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第5章 悲しき懺悔
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しおりを挟む僕は4年前までロンドンの大学へ通っていた。大学近くの寮に入り、医師になるべく研鑽していたわけだ。前述したように4年いても大都会には馴染めなかったけれど。
最後の2年間は研修医としてロンドンよりも少し北に位置する大きな病院に勤め、その任期終了とともにここ、ウィンブルドンに帰ってきた。
そのロンドンでの4年間。僕たち医学生には決められた仕事があった。街に住む定所得者、つまりお金がなくて病院に通えない人々、の健康診断をすることだ。
健康診断と言っても大げさなことはできない。医学生であってもそこらの学生となんら変わらないのだ。
低学年の頃は先輩の手伝いをしていたが、3年生になったところで、人様の体を診ることなどできるわけがない。僕たちにとっては研修前の予行演習に過ぎないし、やってくる住人たちは無料で先生もどきに診てもらう機会を得るだけだ。
ついでにもらえる食料や物品に釣られてくるというのが正しいものの見方だろう。だが、そんな能天気なことばかりではもちろんない。内実はかなり厳しい現状もあった。
そういった診療は、大抵において教会で行われる。地域奉仕の一環なのだ。僕も月に二度、三度、その場に足を運び、診療の真似事をしていた。
「俺、一時期教会で面倒みてもらってたから、そこでイーサンに会ったんだ」
「え? そうなのか? 幾つの時だ?」
当然そのなかには、子供もいた。大体が親のいない孤児たちだ。街で悪い大人にいいようにされるので、彼らを保護する教会もあった。だが、彼らは結局街に戻ってしまうのだ。
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