ミストルァルタ 第一巻 失った記憶 と 八卦炉の“謎ノ石”

火水夜の焦りと恐怖

火水夜の焦りと恐怖3

「この《問いかけの大地》には、…否、この世界には。
“旧時代”になかったモノが生み出されているの。


この時代の“時”には、コレは普通に常識の一つとして、人々の意識にあるわ。と、
綾瀬は言っていたわね、確か…。

何年前だっけ」



羅姫が言い、楽し気に笑う。
次いで彼女は隣に浮いて歩く──というよりは走る、滑る、という方が適切か──ミストルァルタに顔を向けて、口を開いた。




「コノ光科魔金を使った“テレメラ構造”については、火水夜や綾瀬に聞く方が詳しく分かるわよ」



ミストルァルタが笑んだまま、隣を走る羅姫から前を先に走る火水夜と水月へと、目を向けた。