誠実であることは難しい

びっとのびっと

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二度目の初体験について

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大福餅は譲という名前で、俺より6歳年上の会社員だった。
最初に一緒にいたガタイのいい連れは会社の別部署の先輩で、たまたま新宿で会ったのをキッカケによくつるんでいるらしい。ものすごいメンクイとのことだった。

しんちゃんは美人じゃないけど、すごくモテそう、と譲は言っていた。俺もそう思う。


一回目のデートは鎌倉へドライブに連れていってくれた。うっそうとした雑木林の入り口には錆びたバス停。こんなところに?と不思議に思ったが、暗い小径をしばらく歩くと、突然明るい海岸に出た。空の青と海の青が眩しい。
夏目漱石の名作にふさわしい、美しい場所。

「タクシーの運ちゃんが教えてくれた穴場なんだ。」
俺の様子を見て、満足げに譲が言った。

すぐ隣は由比ヶ浜なのに、驚くほど人が少なくて、ひっそりとしている。それがまた良い。
「小説とは違うな」と言ったが、譲には通じなかった。


しばらく景色を楽しんでから車に戻り、途中のレストランでシーフードカレーを食べた。
そして、そのあとは譲の家に行った。

流行のロフト付きの広いワンルームのそこは、茶色や青を基調とした落ち着いた部屋だった。小さなテレビに大きなオーディオ、壁にはパティ・スミスのレコードや、ケルアックの詩集、バロウズの小説が飾られている。
なんとなく、彼は良いとこの坊ちゃんなんじゃないかと思った。整理整頓された、おしゃれなインテリア。

会話もなく、ただ一言「来て。」と、ロフトベッドに誘われた。
身をかがめて入る、狭くて隠された空間。譲の匂い。
譲は笑みを浮かべている。薄暗いなか彼の瞳だけが光に反射してきらきらしていた。
寝ころがる彼に、覆いかぶさってキスをする。
腕を回し、指を絡め、足を絡め、舌を絡める。

彼がおもむろに俺のメガネを外すと
「あれ?俺、メンクイだったっけ・・・?」と言った。

俺が笑うと、彼もまた笑ってキスをする。
二人の硬いものを服越しにゆっくりとこすり合わせた。
ジッパーを下げ、下着のうえから指の背で裏筋をゆっくりなぞると、気持ちよさそうなため息をふっと吐く。
深いキスをねだられ、それに応えながら彼のかたちを手のひらや指先で楽しんだ。

この時、俺ははじめてフェラをした。舌でかたちをなぞり、歯を立てないように口に含む。最初はうまくできるか心配したが、彼のくぐもった声に興奮して、だんだん夢中になって味わった。

「あ!」と彼が小さく叫ぶ。
俺の口の中で射精したのだ。すっかり吐き出してから、我にかえった彼は「ティッシュ・・・」とあわあわしていたが、俺が「飲んだ」と言ったら「えー!えー!」と、びっくりしていた。

申し訳なさそうに「ごめん。」と言うので、笑って「いいよ」と返すと嬉しそうにした。

また二人で寝ころがってキスを再開する。彼がローションを取り出すと、俺のものに塗りはじめた。今度はこっちが喘がされる番だった。
彼の太ももに擦りつけて達ったり、俺がローションで彼のものを手で弄ったり、夜遅くまでずっと絡み合っていた。 
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