灰いかぶり令嬢の物語

朋 美緒(とも みお)

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15;父と子と結婚式

4:そう言われても、恨んでないし・・・今幸せだし////・・・

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大きい屋敷に気後れしたが、フェルディナンドが手を握ってくれて落ち着いた

「ようこそフェルディナンド閣下、ファティマお嬢様お帰りなさいませ」
玄関には老齢の執事らしき人と、ざまぁの時にいた父の兄の次男のジョイル氏が出迎えてくれた
始めてきたのにお帰りなさいは違和感があるが、この家の子供になったのだから、いいのかな

応接室に通されるとしばらくして、長男のグレンバレット公爵とジョイル氏にしっかり腕をつかまれている父のロバートが入ってきた、気まずそうな顔をしている

「お初にお目にかかる、公爵家当主 アルバート・グレンバレットと申します、女神の愛し子・・・」
「やめてください伯父様、娘になったのですから、そんな言葉遣いおかしいですわ、ファティマと呼び捨てでお願いします、敬語もおやめください」
フェルディナンドの方を侯爵が見た、うなづくフェルディナンド

「分かった、公爵家当主 アルバート・グレンバレットだ、ファティマ・・・義父(ちち)と呼んでくれ、我が家には娘が居ないので、妻が大分張り切っていてね、後で相手してもらえると嬉しいよ」
「分かりましたわ、お義母様(おかあさま)に会うのが楽しみです」
「それと、知っているとは思うが、私の補佐をしている弟のジョイルと今は居候の3男のロバート」
「お久しぶりですジョイル伯父様、ロバート伯父(・・)様」
にこっと挨拶した私、お父様は魂の抜けたような顔をしていた

「冗談です、お久しぶりです、お父様、お顔をしっかり見るのは7年?8年?それくらい前でしょうかね」
「・・・一年前に・・・」
「一年前は挨拶もろくにせずに消えて申し訳ありません、早くあの家から逃げたかったもので」
「・・・も・・・申し訳なかった・・・」
崩れるように床にしゃがみ込み頭を垂れる父

私はたぶん苦虫をつぶした様な変な顔をしていたと思う

「ロバートの育児放棄はなかなか立証できず、ドレメン婦人に騙された被害者となっている、ファティマはロバートをどうしたい」

「お義父にお任せします、商人としては優秀で、本人も娘の顔を忘れるくらい仕事(・・)が大好(・・)きですから、そのようになされればよろしいのではないでしょうか」
つめたい私の言葉にそこにいるメイドや侍従を含め皆黙っていた

「やだなぁ皆さん、そんな顔しないでください、別に父のことはもう恨んでもおりませんよ、嫌みの一つぐらいいいかなって思いまして言ってみました、本当にお義父にお任せします、父との思い出もありませんし、気にしません」
気にしないでって言ったつもりが、さらに沈黙

「あれ?皆さん・・・おーい」
「ファティマ」
またフェルディナンドに抱きしめられる

「いや、本当に恨んでませんって、今まで道理ご自由にって言ってるだけで・・・あれ皆復活しない・・まいったなぁ」

虐待されていればあるはずの、怒りも、息道理も、恨みも一切無く
それが虐待の後遺症なのだろう、救われないことの辛さから逃げる為の自己防衛だったのだろう
そのことはお義父にも報告されていたらしい、それを皆知ってての沈黙だった
恨み辛みをぶつけてくれた方が救われたと、父が後で言っていたらしい、どうでもいいと言われたようなものなので、辛いと
そういえば、「愛の反対は憎しみではなく無関心」って何かで読んだ気がする

そう言われても、恨んでないし・・・今幸せだし////・・・
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