ミストルァルタ 第一巻 失った記憶 と 八卦炉の“謎ノ石”

桐夜 白

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僕の知っていること。

僕の知っていること。19

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「……。
…な、ミストルァルタ」



火水夜が心の中で溜め息をつき、ミストルァルタの名を呼ぶ。



「奥来いよ。
傷の度合いで包帯するかどうか決めるとして、先に薬塗ろう。

おじいちゃん!
薬箱やくばこー!」



痛みがなく、存在を忘れるくらいならそれ程大きな問題ではないだろう。

火水夜がミストルァルタの手を握る。
彼はミストルァルタの手を引きながら、祖父に声をかけた。
祖父は微笑むと、先に先程まで居た机のところより更に奥──長い布を捲り、奥に続く通路へと入って行った。



「ほら!
薬塗んぞ。

逃げんなよ?
グラムヴィルだって人間とそんなに変わらないんだからな?」



火水夜が少し振り向きながら言い、手を引かれて片手でエンテを持ったままのミストルァルタは、連れられるままに奥へと向かった。



 。

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