの世の命運をかけたタイトルマッチが、夫のあまりにも情けなさすぎの裏切りにより、ぶち壊されてしまったら、どんなに精神的に強い女性でも子供の隣で涙腺が崩壊してしまっても仕方ないだろう。
 おぉおぉううう。すまない。愚息が、ダメ夫が、クズ親父があまりにも不甲斐なさすぎてブザマで。できることなら俺のことを忘れてくれ、見放してくれ。忘れられないのなら、この世で一番のダメな人間であり、そうなってはならない人物の見本とでも思って蔑んでくれ!

 あの菩薩も観客たちに混じって半跏思惟のポーズで試合のことを見つめていた。なぜ、彼、あるいは彼女がなんの取り柄も無かった山田翔太をこの世界に、最強の血筋の子供として転生させたのかは分からない。
 もし、キャンディス様がとんでもない邪(よこしま)な存在の魔王や邪神、あるいは堕天使や魔女の生まれ変わりであり、その野望を阻止するのが目的であったのなら、俺は見事にその期待を裏切ったことになる、背いてしまったことになる。彼女の強さに屈服し、美貌と色香、女としてのありとあらゆる魅力の前に堕落してしまったのだから。
 この世界に転生される前に出逢ったあの赤ちゃん。おそらく彼こそが本当の、本物のアクセル・アイアンバトラーであったんだと思う。この体の本来の持ち主は彼であり、彼なら心身共にもっと強いドラゴンAになってくれていただろう。
 キャンディス様はあまりにも強い。それでも勝つのは難しいだろうが、少なくともこんな情けないブザマな姿は晒さなかったはずで、観ている者の心を打つ負け方はしているはずなのだ。彼にはとんでもない名誉毀損を着せてしまった……。
 兎にも角にも、俺はこの世界で死んだら、間違いなく地獄直行だろうな……。

 背中から感じるキャンディス様のお胸の柔らかみ甘み。全身の体重をかけられているので重みがボリューム感がアップして感じられる。スリーパーホールド。密着度の高さから彼女の呼吸が間近に感じられ、全身で彼女全体の温かさ、熱さを感じる。
「うっ!う!うううっ!」
 キャンディス様の快楽と苦痛の力加減が絶妙すぎた、また、お胸の感触がやはり美味しすぎた。俺は同邸の中学生や高校生の男子のように、誰の手に触られているわけでもないのに、射精してしまった。妻もいて子供も産まれていてこんな惨めな失禁経験をしてしまうなんて。小便を漏らした方がまだマシだろうと思う。
 観客たちは俺が精子をお漏らしてしまったことに気づいた者がいた。いや、気づいていない者はいないだろう。強い女vs弱い男というプレーのような試合展開もあり、至る所から失笑が漏れていた。妻の姿と母親の姿はもう観客席から無くなっていた。あまりにも情けなくて見ていられなかったのだろう。本当に申し訳なく思う。
 キャンディス様は、もちろん俺の射精に気づいている。俺の振動が収まると、一気に首を絞める腕に力を入れて来た。
「ぐええ、ぐるジィ」
 呼吸はほとんど出来ない。首全体の肉が締め付けられ骨が折れそうなほどのパワープレッシャーを感じる。最高の心地のお胸の感触と、最悪な痛みの苦しさを、俺はキャンディス様に味合わされている。その気になれば一瞬で首の骨を折ることもできるはずだから、射精してしまったその罰として、最悪級の痛み、苦しさを与えて来ているのかも知れない。

「ぶべばっぶ」
 早くこの最悪級の窒息と痛みの苦しさから逃れたかった。もうとっくにキャンディス様へは敗北感を感じていたので、ギブアップを口にすることに躊躇はなかった。ただ悲しいかな、あまりにも強烈に呼吸を封じられていて、満足に喋ることは出来なかった。鼻水と涎を泡状に噴き出しているのは感覚的に理解している。
「ごめなさいな。力が入りすぎていて喋ることができませんでしたわね。力を抜いて差し上げますわ。さあ、あなたのあたくしに対する敗北の思いを存分に言葉で表現してくださいな」
 キャンディス様はただ単にギブアップで試合を終わらせるのではなく、それ以上の惨めな言葉で俺が負けを宣告することを願っていると理解する。俺も彼女にはこれ以上ない惨めな表現で彼女に敗北をしたいと願ってしまっている。
 今後のスクエアジャングルの行く末をかけたタイトルマッチ。旧勢力の象徴であるドラゴンAは、新勢力の象徴であるキャンディス様へ、世界を差し上げてしまうような、センセイショナルかつ惨めなものでなければならないのだ。また、そうすることで、旧勢力の若い世代が奮起してくれたらと願うのだ。俺にはそうすることでしか、貢献することができないのだから。いや、これが貢献とは思えないけど。
「ギブアップ!あなた様の前で自らドラゴンAのマスクを脱いで、あなた様へ旧勢力の最高シンボルであるそのマスクを献上します。足の裏だって舐めます、舐め回します。ですから、ギブアップを認めてください!これ以上、痛さを苦しさを与えないでください!弱くて哀れな惨めな男を楽にさせてください!」
 俺は大勢の観客の前でそう敗北宣言をしてしまった。

「何も本当にしなくても宜しいのですわよ」
 キャンディス様は言ってのける。しかし、彼女の魂は高貴かつ邪悪なもの。俺が言った通りなことを望んでいることは間近にいながら、その穏やかに微笑む表情に理解している。
「いいえ、キャンディス様。あなたの強さと美しさと気高さと優しさと全ての人間性に敗北を感じたワタクシの、旧勢力を代表する者として、あなた様へ自ら旧勢力のシンボルであるドラゴンAのマスクを脱ぎ去り、真にこの世界のチャンピオンであるあなた様へ差し上げたくなったのでございます」
 俺はドラゴンAのマスクを脱いでしまう。そして、キャンディス様の前へと差し出す。俺の汗や鼻水や涎や涙や血に汚れるマスクを、彼女はしっかりと受け取ってくれる。
「こ、これだけではワタクシのキャンディス様に対する屈服感を示すことはできません。お手数ですがブーツを脱いで素足をワタクシの前に差し出してください。足の指をしゃぶらせて下さい!ど、どうか!はあああ、はあああ」
 もう俺は変態さを抑え切ることなどできずにお美しいキャンディス様に懇願する。自らの精子にぶちょぶちょのパンツの中で、再びチンチンが大きくなっているのを感じる。そして、またおむらしそうになっている。
「まあ、仕方のない人ですね。そこまで仰るのなら、宜しくてよ。あたくしの足の裏を心ゆくまで舐め尽くしなさい」
 俺はまずキャンディス様の脱いだブーツの臭いを嗅ぐと、彼女の足の裏と指と指の隙間を舐め始めた。酸っぱい臭いとなんとも言えぬ酸味とも苦味ととでもいうべき彼女の不味い味に、射精してしまう。
 美しく強いキャンディス様の惨め奴隷として一生を捧げること。きっとこれこそが俺がこの世界へ、スクエアジャングルへと転生して来た意味であったのだ。
 
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