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賢の考え

賢の考え

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━━ソノ子供は あまりに繊細だった

笛の音が聴こえる──


━━ソノ子供は いつも何かを抱えているようだった

ソレは明らかに吹き慣れていた者のだった──


━━ソノ子供は とても無邪気で 綺麗な心を持っていた

感情豊かに 一音一音繊細で優しく──


━━ソノ子供は オレ達から見たら普通の子だったんだ

そして吹いているソノ子供は とても楽しそうで──


━━だから… 護ってあげないと ってなったんだ──

笑ったソノ姿は 本当に心からの感情だと感じたんだ──



[ - 第十体 賢の考え - ]



だから放っておけなかったんだ

アイツは濃い紫の服を靡かせて 涙を流して笑っていた


オレは家族として アイツの幸せを願う──

きっと… お前が呼んでいたひとも そうだったんじゃないか…?


オレは… ただただ家族として お前の幸せを願うよ──

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