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僕の知っていること。

僕の知っていること。17

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本当に表情豊かな子だった。
きっとたくさん愛されて、たくさん愛して、幸せをたくさん得てきたのだろう。
本当に表情の豊かな、キャハキャハキャピキャピした子だった。

時がミストルァルタに留目とどめすように言い、ミストルァルタが泣きそうな声で言う。

そこに羅姫が口を開いた。
優しい声がミストルァルタに向けて紡ぎ出される。



「大丈夫よ、ミストルァルタ。
私と一緒に、綾瀬に謝りましょ?

大丈夫だから」

「…羅姫ぃ」



羅姫が言い、ミストルァルタが泣きそうになりながら言う。




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