スライムが"ニンゲン"を誤解していく過程

文字の大きさ
15 / 18

XV

しおりを挟む
「欲求不満だと?何をふざけたことを」
「ふざけていませんよ。私が夢の中に現れたのが事実です」
「こんなにリアルな夢などあるものか」
「本当に?ベットの上にもう一人の貴方がいるのに?」

 展開が早すぎて話の内容はさっぱりで頭を回らせている間に勝手に身体が"ニンゲン"に変わっていた。いつの間に。アルはボクを見て驚愕していた。

「わ、私がもう一人...」
「そうです。貴方の夢なのだからもう一人ぐらい貴方がいても可笑しくありません」

 悪魔がスッとアルに近づいて耳元で何かを言うと、アルの顔が真っ赤になった。

「さあ、オウジサマ、気持ちイイことをしましょうね?」

 アルは悪魔にベットに転がされ両手を何処からか取り出した柔らかそうな布で括られた上に、アルとボクの片方の足まで同じような布で縛られた。なんで、ボクまで縛られたの???

 前のように魔法陣の上ではないので、のんびりとした気持ちになっていたが、悪魔がアルの乳首を舐めてボクまで感じたことで考えが一転した。どうして感じるのか、意味が分からない。
 アルの乳首が摘まれ引っ掻かれるとボクもビクビクと身体を震わせた。

「ああ、もう一人の貴方は感じたことに対してとても素直な反応をしていますね」
「っだ、黙れ」
「オウジサマ、乳首で感じてるんでしょう?」
「ッッ感じてなどいない!」
「王族の男性が、しかもスライムに開発されるなんて」
「ンッ、その口...を...閉じろ」
「とても淫乱、ですね?」
「っっンンンッッ」

 アルがとても気持ちイイになっているからボクもとても気持ちイイになっていて身体をぎゅっと抱きしめた。

「言葉で感じてイったんだ、貴方は」
「な..なんと無礼な!!」
「無礼?ふふっ、夢の中でまで王族をこなすなんて大変ですねオウジサマ?」

「本当は私にこうされたいのに」と悪魔はアルの下半身の棒を触り手で上下させた。

「や、やめっっ」
「止めろ?では、オウジサマのおちんちんが大人しくなったら止めましょうか?」
「ッッアッ!!ぅんん、さ、わるな」
「先端を弄られただけで声も我慢できないのにお可愛らしいですね?もっと気持ち良くなりましょうね?」

 アルの棒が悪魔の手で激しく擦られ、ボクの身体も気持ちイイでいっぱいになったとき、アルの高くて可愛い声がヘヤに響き渡った。

「上手にイケましたね?」
「はぁはぁっっ、なんで男に....」
「なんで?何ででしょうね?オウジサマの記憶がない1ヶ月の間に何があったのか」
「や、」
「お尻の穴から垂れる精液、いつの間にか性感帯にされていた乳首」
「っっやめ、やめろ」
「スライムはむしろ救いだったのでは?言い訳ができましたもんね?スライムのせいで乳首が感じるって」
「ッッッ」
「ぁあ、歯を噛み締めないで。私は貴方の夢。貴方の願望です。貴方の望みは誰よりも知っている。本当は乳首を弄られながらお尻の穴をおちんちんでいっぱいにしてほしくて堪らない」
「なにがっっ何が願望だ!!」

 アルが暴れるからボクも引きづられて身体がジタバタした。
 そうしてるうちにコテリとアルが寝てしまってギョッとした。悪魔がクスクスと笑っているので、きっと悪魔の仕業だろう。

「オウジサマ、なかなか楽しいよね♪」と笑っているが、アルは多分楽しくなかったと思った。何だかいっぱい怒ってたし。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました

あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」 穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン 攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?   攻め:深海霧矢 受け:清水奏 前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。 ハピエンです。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。 自己判断で消しますので、悪しからず。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中  二日に一度を目安に更新しております

異世界に勇者として召喚された俺、ラスボスの魔王に敗北したら城に囚われ執着と独占欲まみれの甘い生活が始まりました

水凪しおん
BL
ごく普通の日本人だった俺、ハルキは、事故であっけなく死んだ――と思ったら、剣と魔法の異世界で『勇者』として目覚めた。 世界の命運を背負い、魔王討伐へと向かった俺を待っていたのは、圧倒的な力を持つ美しき魔王ゼノン。 「見つけた、俺の運命」 敗北した俺に彼が告げたのは、死の宣告ではなく、甘い所有宣言だった。 冷徹なはずの魔王は、俺を城に囚え、身も心も蕩けるほどに溺愛し始める。 食事も、着替えも、眠る時でさえ彼の腕の中。 その執着と独占欲に戸惑いながらも、時折見せる彼の孤独な瞳に、俺の心は抗いがたく惹かれていく。 敵同士から始まる、歪で甘い主従関係。 世界を敵に回しても手に入れたい、唯一の愛の物語。

処理中です...