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幻想曲芸音楽団 ソレは自然邸──リトゥランヂェのもう一つの姿

幻想曲芸音楽団 ソレは自然邸──リトゥランヂェのもう一つの姿8

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綾瀬が何処か興奮したように、胸を躍らせて言う。
ミストルァルタはソノ言葉を聞きながら、目の前の舞台スティーズィアルァで踊るようにして跳ねる幻想曲芸音楽団の人達を見つめた。

舞台も、人々も、物語にも音楽にも、何もかもが壮大で、鮮やかな色と生命の息吹が見えて、ミストルァルタは心を奪われていた。
こんなにも美しく、壮大で綺麗なモノは見たことがなかった。



「なぁなぁ時、
コレさ、自然邸のヤツだったらいつでも見れるんじゃないのか?」



勇気だ。
勇気が時に近づき、後ろから時の隣に顔を出して言う。
ソレに時が舞台を見たまま返す。



「あぁ、基本的には許可さえ下りたら“いつでも”自由に裏から見学できる。
いつでも」

「良いなぁ…」



勇気が舞台を見ながら、羨ましそうに言う。


ミストルァルタが幻想曲芸音楽団の舞台を、心を奪われたまま見つめる。
壮大な曲と美しい動きで、心をふるわせる世界。
鮮やかな色が、綺麗な色が飛び交う。
ミストルァルタはソノ光景を、息をし忘れたかのように見つめ、魅入った。



「なぁなぁ、ミストル…、
って、おーい、ミストルー?」
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