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ピョートル大帝に、強訴の巻(十八話)
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ピョートル大帝は、ロシア・ロマノフ朝を確固たる帝国に築いた英雄である。
後進地だったロシアの近代化、ここに始まるである。ロシア帝国の父となる。
大北方戦争でスウェーデンに勝ったのち、葦の生い茂るネヴァ川河口に町を作った。
サンクト・ペテルブルグ。この300年の都はバルト海への出口として、ロシアを支えた。
そしてこの国は拡大の一途をたどる、スカンジナビア、バルト、ポーランド、バルカンへと。
歴代皇帝は続く、カフカス、中央アジア、シベリアへと侵略、征服の道を。
領土拡大は、この国の宿命なのかもしれない。
かつてのモンゴル支配の250年が終わり、このスラブ民族は目覚めたのではないか。
国とは土地だ、同族の地を広げよう、まわりを征服しよう、どこまでも、と。
ロシアは、ピョートル大帝がこの国を帝国に変えた。
彼は西欧に範を求めて、近代化を推し進めた。
使節団を250人位派遣し、その中には自身も偽名を使い、堂々と向かった。
2年に及ぶ各国の歴訪で思い知ったのである、我がロシアの未開さ、後進性を。
ここで、ピョートル大帝の言葉をのせる……
「我々に西欧が必要なのは、せいぜい、ここ数十年間のことだ」
「その後は、これに背を向けなければならない、これは手段であって目的ではない」
ロシアはロシアで行こう、と言う事か。
私はやはり、ロシアとヨーロッパは分けて考えた方がいいのではと思う。
根底が違う気がする、これはピョートル大帝が撒いた種なのか。
この国は専制国家を、まだ脱してはいない、ゆくゆくは民主国家へとなるのか。
あるいは、これがロシアの本当の体質なのか、時間では解決しないのか。
もしかして、今のプーチンは、これを是とし範としてはいないか。
この先は、物語で進めよう……
毛沢東 「お会いしとう願っておりました。中国の毛沢東と言います」
「お国とは昔は領土の事でもめてました。今は仲良くしとります」
「帝にお出まし頂き恐縮なれど、私は今、懸案を抱えておりま
して……」
ピョートル大帝「わかっておる、下界のロシアの事だな」
毛沢東 「はっ、まさにそこでありまする。あのプーチンとやらは、何者か
と」
「一人で戦争を起こしました。ロシア皇帝のつもりなのか、まっく
もって」
ピョートル大帝「わしには手に取るほどに、それは良くとわかるぞ」
「あの男を動かしておるのは、偽ロシア貴族の血よ」
「赤い血なのに、青い血に憧れていて、それで民を支配しようとす
る」
毛沢東 「青い血? 青い血とは、いかなるものでしょう……」
ピョートル大帝「わしの時代には、貴族が2割、後は農奴や、そこらや」
「教えてやる、黎明期のスラブはな、民ごとノルマン人に支配されて
た」
「スラブの語源は、奴隷だ。辛惨を嘗め尽くして来た」
「搾取される側として、幾世紀を生きながらえたのち、北へと逃れて
行った」
「追っ手の来ない極寒の地へとな、より北へとな」
「わかるか、奴隷だった民が、自らを奴隷と名乗る心が」
毛沢東 「その、奴隷と言う言葉を、民族の名としたと……」
ピョートル大帝「また、ロシアの語源はルーシーだ、これはノルマン人の事だ」
「われわれは、支配する側のノルマン人が羨ましかった」
「いつか支配する側になろう、なろうなろうと、な」
「それでノルマンがルーシーとなり、ロシアと変わったのだ」
「つまり支配する側、貴族になりたかったのだ、同族の中でな」
「これが青い血だ。農奴には自分達の血は青いと言ってきた」
「貴族はノルマン人になったつもりなのさ、同じ民なのにな」
毛沢東 「ああ、貴族に対する並々ならぬ思い、わかった様な気が致します
る」
「あのプーチンは、自分は貴族、それどころか皇帝かと」
「その、青い血には絶対に従えと、赤い民の血を流させています」
「下界では、スラブ同士で争ってます。何とかなりませぬか」
「あの男は、あなた様の真似をしておるやもしれません」
「だとすると、とんだ時代錯誤です。どうか鉄拳を喰らわしてくださ
れませ」
ピョートル大帝「毛沢東とやら、そんなんでは手緩すぎる、剣がいるぞ」
「スラブの同族討ちは許さん。お前は、赤い血だと思い知らせて
やる」
「わしの青い血が、戦を終わらす。あいわかった」
毛沢東 「一刻も早くにと、切に願い奉ります。奉ります……」
青い血と、赤い血。
なぜに昔のロシア貴族は、別の血が流れていると、そう農奴に言ったのか。
青い血による支配、これもロシアを解く鍵かもしれない。
これは太古の、多民族による抑圧の名残りなのか。
ロシア専制国家は、血を分けたがるのか、同じ血なのに……
後進地だったロシアの近代化、ここに始まるである。ロシア帝国の父となる。
大北方戦争でスウェーデンに勝ったのち、葦の生い茂るネヴァ川河口に町を作った。
サンクト・ペテルブルグ。この300年の都はバルト海への出口として、ロシアを支えた。
そしてこの国は拡大の一途をたどる、スカンジナビア、バルト、ポーランド、バルカンへと。
歴代皇帝は続く、カフカス、中央アジア、シベリアへと侵略、征服の道を。
領土拡大は、この国の宿命なのかもしれない。
かつてのモンゴル支配の250年が終わり、このスラブ民族は目覚めたのではないか。
国とは土地だ、同族の地を広げよう、まわりを征服しよう、どこまでも、と。
ロシアは、ピョートル大帝がこの国を帝国に変えた。
彼は西欧に範を求めて、近代化を推し進めた。
使節団を250人位派遣し、その中には自身も偽名を使い、堂々と向かった。
2年に及ぶ各国の歴訪で思い知ったのである、我がロシアの未開さ、後進性を。
ここで、ピョートル大帝の言葉をのせる……
「我々に西欧が必要なのは、せいぜい、ここ数十年間のことだ」
「その後は、これに背を向けなければならない、これは手段であって目的ではない」
ロシアはロシアで行こう、と言う事か。
私はやはり、ロシアとヨーロッパは分けて考えた方がいいのではと思う。
根底が違う気がする、これはピョートル大帝が撒いた種なのか。
この国は専制国家を、まだ脱してはいない、ゆくゆくは民主国家へとなるのか。
あるいは、これがロシアの本当の体質なのか、時間では解決しないのか。
もしかして、今のプーチンは、これを是とし範としてはいないか。
この先は、物語で進めよう……
毛沢東 「お会いしとう願っておりました。中国の毛沢東と言います」
「お国とは昔は領土の事でもめてました。今は仲良くしとります」
「帝にお出まし頂き恐縮なれど、私は今、懸案を抱えておりま
して……」
ピョートル大帝「わかっておる、下界のロシアの事だな」
毛沢東 「はっ、まさにそこでありまする。あのプーチンとやらは、何者か
と」
「一人で戦争を起こしました。ロシア皇帝のつもりなのか、まっく
もって」
ピョートル大帝「わしには手に取るほどに、それは良くとわかるぞ」
「あの男を動かしておるのは、偽ロシア貴族の血よ」
「赤い血なのに、青い血に憧れていて、それで民を支配しようとす
る」
毛沢東 「青い血? 青い血とは、いかなるものでしょう……」
ピョートル大帝「わしの時代には、貴族が2割、後は農奴や、そこらや」
「教えてやる、黎明期のスラブはな、民ごとノルマン人に支配されて
た」
「スラブの語源は、奴隷だ。辛惨を嘗め尽くして来た」
「搾取される側として、幾世紀を生きながらえたのち、北へと逃れて
行った」
「追っ手の来ない極寒の地へとな、より北へとな」
「わかるか、奴隷だった民が、自らを奴隷と名乗る心が」
毛沢東 「その、奴隷と言う言葉を、民族の名としたと……」
ピョートル大帝「また、ロシアの語源はルーシーだ、これはノルマン人の事だ」
「われわれは、支配する側のノルマン人が羨ましかった」
「いつか支配する側になろう、なろうなろうと、な」
「それでノルマンがルーシーとなり、ロシアと変わったのだ」
「つまり支配する側、貴族になりたかったのだ、同族の中でな」
「これが青い血だ。農奴には自分達の血は青いと言ってきた」
「貴族はノルマン人になったつもりなのさ、同じ民なのにな」
毛沢東 「ああ、貴族に対する並々ならぬ思い、わかった様な気が致します
る」
「あのプーチンは、自分は貴族、それどころか皇帝かと」
「その、青い血には絶対に従えと、赤い民の血を流させています」
「下界では、スラブ同士で争ってます。何とかなりませぬか」
「あの男は、あなた様の真似をしておるやもしれません」
「だとすると、とんだ時代錯誤です。どうか鉄拳を喰らわしてくださ
れませ」
ピョートル大帝「毛沢東とやら、そんなんでは手緩すぎる、剣がいるぞ」
「スラブの同族討ちは許さん。お前は、赤い血だと思い知らせて
やる」
「わしの青い血が、戦を終わらす。あいわかった」
毛沢東 「一刻も早くにと、切に願い奉ります。奉ります……」
青い血と、赤い血。
なぜに昔のロシア貴族は、別の血が流れていると、そう農奴に言ったのか。
青い血による支配、これもロシアを解く鍵かもしれない。
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