愛せなくても、

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「っっ君のことが好きなんだ!!」

 そう、婚約者に言われたら本来なら喜びで溢れるような言葉だけれど、私にとっては違った。

 不可解、不愉快、不快?どう言葉で表せばいいのか分からない程、その言葉を私に向けてきた婚約者が理解できない。

「...えっと」

「い、今まですまなかった...酷い態度ばかりとってきた。けど、これからは君を傷つけるようなことはしない!」

 婚約者の横で見守っていた、婚約者の親友がこちらに近づいてきた。

「俺から見ても本当に酷い態度だったと思う...でも、こいつが変われるように俺も支えるから!」

「....???」

(今まで何の変化もなかったのに??)

 婚約者と婚約者の親友の言葉が理解できない。
 彼と婚約をしてからもう10年だ。8歳の頃に婚約してから10年。来月に結婚式があるこのタイミングで。
 家門のための結婚とはいえ、お互い嫌悪してるのだから白い結婚ですむと思っていたのに。
 貴族としての義務に加えて、妻としての義務まで果たす必要性がでてきた。

「そうですか」

「~~~!!~~~、~~~!」

 婚約者が何かを話しているけれど、話が頭に入らなかった。絶望をしているというよりも、ただただ疲れていた。

 今までの度重なる浮気。贈り物などはもし贈られてきたとしても腹ただしいだけなので必要ないが、エスコートのいる場でも他の女性を連れ歩き、婚約者としての最低限の役割を放棄していた目の前の相手。

 社交界でどれだけ馬鹿にされ、無視され、嘲笑われてきたかを知らないのだろうか。

 怒り、嫌悪感、憎しみ、それらを超えて、最近はただただ疲れしか感じない婚約者。

(...どうでもいい)

 どうでもいい、どうでもいい、と心の中で繰り返していると気づいたら帰りの馬車に乗っていた。

 来月の結婚式がより一層、憂鬱になっただけであった。

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