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その226. 幻想振動症候群
しおりを挟む録音した自分の声を聞くと、「普段の自分の声と違う……」という違和感を覚えると思います。
他人の耳に聞こえる「自分の声」は、空気の振動で伝わる音。
一方、普段から聞いている「自分で聞く自分の声」は、空気の振動と、声を発した時の骨の振動、この2種類が混ざった音を同時に聞いているのです。骨から伝わる音は「骨導音(こつどうおん)」と呼ばれます。
録音した声は、混ざった2種類の音から「骨導音」が除かれ、空気の振動で伝わる1種類の音だけになるので「なんだか自分の声じゃないような気がする」と感じるわけです。
電話で話している時、相手に聞こえている「自分の声」は、さらに違う声になります。
スマホや携帯電話で話している声は、「本人の声」ではないのです。
肉声そのままを通信で使った場合、個人差による微妙な音声の波形の差を分析して完全再現し……というのは、非常にデータ容量が大きくなるのです。
なので、スムーズに音声通話ができるように、コンピュータの中にストックしてある数千種類もの声のサンプル(コードブックというそうです)から、「元の声に近い声」のパターンが選ばれて、自動で合成されます。
その合成音声を電波に乗せて届けることで、容量を小さくするという仕組みです。
元々知っている知人や友人など、電話で話しても、声に違和感を覚えることはありません。
それだけ、似た声を選んで合成しているということになります。
他の人から「こないだ電話して思ったけど、家族で声が似てるよねえ」と言われるのなら、もしかするとコンピュータが「同じ声のサンプル」を使っている可能性があります。
電話雑学を、もうひとつ。
ポケットに入れているスマホが、ブルルッと振動した気がして「何かの通知かな?」と取り出してみると、通知も着信も無い。
この現象を「ファントム・バイブレーション・シンドローム」、日本語だと「幻想振動症候群」と呼ぶそうです。
スマホを入れたポケットで生地の摩擦を起こし、ちょっとした刺激を「振動」と錯覚してしまうことから、起きるようですが。
単なる「勘違い」にしては、大仰な呼び方だなあ……と笑う前に、もしもこの現象が頻繁に起きるようであれば、振動に対して脳が過敏に反応している、ストレスの証拠。
友人や仕事の電話など、しょっちゅう連絡が入るものだから、ある種の「依存症」となり、精神的に負担になっているのかもしれません。
時には、割り切って、出かけた先で電源を切って「デジタル・デトックス」を試してみるのは、いかがでしょうか?
(私もやってみたいですけどね……実際にやったら「なんで出ないんだ!」って上司に怒られるだろうしなあ、きっと)
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