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モコモコ狩りじゃ
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「なんかずいぶんやる気さなってくれてるな」
「ご主人はモフモフとかモコモコってのが好きなんだ」
そーだね。我が家には大量のぬいぐるみがいたからね。お前の届かないところに置かないと無残な姿にされるって御主人様も学習したんだよ。
ひとつ訂正しておくと、俺は生き物全般大好きだからな?モコモコともふもふが特に好きというだけで、ツルツルもザラザラも最高である。
目標であるモコモコへ向けて、期待感を膨らませつつ全力で道を進む。
太ももほどまで伸びた草をかき分け、わざと邪魔をしているような角度に生えた枝をくぐり、狙ったように置いてあるとがった石を躱しつつ。
「ってなんだこれ! なんでこんな邪魔してくるの!?」
自然にできたにしては悪意があるポジショニングが多すぎるんですけど!
「ああ、ここら辺はおらたちの狩場だはんで逃げねぇようにいろいろ置いてあるからしかたねぇんだ」
俺の横で不自由なく進むゴブ助がそんなことを言ってくる。
「いや、だったら先に説明しようか。軽くボロボロだよ俺……」
そこからは、結構順調だ。ゴブ助の案内の元、三分ほど歩き続けた所でゴブ助が身をかがめた。
ジェスチャーで指示をしてきたので屈んでおく。
「あそこにいるのがモコモコだ」
押し殺した声で説明して指をさした先にいたのは、筋骨隆々のやたらでかい牛みたいな顔の四足動物だった。
「ああ、ちょっと待とうか、ゴブ助」
「うがっ! 兄ちゃん頭掴まねぇでくれよ」
「いいから。あれが、なんだって?」
「だ、だから、モコモコ……あだだだ!」
「いやいや、おかしいだろー。モコモコだぞ? 名前がモコモコなんだぞ? そりゃ毛むくじゃらのかわいい生き物想像するでしょうが。あれ何!?」
「いや、モコモコ……だって、言ってらんだけど」
またなんかゴブ助が言ってるけどちょっと今はどうでもいい。
最も重要なのは俺が思い描いていたモコモコがこの場にいないことだ。
ふわっとした感触がするであろう純白の毛に包まれた、保護欲をそそる相貌でこちらを見てくる生き物だと思ってはしゃいでたんだよ。
なんだよあいつ、鼻息で草吹き飛んでるし。体の三分の一くらい顔だし。尋常じゃないくらい筋肉が発達してる。
毛は確かにモサッとしてなかなか触り心地よさそうだけど。意外と目がクリッとしててかわいい。
俺の中で完成されていたイメージがなければ、こいつも俺の癒してくれたことだろう。
しかし、
「なんであれにモコモコなんて名前を付けたんだよ……。変な期待をしちゃったからあいつの癒し成分を心から楽しめないじゃないか……」
「よくわかんねぇけど、そろそろ手ば離してくれねぇがな……」
「ああ、すまん……。取り乱した」
とりあえず、カーレッジを撫でて落ち着こう。
「ご主人、大丈夫?」
「ありがとうなぁ、カーレッジ。やっぱお前が一番だよー」
こいつの毛並みやっぱ最高だなぁ……。食事も気にかけるようにしてたけど、こっちの世界だと難しそうだし、せめてブラッシングはしっかりやってやらないとなぁ。
「よし、落ち着いた」
「カーレッジには鎮静の加護でもあるんずな?」
そう不思議そうな顔をするな、ゴブ助よ。そのうちお前も心の安定には癒しが必要なんだと気づくさ。
じゃあ、まあ、元々の目的を果たすとするかね。
「あのモコモコもとい筋肉牛くんを狩るとしますか」
「キリッとした顔でいるところ申し訳ねぇが、モコモコが移動はじめたんで、追っかけねぇと逃がしちまうんだ」
「あ、はい」
慣れているであろうゴブ助君についていこう。なったって素人ですから、俺。
勘違いで手伝いに駆り出されてるだけで、基本的には部屋で癒しコレクションに囲まれて一日中ポワーンってしてるのが幸せな人間なんだよ。
ゴブ助君の後ろを屈みながら歩いていたら、膝のあたりに何やら温かいものが当たる感触。視線を落とせば俺の横にひたっとくっつくカーレッジ。
歩いてるときにくっつくのは何かしらのサインなんだけど、今の状況で腹が減ったとか頭をなでろと言ってくるようなあほな子ではないはず。何かしてほしいのか?
あ、喋れるんだから聞けばいいのか。
「どーした?」
「ご主人、大丈夫だよ」
「?」
「カーレッジが、守るから」
カーレッジは前をまっすぐ見つめたままそういった。
この顔を見た記憶がある。ただ、相手はカーレッジではなかったけれど。
強い信念を感じるその顔に、ひどく危なげなものを感じてしまう。
でも、今こいつが欲しい言葉は、心配なんかじゃないだろうから。
「ああ、期待してるぜ。カーレッジ」
「任せて!」
ああ、任せるよ。お前のご主人はすごく弱いんだからな。
「なぁだち。モコモコが止まった。狙うんだば今だ」
ゴブ助は武器を構えながら俺らに目線だけを向けてくる。
こうやって改めて見ると、あえて目をそらして説明せずにいたものを見ると、現実離れしているなぁとか気の抜けた感想しか出てこない。
100センチないようなゴブリンが自分の背よりでかい大斧構えてるんだ。それも何ら苦も無く。
どこにそんな力があるのかね、ゴブ助君。
絶対敵にしたくないよ。
「んで、狙うってどうするの?」
「らぁがモコモコば追い込むはんで、ばしっとトドメさしてけ!」
「え、ゴブ助がとどめさす方が確実じゃないか?」
そんなたいそうな武器持ってんだからゴブ助がやるもんだと思ってたわ。
「そ、そったこどねぇよ! こ、これ使うんだったら貸すから、兄ちゃんがやった方が確実だ!」
ぶんぶんと斧を振り回すゴブ助だけど、目が泳いでいる。
「それにほら! 獲物追い込む方が大変なんだ! だはんで、らぁがやるって!」
思うところがないではないけど、追い込み漁に知識がいるってのは納得だ。それに囮であれ追い込みであれ、俺にできるとも思えないからな。
「わかったよ、じゃあ、俺はどこで待ち伏せすればいいの?」
「あそこの木の上にいてけ。追い込めば音でわかると思う」
「了解。カーレッジはどうする?」
「そのまま傍にいてければ大丈夫だ。幸いこっちは風下だし、匂いでばれることはねぇど思う」
「わかった」
ということで初めての木登りを意外と楽に成功させて待機中である。
俺、木登りの才能があったらしい。ほとんど手間もかからずに上れたわ。都会にいたら気づかない才能だね!
気づいてもそんなに使える才能じゃないけどね!
「ご主人、来た」
一緒に木の上に待機していたカーレッジが鼻をひくつかせながら声をかけてきた。
木が次々倒れていく光景がだんだんこっちに近づいているから見ててわかるんだけどね。
つうか木をなぎ倒すってどんな力だよあの筋肉牛。あの突撃食らったら確実に死んでるよ。
ああ、だからあいつ俺にこっち側させたのかな?
確かに怖いもんなぁ。追ってるってことはあの突撃食らう心配はそんなないだろうし。
「んじゃあ、構えますかね」
さっき渡された(木の上に本人が置いていった)ゴブ助の斧を持ち――、持ち上げ――。
「やべぇ、重すぎるだろうこれ」
見た目以上に重量がある。なんだよこれ、なんでこんなん背負ってここまで歩いてこれたんだあいつ。
何とか角度を変えることには成功したけど、これは持ち上げるとか無理だわ。
「ご主人! もうここにくる!」
だろうね。おそらく筋肉牛の鳴き声だろう重低音が近づいてきているし、地震並みに揺れてるし。
集中しよう。ここでミスったら確実に死ぬ。
音がどんどん近づいてくる。
タイミングは一回。
音はどんどん近づいてくる。
やるしかない。死ぬわけにはいかないから。
目の前の茂みがなぎ倒されて姿が見えた。
なり振りかまわない全力でこちらに進んでくる。
まだだ。早すぎたら死ぬ。もう少し引き付けて、斧を手にもって。
飛び降りる!
ドンピシャだ! 首はこの位置で間違ってないはず。
内蔵が浮き上がるような気持ち悪い感覚を無理やり抑え込む。
しっかり柄を握りこむ! 首元へ、落とす!
手に響く肉を割る感触。次の瞬間には硬い感触が脳まで響いた。
うわ、すげえ痛い。
生暖かい感触が全身を包んでいるが、それどころじゃないくらい痛い。
遠くでなんか声が聞こえるが、目を開ける余裕がない。
あ、ちょっとこれは、意識が、飛ぶ……。
「ご主人はモフモフとかモコモコってのが好きなんだ」
そーだね。我が家には大量のぬいぐるみがいたからね。お前の届かないところに置かないと無残な姿にされるって御主人様も学習したんだよ。
ひとつ訂正しておくと、俺は生き物全般大好きだからな?モコモコともふもふが特に好きというだけで、ツルツルもザラザラも最高である。
目標であるモコモコへ向けて、期待感を膨らませつつ全力で道を進む。
太ももほどまで伸びた草をかき分け、わざと邪魔をしているような角度に生えた枝をくぐり、狙ったように置いてあるとがった石を躱しつつ。
「ってなんだこれ! なんでこんな邪魔してくるの!?」
自然にできたにしては悪意があるポジショニングが多すぎるんですけど!
「ああ、ここら辺はおらたちの狩場だはんで逃げねぇようにいろいろ置いてあるからしかたねぇんだ」
俺の横で不自由なく進むゴブ助がそんなことを言ってくる。
「いや、だったら先に説明しようか。軽くボロボロだよ俺……」
そこからは、結構順調だ。ゴブ助の案内の元、三分ほど歩き続けた所でゴブ助が身をかがめた。
ジェスチャーで指示をしてきたので屈んでおく。
「あそこにいるのがモコモコだ」
押し殺した声で説明して指をさした先にいたのは、筋骨隆々のやたらでかい牛みたいな顔の四足動物だった。
「ああ、ちょっと待とうか、ゴブ助」
「うがっ! 兄ちゃん頭掴まねぇでくれよ」
「いいから。あれが、なんだって?」
「だ、だから、モコモコ……あだだだ!」
「いやいや、おかしいだろー。モコモコだぞ? 名前がモコモコなんだぞ? そりゃ毛むくじゃらのかわいい生き物想像するでしょうが。あれ何!?」
「いや、モコモコ……だって、言ってらんだけど」
またなんかゴブ助が言ってるけどちょっと今はどうでもいい。
最も重要なのは俺が思い描いていたモコモコがこの場にいないことだ。
ふわっとした感触がするであろう純白の毛に包まれた、保護欲をそそる相貌でこちらを見てくる生き物だと思ってはしゃいでたんだよ。
なんだよあいつ、鼻息で草吹き飛んでるし。体の三分の一くらい顔だし。尋常じゃないくらい筋肉が発達してる。
毛は確かにモサッとしてなかなか触り心地よさそうだけど。意外と目がクリッとしててかわいい。
俺の中で完成されていたイメージがなければ、こいつも俺の癒してくれたことだろう。
しかし、
「なんであれにモコモコなんて名前を付けたんだよ……。変な期待をしちゃったからあいつの癒し成分を心から楽しめないじゃないか……」
「よくわかんねぇけど、そろそろ手ば離してくれねぇがな……」
「ああ、すまん……。取り乱した」
とりあえず、カーレッジを撫でて落ち着こう。
「ご主人、大丈夫?」
「ありがとうなぁ、カーレッジ。やっぱお前が一番だよー」
こいつの毛並みやっぱ最高だなぁ……。食事も気にかけるようにしてたけど、こっちの世界だと難しそうだし、せめてブラッシングはしっかりやってやらないとなぁ。
「よし、落ち着いた」
「カーレッジには鎮静の加護でもあるんずな?」
そう不思議そうな顔をするな、ゴブ助よ。そのうちお前も心の安定には癒しが必要なんだと気づくさ。
じゃあ、まあ、元々の目的を果たすとするかね。
「あのモコモコもとい筋肉牛くんを狩るとしますか」
「キリッとした顔でいるところ申し訳ねぇが、モコモコが移動はじめたんで、追っかけねぇと逃がしちまうんだ」
「あ、はい」
慣れているであろうゴブ助君についていこう。なったって素人ですから、俺。
勘違いで手伝いに駆り出されてるだけで、基本的には部屋で癒しコレクションに囲まれて一日中ポワーンってしてるのが幸せな人間なんだよ。
ゴブ助君の後ろを屈みながら歩いていたら、膝のあたりに何やら温かいものが当たる感触。視線を落とせば俺の横にひたっとくっつくカーレッジ。
歩いてるときにくっつくのは何かしらのサインなんだけど、今の状況で腹が減ったとか頭をなでろと言ってくるようなあほな子ではないはず。何かしてほしいのか?
あ、喋れるんだから聞けばいいのか。
「どーした?」
「ご主人、大丈夫だよ」
「?」
「カーレッジが、守るから」
カーレッジは前をまっすぐ見つめたままそういった。
この顔を見た記憶がある。ただ、相手はカーレッジではなかったけれど。
強い信念を感じるその顔に、ひどく危なげなものを感じてしまう。
でも、今こいつが欲しい言葉は、心配なんかじゃないだろうから。
「ああ、期待してるぜ。カーレッジ」
「任せて!」
ああ、任せるよ。お前のご主人はすごく弱いんだからな。
「なぁだち。モコモコが止まった。狙うんだば今だ」
ゴブ助は武器を構えながら俺らに目線だけを向けてくる。
こうやって改めて見ると、あえて目をそらして説明せずにいたものを見ると、現実離れしているなぁとか気の抜けた感想しか出てこない。
100センチないようなゴブリンが自分の背よりでかい大斧構えてるんだ。それも何ら苦も無く。
どこにそんな力があるのかね、ゴブ助君。
絶対敵にしたくないよ。
「んで、狙うってどうするの?」
「らぁがモコモコば追い込むはんで、ばしっとトドメさしてけ!」
「え、ゴブ助がとどめさす方が確実じゃないか?」
そんなたいそうな武器持ってんだからゴブ助がやるもんだと思ってたわ。
「そ、そったこどねぇよ! こ、これ使うんだったら貸すから、兄ちゃんがやった方が確実だ!」
ぶんぶんと斧を振り回すゴブ助だけど、目が泳いでいる。
「それにほら! 獲物追い込む方が大変なんだ! だはんで、らぁがやるって!」
思うところがないではないけど、追い込み漁に知識がいるってのは納得だ。それに囮であれ追い込みであれ、俺にできるとも思えないからな。
「わかったよ、じゃあ、俺はどこで待ち伏せすればいいの?」
「あそこの木の上にいてけ。追い込めば音でわかると思う」
「了解。カーレッジはどうする?」
「そのまま傍にいてければ大丈夫だ。幸いこっちは風下だし、匂いでばれることはねぇど思う」
「わかった」
ということで初めての木登りを意外と楽に成功させて待機中である。
俺、木登りの才能があったらしい。ほとんど手間もかからずに上れたわ。都会にいたら気づかない才能だね!
気づいてもそんなに使える才能じゃないけどね!
「ご主人、来た」
一緒に木の上に待機していたカーレッジが鼻をひくつかせながら声をかけてきた。
木が次々倒れていく光景がだんだんこっちに近づいているから見ててわかるんだけどね。
つうか木をなぎ倒すってどんな力だよあの筋肉牛。あの突撃食らったら確実に死んでるよ。
ああ、だからあいつ俺にこっち側させたのかな?
確かに怖いもんなぁ。追ってるってことはあの突撃食らう心配はそんなないだろうし。
「んじゃあ、構えますかね」
さっき渡された(木の上に本人が置いていった)ゴブ助の斧を持ち――、持ち上げ――。
「やべぇ、重すぎるだろうこれ」
見た目以上に重量がある。なんだよこれ、なんでこんなん背負ってここまで歩いてこれたんだあいつ。
何とか角度を変えることには成功したけど、これは持ち上げるとか無理だわ。
「ご主人! もうここにくる!」
だろうね。おそらく筋肉牛の鳴き声だろう重低音が近づいてきているし、地震並みに揺れてるし。
集中しよう。ここでミスったら確実に死ぬ。
音がどんどん近づいてくる。
タイミングは一回。
音はどんどん近づいてくる。
やるしかない。死ぬわけにはいかないから。
目の前の茂みがなぎ倒されて姿が見えた。
なり振りかまわない全力でこちらに進んでくる。
まだだ。早すぎたら死ぬ。もう少し引き付けて、斧を手にもって。
飛び降りる!
ドンピシャだ! 首はこの位置で間違ってないはず。
内蔵が浮き上がるような気持ち悪い感覚を無理やり抑え込む。
しっかり柄を握りこむ! 首元へ、落とす!
手に響く肉を割る感触。次の瞬間には硬い感触が脳まで響いた。
うわ、すげえ痛い。
生暖かい感触が全身を包んでいるが、それどころじゃないくらい痛い。
遠くでなんか声が聞こえるが、目を開ける余裕がない。
あ、ちょっとこれは、意識が、飛ぶ……。
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