誠実であることは難しい

びっとのびっと

文字の大きさ
21 / 50

二人組について

しおりを挟む
二人組は、ニッシーと純といった。

ニッシーは小柄だが日焼けしてスポーツマンといった感じで、笑うと糸目になった。趣味はサーフィン。彼氏が4人いると言う。

「セフレじゃないの?」
「これがさあ、ちゃんと彼氏なんだなあ~。」
「へー、モテるんだな」
「クリスマスとか記念日は大変なのよ。タイムスケジュールが。」

同じ映画を四回観たりするらしい。凄まじい努力だ。そのなかに3年も付き合っている本命が一人。
「すっごい嫉妬深くて恐いの。」

なのに浮気するのか・・・。


純も付き合って1年になるという彼氏がいた。


「どうやったら長く付き合ってもらえるんだろう」俺がぼやくと

「うーん。こまめに連絡するとか?」と言われて、また譲に言われたことを思い出す。まったく、しょうもない。

てっきり二人が付き合っているのかと思っていたが、ただの気の合う友だちだそうだ。お互い彼氏の愚痴を言い合っている。ニッシーの嫉妬深い彼氏も、純ならO.K.とのことだった。


純はひょろっとした色白メガネで神経質そうに見えるが、よく喋るし性格はおだやかな感じだ。


「しんちゃん狙ってたの?フケ専?」とニッシーに聞かれた。
「いや、そんなおこがましいよ・・・」と俺が言うと

「「おこがましい・・・」」と二人がハモった。

「なんか、あんた若者っぽくないわね。」
「まあでも、しんちゃんは相手いるって言ってた。愛されてるから浮気はしないの~、って。」

しんちゃんらしくて、微笑ましかった。

ニッシーが「お腹空いたから居酒屋行かない?」と言い出したので店を変えて、その夜は食べて飲んでしゃべり倒した。


二人とはまた会おうと約束をして、連絡先を交換した。
ニッシーは彼氏がたくさんいるのと、商社に勤めているせいで忙しいらしく、ごくたまにしか会えない。純はレンタルビデオ店の社員。映画の話も面白かったが、俺と食べものの好みが合うせいか、食事によく誘ってくれた。


「ニッシーはさ、毎回必ず居酒屋なんだよ。から揚げ、枝豆、バターコーンばっかり。」
「俺は最近、もつ煮込みを知った」
「お酒飲めないくせに、そういうの好きだよね。」

純は和食好きだった。池波正太郎の大ファンで、先生の作品に倣って、深川めしとか、どじょう鍋とか、蕎麦を食べたがる。


「長野の方が蕎麦うまいじゃん。更科とか」
純は長野出身だ。
「よく知ってるね。でもさ、東京の方が食べ方が粋なのよ。揚げたての蕎麦に塩ふっておつまみにするとかさ。」

話の途中で、純の顔がくもった。
「ごめん。僕の話、つまんないよね?」
えっ?と驚いて
「いや全然?すごく楽しいよ」と言った。

「この間借りたエッセイも面白かった」
お店に行く前の下準備としてグルメエッセイを読まされたが、お店への期待も高まったし、ただ食べる味わうだけじゃなく、食の由来も愉しむという話が良かった。


「そう?そっか。」
純がホッとして笑った。 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

処理中です...