小さくとも強い灯は、決して消えない

第一章 誰が為の新嫁娘（シンチャンニャン）

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過ぎったソレは、狂ったように笑い、舞う紅い婚礼衣装を来た遊女だった。
元の部屋の持ち主だ。

クスクスと声が聴こえる。
成程。
皆が逃げるのも分かる。
そして帝が私をコノ部屋に置いた理由も分かった。
ココには怨霊となった幽鬼がやたらと集まっている。
つまり掃除を求められているのだ。
大元の頭を叩くのが一番早いだろう。
燐燗は大きく溜め息をつくと、大きく叫んだ。

「どうしてこう面倒ごとに巻き込まれるかなぁ‼︎」

燐爛は頭をかいて大きく嘆いた。

つまりは狂った婚礼衣装を着た遊女は、添い遂げたかった人を帝の命令で失い、ココに迎え入れられるも帝への憎しみ故に憎しみを抱いたまま、コノ部屋で自害して取り憑いては夜な夜な帝の枕元に訪れているようだ。

ソレが燐燗が見た景色だ。



「コレはなかなか執念深く困った怨霊だね」

「かの有名な貴殿でも困るのか」

「あん？」



一人でぼやいていると、背後から声がかかり、燐燗は振り向いた。
ソコには美麗な青年が立っていた。