上 下
2 / 2
あらすじ

あらすじ

しおりを挟む
『鳴凛響歌(シャラーミュ・チェペ)』
ソレは 決して触れ合えることの出来ない 双人(ふたり)の物語──。
 
 
とある小さな島に、女神は降り立った。
そして花を植え、双人(ふたり)の男女を創った。
女神が願うのはただ一つ。
凛と美しい花のように、愛らしい花を愛でるように、子を成し長い時を過ごして欲しい──。


千花王立(センカオウリツ)時代。
島には千の國が在し、ソレゾレが島の覇権を巡って争っていた。
やがてソレは二つの國が残り、一つの國が勝ち残った。
そして厳格な身分制度が敷かれ、最後に残ったもう一つの國の民は平民より下の下級階層と呼ばれる位置に置かれた。

女神の子らから最初に生まれた金髪の一族は不思議な力を持っていた。
そしてソレは重宝され、新たに生まれた花皇貴(カコウキ)帝国では身分制度に属さず巫女や巫覡と呼ばれた。
 
 
女神が女神を崇める風習は古来から存在し、千のどの國にも金髪の子は存在し、女神と崇められた。
やがて花皇貴帝国でソレは一つに纏められ、女神が次の女神を選ぶ風習が生まれる。
 
 
金髪の髪に桃色の目を持つ少女──京桜 大和(キョウサクラ ヤマト)は、ある時下級階層の少年と出会う。
そして彼から外の世界の実情を知り、手を差し伸べる。
しかしそんな彼女に、運命は残酷な調べを奏でる。
 
 
時は大きく流れ、平等な身分制度を重んじる国で、時代は大きく進歩していた。


彼の名は、一和(イチカ)。
彼はルイナ・京桜宮・リピテリア嬢に仕える考古学者の一人。

ある時、花皇貴帝国という歴史に大きく名を残す国が消えた『空白の歴史』を調べるようルイナに命じられ、考古学隊隊長として隊を編成して女神の降り立ったという険しい岩山を登る。

険しい森と襲い来る猛獣や怪鳥を乗り越えた先に在ったのは、滅亡したと想われる花皇貴帝国の跡──遺跡群だった。
  
険しく深い岩山の森の奥、切り立った崖のような山の中で眠っていた遺跡群。
ソノ中で、彼は岩棺の山の鏡の間を見つける。
大きな発見の中、心沸き立つ中で、
 目を奪われる光景の中で、彼は澄んだ
 声を耳にする。

「…──和(かず)…?」

声のした方、ソチラを見るとソコには
鏡に映る金髪の愛らしい姿の少女が、
驚いたように自分を見ていた。
 
 
ソレは太陽のよう。ソレは一番星のよう。
胸がチクリと痛む。衝動的に泣きたくな
る。
ふと誘われるようにソノ鏡に触れる。
コノ心が求めてるモノは何?
誰もを魅了するような「君は、誰?」
 
 
 
誰もを魅了し切なくさせる物語、『鳴凛響歌(シャラーミュ・チェペ)』

ソレは 決して触れ合えることの出来ない 双人(ふたり)の物語──。
 
 
 
桐夜白(トウヤハク)の奏でるスチームパンク×メカニック×民族ファンタジーが、今幕を開ける。
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。


処理中です...