ミストルァルタ 第一巻 失った記憶 と 八卦炉の“謎ノ石”

キラキラした子供の姿

キラキラした子供の姿8

「美味いか？
ミストルァルタ」

「うんっ」

「…リスみたいだな、お前」



賢がミストルァルタの隣に座り、問う。
ミストルァルタがソレに、クレープを口いっぱいいっぱいに頬張って返した。
すると賢が、クレープを口いっぱいに頬張りもごもごと食べているミストルァルタを見て、そう零こぼした。



「コレ好き。
この…、赤いのと白いのいっぱいの、ちょっと黒いヤツがトロトロかかったの」


「赤いのはイチゴっていってな、白いのはホイップクリーム、黒いトロトロしたのはチョコレートだ。
ソレはオレの一番のオススメだ！
どうだ、美味いだろ」

「うん」



ミストルァルタがクレープを見て笑顔で言い、賢が得意気に話す。
ミストルァルタがソレに笑いながら返した。
そして再びクレープを頬張る。



「…サトゥ兄にぃ」


「ん？」



ミストルァルタがクレープを食べながら賢を呼び、賢がミストルァルタを見る。
ミストルァルタの前には綾瀬達も長椅子に座ってクレープを皆で食べていた。



「…これ、食べたら…、さ」



ミストルァルタがクレープを見つめながら、少しずつ、言いたいことを言う。