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僕の知っていること。

僕の知っていること。13

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「少しの、曲…、か、」

「うん…」



火水夜が呟くようにして言う。
ミストルァルタが視線をさらに落とす。
ミストルァルタが続けて口を開く。



「さっきの曲と、久遠ノ名の曲と。

鏡光輪舞円舞曲きょうこうテイネレレカカって曲と。

何か、名前すら分からない曲が、幾つかと…。あとは…」

「名前の分からない曲とは?
例えば?」



老人が問うようにして返した。



「ぇ?

えっと…、何か頭の中に響いている曲…。
歌詞はね、」



ミストルァルタが考えるようにして言い、次いで歌詞を口ずさむ。

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