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第一章 誰が為の新嫁娘(シンチャンニャン)
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「巫女のアタシに分からないことなんてほぼない。
妖を連ねるアタシならね。
心を失ったアタシなら。
でも、教えてやるもんかね。
それじゃあつまらないじゃないか」
「この国の帝の命がかかっているんだぞ!」
「黒紫桂の怨霊に取り殺されるのも時間のうちかねぇ」
燐燗はそう言って仁光儀に煙管の煙を吹かせた。
仁光儀は燐燗を突き放すと、龍王殿の帝──兄の許へと向かった。
「·····馬鹿な奴。
希望なんて、お前にはあるじゃないか」
悲しそうな声が、誰も居ない空に小さく静かに響いた。
煙管は下ろされ、ポトリと中から燃えカスが落ちる。
妖を連ねるアタシならね。
心を失ったアタシなら。
でも、教えてやるもんかね。
それじゃあつまらないじゃないか」
「この国の帝の命がかかっているんだぞ!」
「黒紫桂の怨霊に取り殺されるのも時間のうちかねぇ」
燐燗はそう言って仁光儀に煙管の煙を吹かせた。
仁光儀は燐燗を突き放すと、龍王殿の帝──兄の許へと向かった。
「·····馬鹿な奴。
希望なんて、お前にはあるじゃないか」
悲しそうな声が、誰も居ない空に小さく静かに響いた。
煙管は下ろされ、ポトリと中から燃えカスが落ちる。
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