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寄り道
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これは私が小学生の時の話です。
当時はスマホやガラケーなんてものがなく、ポケベルが支流ぐらいの頃です。
私はゲームが大好きでそれこそ時間があれば、ゲームをしているような子供でした。
それで家では両親にゲームは1日1時間なんて制限もつけられてしまって、当時はどうしてもゲームをしたいが家でゲームをすると制限されてしまうので何としても自由にゲームがしたかった。
だからどうすれば良いかと、ない頭を絞って考えた結果、思いついたのは携帯ゲーム機で家ではなく外でゲームをして両親の監視から逃れると言う方法を思いつきました。
私はお年玉のお金で、ゲーム情報を知らない人も一度は名前を聞いたことがある携帯ゲーム機、ゲームボーイを買ったのだった。
それからは私はランドセルの中にゲームボーイを忍ばせて帰り途中、ゲームボーイで自由なゲームを楽しむ時間を獲得したつもりだったがそう甘くなかった。
外でゲームするには直射日光による画面に照り返し、冬は寒さで指がかじかみ、夏は暑さでゲームに集中出来ない。
それにランドセルを背負った状態では同級生や近隣住人に見つかれば学校や両親に連絡される恐れがあった。
もちろん、デパートや図書館なども同様理由で避けた。
それで私は絶好のゲームがしやすい場所を探す為に、色んな所を寄り道しながら散策することになった。
そしてたどり着いたのは河川の架橋下だった。
夏は涼しく、多少の雨の影響なく、人通りも少ない、架橋の影が直射日光を遮り画面の照り返しも解消出来ると言う屋外では希少性が高い性能に私はオアシスを見つけたと飛び跳ねて喜んだ。
それから私は帰り道に架橋下に寄り道をするようになった。
そんなある日の事、私が架橋下に着くと先客がいた。
私とは別の学校なのか顔を見たことがない同じ年ぐらいの男の子が私と同じようにゲームボーイをやっているのを見て、私は声を掛けずにはいられなかった。
この時どんなことを話をしたかあまり詳しく覚えていないが、その男の子も私と同じようなゲームが大好きで両親の監視から逃げるようにここにたどり着いたと言う事で、その日の内に意気投合してしまった。
そしてお互い名前を明かさないことによって、密告が出来ないようにすることにしたが、呼び方がないと話し難いのでお互いの頭文字からローマ字を取って呼び合うことになった。
彼はTと名乗っていた。
それからはほぼ毎日、Tと架橋下で会っては新作ゲームの話やゲームの裏技情報の交換、ガセネタ乗せるゲーム情報誌に怒り、ゲームソフトの貸し借り等もしていた。
それから半年ぐらいたったある日、学校の授業が13時頃に終わって、いつも通りTと架橋下で会ったが少し興奮気味である話を持ちかけてきた。
「今日、家に両親居ないから家に来ないか。」
Tの話からT家には私が知らないようなゲームが無数にあると言う事は知っていたので胸が高鳴り、2つ返事で行こうと言った。
Tの家は架橋を渡った先の森林が生い茂った山道を15分程進んだところで、それもかなり大きい和風の家で私はゲーム以外で白壁に囲まれた豪邸を初めて見た。
彼の部屋は縁側に面した日当たりの良い部屋で中には古今東西のゲームを集めたような私が知らないようなゲーム機本体も無数にあり、私はこれから始まる未知の冒険に小躍りしていた。
それからTと最高の時間を堪能して、急に尿意を感じてトイレの場所を聞いて部屋を出て、縁側に出た時に違和感に気がついた。
先ほどTとゲームを数時間はやっているはずなのに、太陽が高い位置にある。
私は部屋を出る前に既に日が傾いて、夕暮れ前ぐらいだろうと思っていたからだった。
用を足して部屋に戻り、時計を探したが部屋に時計がないことに気がついて私は急に怖くなった。
Tに私は門限で18時には家に帰らないといけないと言うと、Tは笑いながらこう答えた。
「じゃあ、日は高いからまだ遊んでいけるぞ」
彼は私が知る限り、この部屋を出ていないのにどうして日が傾いていないことがわかるのか、そんな疑問がさらに私の恐怖を掻き立てた。
私は必死でTを欺き、この部屋から出て行き、家に帰る方法を考えた。
私は部屋から出る為に、またトイレに行くと言うとTは機嫌が悪そうな顔に私は震えあがった。
「おい、帰るの?」
この言葉に私は咄嗟にゲームボーイをTに渡してこう言った。
「トイレに行くだけだよ、そんなに心配ならゲームボーイは置いておく、これだったら問題ないだろ。」
そういうとTは渋々、私を部屋から出るのを許した。
私は部屋を出ると出来るだけ音を立てずに玄関に向かい、靴を履いて家を出た。
そこからは何も考えず全力で家に走った。
Tが後ろから追ってくるんじゃないかと言う恐怖から足を止めることなく走った。
家に着くころには体力が尽きて、玄関に倒れこんで気を失った。
私が目が覚めたのは病院のベットの上だった。
両親から聞いた話では私はT家に行った日に家に帰って来なかったので近隣を巻き込んで捜索されていたこと、次の日の昼頃に玄関で倒れていたのを発見され、病院に救急搬送したことを聞かされた。
私はこれまでの事情を話したが、その奇怪な話にすぐさま精神病や頭がおかしくなったと思われ、約1年程、嫌々だが通院することになった。
あの後、私は山奥に行ったがTの家はなかった。
あれからTは架橋下には来なくなったが、私はたまにTの事を思い出している。
当時、私は友達がいなかったからTが唯一の友達で、Tと遊んだ日々は本当に楽しかった。
私はもういい大人になったが、たまに架橋下に時間が空いた時に暇つぶしに行く。
当時はスマホやガラケーなんてものがなく、ポケベルが支流ぐらいの頃です。
私はゲームが大好きでそれこそ時間があれば、ゲームをしているような子供でした。
それで家では両親にゲームは1日1時間なんて制限もつけられてしまって、当時はどうしてもゲームをしたいが家でゲームをすると制限されてしまうので何としても自由にゲームがしたかった。
だからどうすれば良いかと、ない頭を絞って考えた結果、思いついたのは携帯ゲーム機で家ではなく外でゲームをして両親の監視から逃れると言う方法を思いつきました。
私はお年玉のお金で、ゲーム情報を知らない人も一度は名前を聞いたことがある携帯ゲーム機、ゲームボーイを買ったのだった。
それからは私はランドセルの中にゲームボーイを忍ばせて帰り途中、ゲームボーイで自由なゲームを楽しむ時間を獲得したつもりだったがそう甘くなかった。
外でゲームするには直射日光による画面に照り返し、冬は寒さで指がかじかみ、夏は暑さでゲームに集中出来ない。
それにランドセルを背負った状態では同級生や近隣住人に見つかれば学校や両親に連絡される恐れがあった。
もちろん、デパートや図書館なども同様理由で避けた。
それで私は絶好のゲームがしやすい場所を探す為に、色んな所を寄り道しながら散策することになった。
そしてたどり着いたのは河川の架橋下だった。
夏は涼しく、多少の雨の影響なく、人通りも少ない、架橋の影が直射日光を遮り画面の照り返しも解消出来ると言う屋外では希少性が高い性能に私はオアシスを見つけたと飛び跳ねて喜んだ。
それから私は帰り道に架橋下に寄り道をするようになった。
そんなある日の事、私が架橋下に着くと先客がいた。
私とは別の学校なのか顔を見たことがない同じ年ぐらいの男の子が私と同じようにゲームボーイをやっているのを見て、私は声を掛けずにはいられなかった。
この時どんなことを話をしたかあまり詳しく覚えていないが、その男の子も私と同じようなゲームが大好きで両親の監視から逃げるようにここにたどり着いたと言う事で、その日の内に意気投合してしまった。
そしてお互い名前を明かさないことによって、密告が出来ないようにすることにしたが、呼び方がないと話し難いのでお互いの頭文字からローマ字を取って呼び合うことになった。
彼はTと名乗っていた。
それからはほぼ毎日、Tと架橋下で会っては新作ゲームの話やゲームの裏技情報の交換、ガセネタ乗せるゲーム情報誌に怒り、ゲームソフトの貸し借り等もしていた。
それから半年ぐらいたったある日、学校の授業が13時頃に終わって、いつも通りTと架橋下で会ったが少し興奮気味である話を持ちかけてきた。
「今日、家に両親居ないから家に来ないか。」
Tの話からT家には私が知らないようなゲームが無数にあると言う事は知っていたので胸が高鳴り、2つ返事で行こうと言った。
Tの家は架橋を渡った先の森林が生い茂った山道を15分程進んだところで、それもかなり大きい和風の家で私はゲーム以外で白壁に囲まれた豪邸を初めて見た。
彼の部屋は縁側に面した日当たりの良い部屋で中には古今東西のゲームを集めたような私が知らないようなゲーム機本体も無数にあり、私はこれから始まる未知の冒険に小躍りしていた。
それからTと最高の時間を堪能して、急に尿意を感じてトイレの場所を聞いて部屋を出て、縁側に出た時に違和感に気がついた。
先ほどTとゲームを数時間はやっているはずなのに、太陽が高い位置にある。
私は部屋を出る前に既に日が傾いて、夕暮れ前ぐらいだろうと思っていたからだった。
用を足して部屋に戻り、時計を探したが部屋に時計がないことに気がついて私は急に怖くなった。
Tに私は門限で18時には家に帰らないといけないと言うと、Tは笑いながらこう答えた。
「じゃあ、日は高いからまだ遊んでいけるぞ」
彼は私が知る限り、この部屋を出ていないのにどうして日が傾いていないことがわかるのか、そんな疑問がさらに私の恐怖を掻き立てた。
私は必死でTを欺き、この部屋から出て行き、家に帰る方法を考えた。
私は部屋から出る為に、またトイレに行くと言うとTは機嫌が悪そうな顔に私は震えあがった。
「おい、帰るの?」
この言葉に私は咄嗟にゲームボーイをTに渡してこう言った。
「トイレに行くだけだよ、そんなに心配ならゲームボーイは置いておく、これだったら問題ないだろ。」
そういうとTは渋々、私を部屋から出るのを許した。
私は部屋を出ると出来るだけ音を立てずに玄関に向かい、靴を履いて家を出た。
そこからは何も考えず全力で家に走った。
Tが後ろから追ってくるんじゃないかと言う恐怖から足を止めることなく走った。
家に着くころには体力が尽きて、玄関に倒れこんで気を失った。
私が目が覚めたのは病院のベットの上だった。
両親から聞いた話では私はT家に行った日に家に帰って来なかったので近隣を巻き込んで捜索されていたこと、次の日の昼頃に玄関で倒れていたのを発見され、病院に救急搬送したことを聞かされた。
私はこれまでの事情を話したが、その奇怪な話にすぐさま精神病や頭がおかしくなったと思われ、約1年程、嫌々だが通院することになった。
あの後、私は山奥に行ったがTの家はなかった。
あれからTは架橋下には来なくなったが、私はたまにTの事を思い出している。
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