ミストルァルタ 第一巻 失った記憶 と 八卦炉の“謎ノ石”

綾瀬の想い

綾瀬の想い2

訳が分からなかった。


突然黒い化物が現れて、
突然襲い掛かってきて、
突然変な少女と少年が現れて、
突然変な黒い手が現れて、

一瞬で…、ミストルァルタを飲み込んだ。




訳が分からなかった。


アノ日、傷だらけで倒れていたグラムヴィルの少年は記憶喪失で、
翌日、突然シータ王朝の者と名乗る者達が武力行使ともとれる協力を迫ってきて、
そして数日経った今日、突然記憶喪失のグラムヴィルの少年を狙う者が現れて、

記憶喪失のグラムヴィルの少年は一体何者なのだ、と考える間もなく…、そのグラムヴィルは黒い手に飲み込まれてしまった。



一瞬で訪れたソレに、少年と少女は狂ったような笑い声を挙げ、森を貫くように響き渡る。

綾瀬が目を見開いてソレを見つめる。