灰いかぶり令嬢の物語

朋 美緒(とも みお)

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08;魔女のおばあさん

神獣、フェンリル・アレキサンアダー

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「ここから出ましょう」
「え?....ここは何処?」

私しか見えない真っ暗な世界、おばあさんの顔がみるみる青くなる

「大丈夫、転移魔石があります」

マジックバックから石を出した

「掴まってください」

いしを床に叩きつけようとした....

コロン....

割れずに足元に転がる石

「....あれ?」
「ふよふよしてますものね・・・この床」
「えーと、まずいかも、どうしよう、どうしよう、どうしよう」
「ちょっ、ちょっと落ち着いて・・・?あら?なにか落ちたわよ」

くるくると焦りながら体を動かしていたらなにかがマジックバックから落ちたようだった。

冷や汗を流す私、その時世界が揺れた、何故か転移魔石が突然割れた、目の前の風景が変わる。








「ギルさん!」

魔女のおばあさんのベットの横に傭兵上がりの冒険者、ギルが立っていた

「なぜギルさんが....手に持っているのは何ですか?」
「聖水だ、クエストからなかなか帰ってこないから、メアリーに頼まれて探しに来たら、この変なのが此処でぐーすか寝てるだろう?気配からして、聖水が効きそうだったからかけてみたら、当たりだったようだな」


ベットには息絶え絶えの、闇袋狼が寝ていた

「あ!さっき落ちたの....自分命名、聖光ボム、アンデットに出会った時のために広範囲光属性爆弾として作ったやつだ」
「なんか様子が可笑しいぞ」
「闇袋から光が漏れ出しているぞ」
「爆発したかな?」

『グェェェ!熱い熱い熱い』

狼がきがつくと物にぶつかりながら裏口から外に出て行った

「なんだ?追いかけるぞ」

3人は狼を追って外に出た、狼は裏の小川に浸かり熱い熱いと言いながらのたうち回っていた

「聖水が効いた、聖光ボムも効いてるといいことは」

私は小川の上手にまわり、川にてをいれると光属性の魔力を一気に流した

『ギャァー、ボッム』

何かが破れる音がして狼の方を見ると闇袋部分が破裂して黒いきりになって消えていた

「なんて不格好な」

残ったのは、胸から上はマッチョな狼、闇袋部分だったところは骨と皮の体毛もハゲハゲの不格好な狼がいた。

「狼は死なないんだ、普通の狼ってことか」

狼は気絶していて、流されて行きそうだった
ふわっと狼が中に浮くと川岸に横たえた
魔法を放ったのはおばあさんだった。

「おばあさん、助けるの?」
「そうだね、言葉がしゃべれるなら話を聞いてからかね」







庭に枯れ草を敷いてその上に狼を寝かせた。
「衰弱が激しいですね」
「さて、滋養のあるものでも作るかね」

そう言っておばあさんは家に入って行った

「ギルさん、私はこのままおばあさんを手伝います、申し訳ありませんが皆に大丈夫なこと伝えてもらえませんか?」
「・・・・・ああ、わかった」

何か言いたそうだったが、ギルさんは街に戻って行った

「結界が復活してる、おばあさんが闇に囚われていたから消えていたのかな?」
『おじょうちゃん、ハーブを積んて来てもらえるかい』

家の中からおばあさんが私に声を掛けてきた

「はい!」

ハーブを幾つか積んで家の中に入った








キッチンでは鍋がぐつぐつと鳴っている

「迷惑かけたね、助かったよありがとう」
「いえいえ、気分は大丈夫ですか?」
「ああ、マイクのまぼろし見せてくれたのおじょうちゃんだろう?マイクに聞いたのかい?」
「いえ、パン屋のおかみさんからちらっと聞いただけで、なんとなくおばあさんがああ言ってほしんじゃないかと思って」
「おじょうちゃん、良い子だね心が奇麗なんだね、マイクが喋ったのは何時ぶりだろうね、大人になったあの子の声はあんな感じなんだろうかね」

しみじみと思いにふけるように天井を見上げるおばあさん

(ごめんなさい、父の声ですあれ・・・)





おばあさんは息子さんのことを語りだした。
「マイクが8歳の時かね、自分におごっていた若かりし自分を情けなく思うよ」

昔は結構力のある魔法使いの冒険者だった、結婚して子供も出来たが、それでも続けていた、獣魔も2匹従えていたそうだ。
難易度の高い悪魔退治を終えて自宅に戻ったとき、悪魔の仲間に付けられていたのだろう、気がついたとき獣魔が悪魔に乗っ取られていた、夫は頭を食いちぎられ、子供も足を潰され、喉を切られて瀕死に、自分の爪の甘さが招いた惨劇に錯乱した、魔導器官が切れるほどの魔法を使って悪魔を退治して、残った魔力を使ってマイクの治療をした。
しかし欠損したものは戻ることはなかった。

「足を失い、声も失ったマイクを、魔導器官を使わないまじないでどうにか育てたよ、きっとあの子は恨んでいるだろうね、巻き沿いを食って人生を台無しにしたんだから」
「....そうでしょうか?そうは見えませんでしたが」
「パン屋の主人に気に入られてね、あのこのパンは本当に美味しいよ」
「もう魔導器官も治って魔法を使っているのでしょう?魔法を使えばパンを貰いに町に行くことも簡単なのでは?」
「あの当時悪魔を町に呼び寄せたと大分叩かれてね、町に行くことをやめたんだよ、マイクを受け入れて貰えただけで十分さね」
「おっと、スープは、頃合いかね。」

おばあさんは鍋を見にキッチンに向かった

「パン屋のおかみさんは、パン屋を改装した時に、御主人はおばあさんの部屋も作って、何時でもこれるようにしてるって言ってたけどなぁ」

「お嬢ちゃん、氷魔法は使えるかい?」

そう言って熱々の鍋を目の前においた






外のおおかみの元に行くと狼はうっすらと目を開けていた

「スープだよ冷ましてあるから食べなさい」

皿に入れたスープを狼の前においた、警戒しながら鼻を鳴らしながら、皿に近づくとなめ始めた

皿のスープが無くなると狼は震えだした

『俺をどうするつもりだ』

「そうさね、どうしようかねお前さんはどうしたい?」

『....わからない群れでは俺はつまはじきにあっていた、親父が守ってくれていたが、親父が戦闘で死んでからすぐに追い出されて、....狼の群れでは皆に言葉は通じないし、たまに人間に会って話しかけても気味悪がられてた、
討伐されかけて命からがら逃げていたら、目の前が真っ暗になってそれからしばらくの記憶がない、記憶が戻ったのは、赤いずきんを拾ったときだった』

「あれには階呪のまじないがかけてあるからね、悪魔に意識障害の呪いでもかけられていたんだろうね」
『自分の状況が分からなかった、すぐにまた意識が無くなったし』
「あんたは普通のオオカミじゃないね、なんだろうね・・・うーん」

「あれ?種族が変わってる・・・フェンリル?」

「それは神獣のフェンリルってことかい?お嬢ちゃんは鑑定にスキル持ちか」
「はい、でも前は<闇袋狼>だったんですが」
「進化?まさかね進化するにしても神獣になるなど・・・」
「・・・・ははっ・・・とりあえず害はなさそうですよね」

『後ろ足が動かない・・・これでは森にもどってもすぐやられてしむまう、いっそのことこのまま殺してくれ』

「そうさね・・・ここに要るかい?でも動けないのは困るね」
「あっそれ、義足のようなもの思いつきました」


数時間かけて私は車のついた台を作った

「細い後ろ足をここに乗せて、ベルトで固定すれば、前足だけで動けます、高さをここで調整できるのであと20センチは高くできます、大きくなっても大丈夫」
「凄いね動物の義足なんて考えもしなかったよ」
「壊れにくい付与魔法もかけておいたので、乱暴にしても壊れませんよ」
「剣に施す付与魔法を・・・こんな使い方も・・・面白い子だね」

『動ける凄い』

「どうする?森に帰るかい?ここにいるかい?」

『・・・ここに居させてもらえるか?・・・えっと』

「エリザベス、昔馴染みはリジーと呼ぶ、よろしくね、アレキサンアダー」

『アレキサンアダー・・・俺の名前・・・よろしく』

私はそのままリジーおばあさんの家に泊めてもらった。
次の日、息子のマイクが遠征から戻った赤ずきんちゃん(大人の高ランク冒険者)とギルさんも一緒にやってきた

「おばあちゃん、やっぱり街に来た方がいいよ、心配だわ」
「大丈夫だよ、年で魔力量が減ってていたけど、アレキサンダーがいるから結界が破られることは無いし・・・でも、今度食堂に遊びに行くよ」

そういうとマイクと赤ずきんちゃんは目を合わせて喜んでいた
襲ってきた狼を返り討ちにして、従魔にしたおばあさんをあこがれるように見つめる赤ずきんちゃんだった。

従魔契約をしたアレキサンダーはおばあさんの魔法の一部をつかるようになり結界を強化してみたらできたらしい・・・早朝から訓練してたなんて・・・私?爆睡してました。


マイクがおばあさんを恨んでいるという誤解はたぶんすぐに溶けるだろうと思って、3人を置いてギルと二人街に戻った。

「ギルさんはなんでまた来たんですか?赤ずきんちゃん強いから護衛いらなさそうだけど」
「・・・帰り道また寄り道してトラブルに巻き込まれないように迎えに来た」
「ちょっと、子供じゃないですよ」
「子供より、立ち悪いだろ強さにおごると彼女のように後悔することになるぞ」
「・・・おばあさんの事知ってるの?」
「結構有名人だよ彼女は」
「そっか」



ギルドに完了の報告をして宿に戻った
その帰りの公園で、ぼろぼろの男の子の石像が目に入っった、その足元で修復しているのだろうか、修道服を着た女の子がパテを塗っている・・・・

「うわぁ・・・下手・・・・スペインの教会で“史上最悪の修復劇”と言われた事件を、思いだすレベルだな・・・あの壁画はあのあと修復できたのだろうか?しかしこれは石像だけど・・・」













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