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東方ノ民──ハイドランジアの一族

東方ノ民──ハイドランジアの一族3

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「…どうして、」



何に対してか、綾瀬が呟く。
グレイシアが口を開いた。



「ミストルァルタ、
お前、窓から出たのか。
部屋の入り口に鍵がかかっていたぞ」

「かぎって?」



グレイシアの言葉にミストルァルタが返し、グレイシアはその言葉と反応、表情に疑問を覚えた。



「…お前、まさか、入り口に鍵がついていること…。
知らなかったのか?」

「今初めて知った」



ミストルァルタが普通に答える。



「…お前が部屋の入り口の鍵を閉めたんじゃないのか?」

「かぎ自体在るの知らなかったし、引き戸に近づいた時も全然気づかなかった」

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