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01;プロローグ
死にたくない・・・「また」死ぬなんて・・・嫌・・・・
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痛い痛い
熱い熱い
背中が熱い
床に倒れた私の周りが濡れていく
これは血?
死にたくない・・・「また」死ぬなんて・・・嫌・・・・
『・・・・お義母様・・・・』
この痛みの元である継母(はは)
を見て、どうにか口を動かしてみる・・・そのまま意識が無くなった。
いつからだろう、痕が残るように鞭で血があふれるような折檻を受けるようになったのは。
伯爵家の長女で一人娘だった私。
お母様が生きていた頃はお父様も優しくてよく遊んでくれていた。
「可愛い私のファティマ」
お母様は、いつもちょっと癖の有る金色の私の髪をなでてくれた。
「ファティマの目はお母様そっくりだな、綺麗な青色だ」
そうやさしく見つめてくれたお父様。
とても穏やかで幸せな日々だった。
4歳の時、お母様が病で亡くなってからお父様が可笑(おか)しくなった。
何時もお酒の匂いをさせて、きつい香水の匂いがしたときもある。
悲しくて悲しくて部屋に閉じこもりぎみになり、お父様が私に声を掛けなくなった。
転機は1年後、私が酷い風邪を引いて寝込んだ時、さすがに心配したお父様が酒も飲まず私の看病をしてくださった、その時の私の乳母から、
「奥様だけでなくファティマ様も居なくなったらどうするおつもりですか、いつも寂しいと泣いているお嬢様を見ていられません」
と怒られ息の荒い私を見て何かが変わったのだろう、それからお父様は再び仕事に精を出し、私の部屋にも良く訪れるようになった。
「ファティマ、寂しいか?」
「ううん、今はお父様が居るしばあやもいるから寂しくありません」
そう言ってお父様ににすがりつく。すると、私の頭を優しくなでてくれた。
寂しいと体で訴えてしまったのだった・・・・。
その後しばらくして新しいお義母様が二人のお姉さまと一緒にお父様に連れられて屋敷にいらした。
嬉しかった、これでまた楽しい日がくる、新しくお姉さまも出来るなんて幸せ・・・と思ったのに。
ーーーーーーーーーーーー
「ファティマ、これから彼女がこの館の女主人になるドレメン婦人だ。そして、2人は彼女の娘で姉のマライシア、妹のマリゼラだ。これから仕事で家を空けることが多いので来て貰った、世話をして貰いなさい。」
仕事から帰った父が、着替えもせず応接室で3人を紹介された。
黒髪に紫の瞳のちょときつい顔の美人なドレメン婦人、黒を基調にした旅用のドレスを着ていた。
上の姉は赤茶髪に茶色い目のマライシア8歳、緑のドレスに緑の帽子、ちょとくたびれたドレスだった。
下の姉は茶色い髪にグレーの瞳のマリゼラ6歳、オレンジのドレスにピンクの帽子が茶色い髪に合ってない、ちぐはぐな出で立ちだった。
そして二人の姉の容姿はちょっと残念。ドレメン婦人はそこそこ美人で似てないなと思った。
「よろしくお願いします、ボーネット伯爵家の娘のファティマと申します、仲良くしてください」
ドレスの端をつまんで淑女の礼をした。
「聡明なお嬢様ですこと、5歳にしてすばらしい礼儀ですわ。さすが明主と名高いボーネット伯爵家のご令嬢ですわね。宜しくお願いしますわファティマさん」
怪しく笑うドレメン婦人、横で落ち着きの無い二人の姉が騒いでいた。
最初は父親も週に一度は帰ってきていたため、3人は普通に私に接していた。
少し躾けに厳しいドレメン婦人だったが、それ以外は問題なく過ごしていたと思う・・・
そして5年が経ち、10歳になった私。目の前に遠くの外国に仕事に行っている父からの贈り物、包みには私の名前が書かれている。でもそれをマライシアお姉さまに取り上げられた。
「だんな様は当分帰って来られないそうよ、5年から10年は向こうに居るんですって、娘を宜しくって!ふっははははっ!やっと自由に出来るわね・・・」
その様子を見て不敵に笑う継母、私は呆然としていた。あれ?私宛のお土産なのに?あれ?
「マライシアお姉さま?それ私のですわ・・・」
荷物に手を伸ばすと・・
バシッ・・・・ドンッ
継母から平手が飛んできて、バランスを崩した私はそのまま床に倒れこむ。
何が起こったのかわからず叩かれた頬を手で覆い、涙目で継母を見た。
そこには不適に笑う3人の顔があった。
包みに入っていたのは外国の流行りのドレス。
「マリゼラに似合いそうねサイズも合うし」
マライシアお姉さまが包みから出したドレスを、マルゼラお姉さまに当てがう。
サイズが合うのは当たり前、私のサイズだとお姉さまのサイズをお父様に連絡していたらしい。
お姉さまはご機嫌だった。
それから地獄が始まった。
部屋を追い出され、屋根裏の暗く寒い部屋に追い立てられた。
「これから屋敷のことはあなたがやるのよ、手を抜いたらお仕置きですわよ!」
鞭を持って、みすぼらしい服を投げつけられ言われた。
恐怖で何も言い返せなかった。
今まで手は挙げられなかったが、厳しい言動をされていて萎縮してしまっていたから。
屋敷で働いて居たものたちは、最初いろいろ言ってくれたが、言うと私に鞭が打たれるのと、どんどん解雇されていくので言えなくなって行った。
数ヶ月後には乳母やそれまで務めていた者達は皆解雇されていた。新たに来たのはガラの悪い少女だった。
「あんた酷い恰好ね~本当はあんたが正式なこの家の娘なんでしょう?キャハハいい気味、私貴族って大嫌いなのよね」
ロザリーと言ったその少女はメイド服の裾をまくって大またで椅子に座り、こちらを睨みつけていた。
軽く掃除はしていたが、殆ど何もせず私の監視をしている様だった。
調理人は通いで昼と夕食のみ、朝食は私が準備していたので朝は早い。鞭で叩かれた翌朝はとても辛かった。冬の寒さもこたえた。朝のこともあるので、厨房の暖炉の脇で寝ていたら灰だらけになっていたので
「灰かぶり」と呼ばれるようになった。
さらに6年後、もうすぐ16歳になる私だが、栄養失調で体が小さくガリガリの私。
かたや姉たちは体は大きく、太ってはいないががっちりとした体形になっていた。
ある日、執務室に呼ばれたので、端に控えていると
「王宮からの舞踏会の招待状よ!」
上の姉のマライシアが王都からの郵便屋が持ってきた封筒を開いて大はしゃぎしていた。
「第二王子の婚約者選びね、15歳以上の貴族令嬢全員に招待状を送るって書いてあるわ3通あるわね」
「え?なんで3通?お母様に?」
馬鹿なことを言うのはボーとした感じの下の姉のマリゼラだった。
「一応「灰かぶり」にも来てるみたいね・・・・でも・・・要らないわね、どうせドレスも無いのだし」
マライシア姉上は私に向かってにやけた笑みを向けた。
私はグッと悔しい気持ちを抑えて無表情に務めた。
(もう少しの辛抱!この家を出るまでの・・・)
腕の消えない鞭の跡をさすりながら唇をかみしめた。
ロザリーとはそれなりに仲良くやっていた。
「はぁ~あんたも、不憫よね」
ため息をつきながら私を見て言う。
いつの間にかそれが彼女の私に対する口癖になった。
元から悪い子ではなかったらしく、かばってくれることはないが、彼女自身が私をいじめることがなかったのが救いだった。
ロザリーがその口癖になったのは何時だったか、虫の居所が悪かったお継母様が鬼の形相で帰って来ると、私の髪をつかみ床に叩きつけた。
「ぐっ・・・・お義母様!?きゃぁ!」
ばしっ!
すさまじい痛みが背中を駆け巡った
お継母様はいつもの馬用の鞭ではなく、戦闘用の鞭を手に持っていたのだ。
ばしっ!
先に刃のついたそれは私の肉を削る・・・
「お母様!どうされたの?だめです!さすがに死んでしまいますわ!」
マライシア姉上が止めてくれたが、背中が熱くて、体が動かなった。
床が私の血で濡れていくのがわかった。
(あ!・・・・死ぬ・・・・)
痛い痛い
熱い熱い
背中が熱い
死にたくない・・・「また」死ぬなんて・・・嫌・・・・
そう思ったとき、頭の中で何か膜のようなものが壊れた感覚があった。それが何なのか確かめる前に私は意識を手放した。
熱い熱い
背中が熱い
床に倒れた私の周りが濡れていく
これは血?
死にたくない・・・「また」死ぬなんて・・・嫌・・・・
『・・・・お義母様・・・・』
この痛みの元である継母(はは)
を見て、どうにか口を動かしてみる・・・そのまま意識が無くなった。
いつからだろう、痕が残るように鞭で血があふれるような折檻を受けるようになったのは。
伯爵家の長女で一人娘だった私。
お母様が生きていた頃はお父様も優しくてよく遊んでくれていた。
「可愛い私のファティマ」
お母様は、いつもちょっと癖の有る金色の私の髪をなでてくれた。
「ファティマの目はお母様そっくりだな、綺麗な青色だ」
そうやさしく見つめてくれたお父様。
とても穏やかで幸せな日々だった。
4歳の時、お母様が病で亡くなってからお父様が可笑(おか)しくなった。
何時もお酒の匂いをさせて、きつい香水の匂いがしたときもある。
悲しくて悲しくて部屋に閉じこもりぎみになり、お父様が私に声を掛けなくなった。
転機は1年後、私が酷い風邪を引いて寝込んだ時、さすがに心配したお父様が酒も飲まず私の看病をしてくださった、その時の私の乳母から、
「奥様だけでなくファティマ様も居なくなったらどうするおつもりですか、いつも寂しいと泣いているお嬢様を見ていられません」
と怒られ息の荒い私を見て何かが変わったのだろう、それからお父様は再び仕事に精を出し、私の部屋にも良く訪れるようになった。
「ファティマ、寂しいか?」
「ううん、今はお父様が居るしばあやもいるから寂しくありません」
そう言ってお父様ににすがりつく。すると、私の頭を優しくなでてくれた。
寂しいと体で訴えてしまったのだった・・・・。
その後しばらくして新しいお義母様が二人のお姉さまと一緒にお父様に連れられて屋敷にいらした。
嬉しかった、これでまた楽しい日がくる、新しくお姉さまも出来るなんて幸せ・・・と思ったのに。
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「ファティマ、これから彼女がこの館の女主人になるドレメン婦人だ。そして、2人は彼女の娘で姉のマライシア、妹のマリゼラだ。これから仕事で家を空けることが多いので来て貰った、世話をして貰いなさい。」
仕事から帰った父が、着替えもせず応接室で3人を紹介された。
黒髪に紫の瞳のちょときつい顔の美人なドレメン婦人、黒を基調にした旅用のドレスを着ていた。
上の姉は赤茶髪に茶色い目のマライシア8歳、緑のドレスに緑の帽子、ちょとくたびれたドレスだった。
下の姉は茶色い髪にグレーの瞳のマリゼラ6歳、オレンジのドレスにピンクの帽子が茶色い髪に合ってない、ちぐはぐな出で立ちだった。
そして二人の姉の容姿はちょっと残念。ドレメン婦人はそこそこ美人で似てないなと思った。
「よろしくお願いします、ボーネット伯爵家の娘のファティマと申します、仲良くしてください」
ドレスの端をつまんで淑女の礼をした。
「聡明なお嬢様ですこと、5歳にしてすばらしい礼儀ですわ。さすが明主と名高いボーネット伯爵家のご令嬢ですわね。宜しくお願いしますわファティマさん」
怪しく笑うドレメン婦人、横で落ち着きの無い二人の姉が騒いでいた。
最初は父親も週に一度は帰ってきていたため、3人は普通に私に接していた。
少し躾けに厳しいドレメン婦人だったが、それ以外は問題なく過ごしていたと思う・・・
そして5年が経ち、10歳になった私。目の前に遠くの外国に仕事に行っている父からの贈り物、包みには私の名前が書かれている。でもそれをマライシアお姉さまに取り上げられた。
「だんな様は当分帰って来られないそうよ、5年から10年は向こうに居るんですって、娘を宜しくって!ふっははははっ!やっと自由に出来るわね・・・」
その様子を見て不敵に笑う継母、私は呆然としていた。あれ?私宛のお土産なのに?あれ?
「マライシアお姉さま?それ私のですわ・・・」
荷物に手を伸ばすと・・
バシッ・・・・ドンッ
継母から平手が飛んできて、バランスを崩した私はそのまま床に倒れこむ。
何が起こったのかわからず叩かれた頬を手で覆い、涙目で継母を見た。
そこには不適に笑う3人の顔があった。
包みに入っていたのは外国の流行りのドレス。
「マリゼラに似合いそうねサイズも合うし」
マライシアお姉さまが包みから出したドレスを、マルゼラお姉さまに当てがう。
サイズが合うのは当たり前、私のサイズだとお姉さまのサイズをお父様に連絡していたらしい。
お姉さまはご機嫌だった。
それから地獄が始まった。
部屋を追い出され、屋根裏の暗く寒い部屋に追い立てられた。
「これから屋敷のことはあなたがやるのよ、手を抜いたらお仕置きですわよ!」
鞭を持って、みすぼらしい服を投げつけられ言われた。
恐怖で何も言い返せなかった。
今まで手は挙げられなかったが、厳しい言動をされていて萎縮してしまっていたから。
屋敷で働いて居たものたちは、最初いろいろ言ってくれたが、言うと私に鞭が打たれるのと、どんどん解雇されていくので言えなくなって行った。
数ヶ月後には乳母やそれまで務めていた者達は皆解雇されていた。新たに来たのはガラの悪い少女だった。
「あんた酷い恰好ね~本当はあんたが正式なこの家の娘なんでしょう?キャハハいい気味、私貴族って大嫌いなのよね」
ロザリーと言ったその少女はメイド服の裾をまくって大またで椅子に座り、こちらを睨みつけていた。
軽く掃除はしていたが、殆ど何もせず私の監視をしている様だった。
調理人は通いで昼と夕食のみ、朝食は私が準備していたので朝は早い。鞭で叩かれた翌朝はとても辛かった。冬の寒さもこたえた。朝のこともあるので、厨房の暖炉の脇で寝ていたら灰だらけになっていたので
「灰かぶり」と呼ばれるようになった。
さらに6年後、もうすぐ16歳になる私だが、栄養失調で体が小さくガリガリの私。
かたや姉たちは体は大きく、太ってはいないががっちりとした体形になっていた。
ある日、執務室に呼ばれたので、端に控えていると
「王宮からの舞踏会の招待状よ!」
上の姉のマライシアが王都からの郵便屋が持ってきた封筒を開いて大はしゃぎしていた。
「第二王子の婚約者選びね、15歳以上の貴族令嬢全員に招待状を送るって書いてあるわ3通あるわね」
「え?なんで3通?お母様に?」
馬鹿なことを言うのはボーとした感じの下の姉のマリゼラだった。
「一応「灰かぶり」にも来てるみたいね・・・・でも・・・要らないわね、どうせドレスも無いのだし」
マライシア姉上は私に向かってにやけた笑みを向けた。
私はグッと悔しい気持ちを抑えて無表情に務めた。
(もう少しの辛抱!この家を出るまでの・・・)
腕の消えない鞭の跡をさすりながら唇をかみしめた。
ロザリーとはそれなりに仲良くやっていた。
「はぁ~あんたも、不憫よね」
ため息をつきながら私を見て言う。
いつの間にかそれが彼女の私に対する口癖になった。
元から悪い子ではなかったらしく、かばってくれることはないが、彼女自身が私をいじめることがなかったのが救いだった。
ロザリーがその口癖になったのは何時だったか、虫の居所が悪かったお継母様が鬼の形相で帰って来ると、私の髪をつかみ床に叩きつけた。
「ぐっ・・・・お義母様!?きゃぁ!」
ばしっ!
すさまじい痛みが背中を駆け巡った
お継母様はいつもの馬用の鞭ではなく、戦闘用の鞭を手に持っていたのだ。
ばしっ!
先に刃のついたそれは私の肉を削る・・・
「お母様!どうされたの?だめです!さすがに死んでしまいますわ!」
マライシア姉上が止めてくれたが、背中が熱くて、体が動かなった。
床が私の血で濡れていくのがわかった。
(あ!・・・・死ぬ・・・・)
痛い痛い
熱い熱い
背中が熱い
死にたくない・・・「また」死ぬなんて・・・嫌・・・・
そう思ったとき、頭の中で何か膜のようなものが壊れた感覚があった。それが何なのか確かめる前に私は意識を手放した。
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